
安田好弘弁護士 強制執行妨害事件の研究―司法の正義を問う
発刊日:2026年5月20日 第1版第1刷発行
弁護士の助言は、いつ、どこまで刑事責任に問われるのか。本書は安田弁護士事件を素材に、この根源的問題に真正面から切り込む。第一審無罪、控訴審有罪という逆転判決は、単なる個別事案にとどまらず、日本の刑事司法の深層に潜む歪みを浮かび上がらせる。膨大な記録と証言に基づき、捜査・起訴・裁判の過程を精査し、「司法の正義」はいかにして損なわれたのかを鋭く問い直す。
目 次
この本がどうして生まれたか…金子武嗣
第1 部 安田弁護士事件
【総 論】
弁護士のアドバイスと中立的行為論…松宮孝明
一 中立的行為論の意味
二 「安田弁護士事件」における問題の所在
三 弁護士の法律相談(アドバイス)と価値中立性
四 「安田弁護士事件」における問題の解決
【各 論】
第1 章 事案の概要と判決
第1 事案の概要
第2 捜査の経過
第3 裁判の経過
第2 章 安田弁護士のビジネスモデル(分社サブリース構想)の正当性
第1 安田弁護士は何を提案したか
第2 安田弁護士のサブリース構想はどのように評価されたか
第3 安田弁護士のサブリース構想のツール
第3 章 安田弁護士の分社化サブリース構想に変化はなかったこと
第4 章 控訴審判決批判(その1 )
―基本的なこと
第1 中立的行為論から
第2 控訴審判決は安田弁護士の分社サブリース構想のアドバイスをどのようにみたか
第3 安田弁護士のアドバイスが守られていないこと―ツールから
第5 章 控訴審判決批判(その2 )
―スンーズ関係者の供述の信憑性
第6 章 S、Оらの横領と賃料隠匿
―安田弁護士事件の真相
第1 判決が明らかにしたもの
第2 横領が明らかになったのはОの反対尋問での自白
第3 2 億1037万円の横領行為に至るまで
第4 判決が明らかにしたこと
第5 スンーズ社の4 人組に対する民事事件
第7 章 控訴審判決批判(その3 )
―「賃貸人変更のお知らせ」の送付状況から
資料(表1 – 1 から表3 )
第8 章 安田弁護士事件の捜査側(警察・検察)の不正義
第1 本件の捜査・公判の問題点
第2 刑事第1 審判決
第3 控訴審判決
第4 本件における捜査側の不正義
第9 章 捜査の端緒と整理回収機構(住管機構)の不正義
〈特別論稿〉刑事訴訟における信義則
―安田弁護士事件からみる司法の不正義
第1 刑事事件(刑事司法)の当事者と信義則
第2 信義則の発展
第3 刑事訴訟法と信義則
第4 安田弁護士事件の捜査側(検察)の不正義
第5 複合的な信義則違反行為をどのように処理するか
第6 信義則違反行為(刑訴法1 条違反行為)―これを排除するには
(係争中の場合)
第7 再審請求について
第8 結論―何を意図しているか
第2 部 安田弁護士インタビュー
インタビューのはじめに 金子武嗣
第1 章 安田さんの弁護の基本とは
1 新宿バス放火事件
2 泉水博さんの事件
第2 章 安田弁護士事件
1 安田弁護士事件の前―オウム真理教(麻原)裁判
2 安田弁護士事件の舞台―スンーズ社
3 安田さんの逮捕・勾留まで
4 安田さんの第1 回公判
5 証拠調べと従業員の横領発覚
6 安田さんの保釈
7 従業員の証人尋問
8 裁判長の交代
9 安田さんの無罪判決
10 安田さんの控訴審
11 最高裁判決
12 安田さんの総括は
第3 章 安田弁護士事件の中での事件
―光市母子殺害事件について
第4 章 安田さんの弁護は変わったか
1 SFCG 刑事事件
2 熱狂の中の裁判―SFCG 事件と光市事件
第5 章 安田さんをつくっているもの
1 安田弁護士事件で背負ったもの
2 死刑確定後の弁護と死刑廃止運動
3 刑事事件と民事事件
4 安田さんの民事事件
5 安田さんと事件
あとがき…金子武嗣


