判例時報 No.2605〔評論 No.789〕
2024年12月1日 号 定価:1470円
(本体価格:1336円+10%税)
◇第7回判例時報賞 結果発表
<最新判例批評>
松尾 知子 大藏 将史
憲法24条は同性婚を含むという憲法解釈の定立
──同性婚認容判決と司法部の立ち位置(その2)
……千葉 勝美
実務と学説からみた憲法訴訟(11)
岡口基一氏に対する弾劾裁判を振り返って
─弁護人の視点から─……大賀 浩一
裁判官弾劾制度に関する若干の考察
──岡口判事弾劾裁判罷免判決を受けて……野坂 泰司
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
◆記 事◆
憲法24条は同性婚を含むという憲法解釈の定立
──同性婚認容判決と司法部の立ち位置(その2)……千葉 勝美
実務と学説からみた憲法訴訟(11)
岡口基一氏に対する弾劾裁判を振り返って
─弁護人の視点から─……大賀 浩一
裁判官弾劾制度に関する若干の考察
──岡口判事弾劾裁判罷免判決を受けて……野坂 泰司
◆判決録◆
行 政
▽廃棄物の処理及び清掃に関する法律15条の2第1項にいう、産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理に関する計画が周辺地域の生活環境の保全等について適正な配慮がなされたものであること(2号要件)に関する処分行政庁の判断について、判断過程に看過しがたい過誤、欠落があるとして、設置許可処分を取り消した事例
(広島地判令5・7・4)
民 事
○物流倉庫内においてフォークリフト運転者が段ボールを回収運搬するに当たり、大量の段ボールが堆積する場所でフォークリフトの前進・後退を繰り返し、高温となった排気管と段ボールが接触して発火したことから発生した火災事故についてフォークリフト運転者の過失が肯定された事例(過失相殺3割5分)
(東京高判令6・2・8〈参考原審:東京地判令5・4・26〉)
▽1 原被告間において締結された健康診断業務に関する基本契約に基づいて、20年間にわたって毎年個別契約が締結され、健康診断業務が行われてきたなどの事実関係の下において、担当者間で受託業務内容について合意が成立するなどしていたとしても、なお、個別契約の成立が否定され、基本契約又は個別契約に基づく報酬請求が認められないとされた事例
2 健康診断業務に関する個別契約の成立は認められないが、健康診断業務を受託できるとの原告の期待は保護に値し、被告には契約締結上の過失が認められるとして、信頼利益の損害請求が認められた事例
(東京地判令5・5・9)
▽仮想通貨交換業者が管理していた仮想通貨が不正送信され、当該交換業者が仮想通貨の送信等の停止措置を講じた事案において、当該交換業者とユーザーとの間における補償合意を否定して、ユーザーによる送信請求を認める一方で、当該交換業者の停止措置による履行遅滞や仮想通貨の管理体制の構築義務違反を否定した事例
(東京地判令4・4・27)
判例評論
21 離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき裁判を先送りすることの許否
(最二判令4・12・26) ……松尾 知子
22 1 消費税法における「課税資産の譲渡等にのみ要する」課税仕入れと「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する」課税仕入れとの区別(①事件)
2 事業者が消費税及び地方消費税の確定申告において課税期間中に行った課税仕入れの区分につき、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があると認めることはできないとされた事例(②事件)
(①最一判令5・3・6、②最一判令5・3・6)……大藏 将史