判例時報 No.2564
2023年10月11日 号 定価:850円
(本体価格:773円+10%税)
当事者識別情報秘匿制度の運用に望む
──対審(当事者対等主義)との緊張関係……伊藤 眞
■判決録
<行政> 1件
<民事> 2件
<商事> 1件
<知的財産権> 1件
<刑事> 1件
◆記 事◆
当事者識別情報秘匿制度の運用に望む
──対審(当事者対等主義)との緊張関係……伊藤 眞
◆判決録細目◆
行 政
◎金沢市庁舎前広場における集会に係る行為に対し金沢市庁舎等管理規則(平成23年金沢市規則第55号)5条12号を適用することは、憲法21条1項に違反しない
(最三判令5・2・21)
民 事
▽インターネット上の電子掲示板に投稿された記事がバーチャルYouTuberとして活動する者の人格的利益を侵害するものであるとして、当該投稿に係る発信者情報の開示を命じた事例
(大阪地判令4・8・31)
▽自動車保険の契約者が初回保険料の支払を怠っている状況で、示談代行を行う保険会社が被害者との間で成立させた交通事故の示談につき、同保険会社が被害者に対し初回保険料の不払いを理由とする保険金支払免責の主張をすることが信義則に反するとはいえないとした事例
(静岡地判令5・4・28)
商 事
○買収防衛策として導入発動された新株予約権の無償割当てが、相当性を欠くものとして、その仮の差止めが認められた事例
(大阪高決令4・7・21〈参考原審:大阪地決令4・7・11〉)
知的財産権
○1 特許権を侵害する製品(直接侵害品)の生産に用いられることのなかった間接侵害品がある場合には、当該間接侵害品の数量は特許法102条1項1号にいう「特定数量」に該当する
2 当該「特定数量」に関しては特許法102条1項2号にいう「許諾をし得たと認められない場合」に該当し、実施料相当額の損害を請求することができない
3 直接侵害品の生産に用いられることのなかった間接侵害品がある場合には、当該間接侵害品の数量は特許法102条2項による損害額推定の覆滅事由になる
──画面定義装置事件
(知財高判令4・8・8〈参考原審:大阪地判平30・12・13本誌2478号74頁〉)
刑 事
▽少年(特定少年)が、警察官になりすまし、高齢者らからキャッシュカードを盗み、それを用いて現金を窃取するなどした窃盗、詐欺保護事件について、犯情の悪質性、少年の立場、保護処分歴、保護環境等を考慮の上、刑事処分を相当と認めて検察官送致とした事例
(鳥取家決令4・9・26)