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判例時報 No.2561・2562(秋季合併号)
             2023年9月11・21日 号 定価:1700円 (本体価格:1545円+10%税)

SNSを用いたストーカー行為について……星 周一郎
 
■判例特報
 日野町事件第2次再審請求・再審開始決定即時抗告審
 (大阪高決令5・2・27)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
<知的財産権> 2件
<刑事> 3件


◆記 事◆

SNSを用いたストーカー行為について……星 周一郎

◆判例特報◆

 1 強盗殺人事件の第1審判決(無期懲役)が確定し、服役中に死亡した元受刑者の妻子を請求人とする再審請求に対し、再審を開始する旨の判断をした原決定を維持し、検察官の即時抗告を棄却した事例
 2 新旧証拠の総合評価によれば、死体発見現場の知情性及びアリバイ主張の虚偽性を犯人性肯定の根拠とした確定判決の認定が動揺するなどしており、再審開始を認めた原決定の結論は正当であるとして、検察官の即時抗告を棄却した事例
──日野町事件第2次再審請求・再審開始決定即時抗告審
(大阪高決令5・2・27)

◆判決録細目◆

行 政

▽指定管理者の指定を取り消された原告が、普通地方公共団体である被告に対して、基本協定上の請求、委任契約ないし準委任契約に基づく報酬請求、民法650条3項の請求、民法651条2項の請求及び国家賠償請求をしたが、いずれも棄却された事例

(仙台地判令4・8・22)

民 事

◎インターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワークにおいて、ある者のプライバシーに属する事実を摘示するメッセージが投稿された場合に、その者が前記情報ネットワークの運営者に対して前記メッセージの削除を求めることができるとされた事例

(最二判令4・6・24)

◎子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例

(最三決令4・11・30)

○別居中の夫婦間において、妻である原審申立人が、夫で開業医である原審相手方に対して婚姻費用分担金の支払を求めた事案において、義務者である原審相手方の収入が標準算定方式の上限を超えることから、原審が、同方式によらず、同居時の生活水準や生活費支出状況、別居後の家計収支及び生活状況等の諸般の事情を踏まえて婚姻費用の分担額を定めたのに対し、抗告審においては、同方式を維持した上で、高額所得者である原審相手方の基礎収入について、同人の総収入から控除する税金や社会保険料、職業費及び特別経費について、事業収入の特殊性を踏まえた数値を用い、更に一定の貯蓄分を控除して婚姻費用分担額を算定した事例

(大阪高決令4・2・24)

知的財産権

◎音楽教室の運営者と演奏技術等の教授に関する契約を締結した者(生徒)のレッスンにおける演奏に関し前記運営者が音楽著作物の利用主体であるということはできないとされた事例

(最一判令4・10・24)

○1 物の製造方法に係る特許権に基づく侵害差止等請求において、特許法104条を適用して被告原料が原告の特許発明の方法により生産されたものと推定し、また、推定の覆滅は認められないと判断された事例
2 特許法39条2項の「同一の発明」に当たらないと判断された事例

(知財高判令4・2・9)

刑 事

◎強制採尿令状の発付に違法があっても尿の鑑定書等の証拠能力は肯定できるとされた事例

(最一判令4・4・28)

▽精神障害による幻聴・被影響妄想の影響下で実子を床に放り投げるなどの暴行を加え死亡させた傷害致死の事案につき、幻聴体験等についての被告人供述の信用性及び同供述に基づく精神鑑定の信用性を検討した上、心神喪失状態にあった疑いが残るとして無罪を言い渡した事例

(横浜地判令4・1・12)

▽保険金殺人の共同正犯として起訴された被告人につき、重要な役割を果たしたことは認めつつも、主犯とされる者の指示に従っていたにすぎず、積極的主体的に関与したとはいえないとして、殺人罪の幇助犯を認定した事例

(千葉地判令2・12・16)

※訂正箇所

●2561=2562合併号7頁2段33行目

誤 …熊本地判31・3・28
正 …熊本地判平31・3・28

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