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判例時報 No.2505〔評論 No.756〕
             2022年3月1日 号 定価:2100円 (本体価格:1909円+10%税)

<最新判例批評>
 野坂 泰司  香川 崇  齋藤 航  杉本 一敏
 
裁判制度のパラダイムシフト
 ─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(7)
 ──民事裁判手続のIT化と憲法……笹田栄司
 
コロナ禍社会における法的諸問題(19)
 人権・ロックダウン・緊急事態……横大道 聡
 
共犯論をめぐる近時の裁判例について
 第3回 詐欺未遂の承継的共同正犯をめぐる
    近時の裁判例について……小林憲太郎
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
<労働> 1件
<刑事> 2件


◆記 事◆

裁判制度のパラダイムシフト
 ─過去と未来をつなぐ憲法上の10のテーマ(7)
 ──民事裁判手続のIT化と憲法……笹田栄司

コロナ禍社会における法的諸問題(19)
 人権・ロックダウン・緊急事態……横大道 聡

共犯論をめぐる近時の裁判例について
 第3回 詐欺未遂の承継的共同正犯をめぐる近時の裁判例について……小林憲太郎

◆判決録細目◆

行 政

▽都市計画で決定された公園の計画区域内に、当該都市計画を変更しないまま、一般廃棄物処理施設への廃棄物の運搬車両のための専用道路を設置したことについて、これが都市計画法上違法であり、道路設置のために市長がした契約の締結が地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に違反するとして、市長が損害賠償義務を負うとされた事例

(東京地判令2・11・12)

民 事

○生徒の自死事件を受けて市教育委員会が設置した調査委員会が、調査の過程で収集した資料について、インカメラ手続を経て、証拠調べの必要性及び民事訴訟法220条4号ロ該当性について判断した事例

(広島高決令2・11・30〈参考原審:広島地決令2・11・30〉)

○車道の第2車線の中央分離帯寄りの位置で歩行又は一時的に佇立していた歩行者が交通事故に遭遇した保険事故に係る保険金請求について、重大な過失に起因する旨の免責事由の適用の有無が争点となった場合に、免責事由を認めた原判決を、控訴審において重大な過失があるとはいえないとして取り消し保険金請求を認容した事例

(福岡高判令2・8・27〈参考原審:福岡地判令2・1・16〉)

▽1 自身になりすました第三者により無断でインターネット上のウェブサイトに記事を投稿されたことについて、他人に氏名を冒用されない権利(人格権)を違法に侵害されたものとして、同サイトの投稿記事につき削除権限を有する者に対して、人格権に基づく当該記事の削除請求が認められた事例
2 インターネット上のウェブサイトの運営者が、発信者情報の開示を求められた別件仮処分命令申立事件で答弁書を提出した時点において、なりすましによる記事であることを認識できるだけの情報を提供されていなかったという事情の下で、当該記事を削除する条理上の義務違反を理由とする不法行為の成立が否定された事例

(大阪地判令2・9・18)

労 働

○会社従業員の過労死について会社の債務不履行責任に加えて一部の取締役の会社法429条1項所定の責任が認められる一方、5割の過失相殺の類推適用が認められた事例

(東京高判令3・1・21〈参考原審:横浜地判令2・3・27〉)

刑 事

○1 強盗殺人罪の訴因について殺人罪及び窃盗罪で有罪とした1審判決を破棄して被告人を無罪とした控訴審判決が最高裁判決によって破棄された後の差戻審において、被告人の犯人性を肯定するとともに、強盗殺人罪の不成立につき事実誤認があるとして1審に差し戻した事例(①事件)

▽2 前記の差し戻された事件につき、被告人に対して強盗殺人罪の成立を認めて無期懲役を言い渡した事例(②事件)

(①広島高判平31・1・24、②鳥取地判令2・11・30)
──米子ホテル強盗殺人差戻審判決

判例評論

44 普通地方公共団体の議会の議員に対する出席停止の懲罰と司法審査

──岩沼市議出席停止処分事件
(最大判令2・11・25)……野坂泰司

45 不動産競売手続において建物の区分所有等に関する法律66条で準用される同法7条1項の先取特権を有する債権者が配当要求をしたことにより配当要求債権について差押え(平成29年法律第44号による改正前の民法147条2号)に準ずるものとして消滅時効の中断の効力が生ずるための要件

(最二判令2・9・18)……香川 崇

46 1 中学校におけるいじめによって自殺した亡生徒の自殺に係る損害につき、いじめ行為から「通常生ずべき損害」に当たるとして、いじめ行為との相当因果関係を認めた事例

2 いじめによる自殺に係る損害賠償額につき、亡生徒は自らの意思で自殺を選択し、さらに金銭窃取という違法行為により自らを逃げ場のない状態に追い込んだという点で、両親も家庭環境を適切に整えることができず、亡生徒を精神的に支えることができなかったという点で、過失相殺の適用及び類推適用を基礎づける事情があると認定し、4割を減額した事例
(大阪高判令2・2・27)……齋藤 航

47 複数の暴行行為者の間に暴行途中から共謀が認められた場合における刑法207条適用の可否

(最二決令2・9・30)……杉本一敏

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