判例時報 No.2504
2022年2月21日 号 定価:850円
(本体価格:773円+10%税)
特集 夫婦別姓問題の行方
⑷夫婦同氏制と憲法……大西祥世
⑸夫婦同氏違憲訴訟と「救済法」……上田健介
共犯論をめぐる近時の裁判例について
第2回 共犯関係の解消をめぐる近時の裁判例
について……小林憲太郎
■書評
木谷明『違法捜査と冤罪 捜査官‼その行為は違法です。』
評者 福崎伸一郎
■判決録
<行政> 1件
<民事> 4件
<刑事> 2件
◆最高裁判例要旨(2021(令3)年10月分)
◆記 事◆
特集 夫婦別姓問題の行方
⑷夫婦同氏制と憲法……大西祥世
⑸夫婦同氏違憲訴訟と「救済法」……上田健介
共犯論をめぐる近時の裁判例について
第2回 共犯関係の解消をめぐる近時の裁判例について……小林憲太郎
◆書 評◆
木谷明『違法捜査と冤罪 捜査官‼その行為は違法です。』(2021、日本評論社)
評者……福崎伸一郎
◆判決録細目◆
行 政
▽原子力規制委員会がした発電用原子炉の設置変更許可が違法であるとされた事例
(大阪地判令2・12・4)
民 事
◎乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しHBe抗原陽性慢性肝炎の発症、鎮静化の後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害につきHBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例
(最二判令3・4・26)
○マンションの外面に掲げられた横断幕・垂れ幕が隣地で建物を建設中の業者の名誉毀損に当たるとして業者が当該マンションの管理組合に対し損害賠償請求と横断幕等の掲示禁止請求をしたが、1審判決で棄却され、控訴審でも原審の判断が維持された事例
(大阪高判令2・9・10〈参考原審:大阪地判令2・2・28〉)
○精神科病院に医療保護入院中に患者が急性肺血栓塞栓症で死亡した事故について、当該患者の身体的拘束が精神保健指定医に認められたその必要性の判断の裁量を逸脱して違法であるとして、医療側の過失を肯定した事例
(名古屋高金沢支判令2・12・16〈参考原審:金沢地判令2・1・31本誌2455号41頁〉)
▽医療法人の定款に、社員の資格喪失事由として退社等を掲げる規定及び同規定に「定める場合の外」社員は理事長の同意を得るなどして退社できる旨の規定がある場合において、社員が理事長の同意を得ることなく退社できると解することはできないとされた事例
(東京地判令3・6・7)
刑 事
◎自動車を運転する予定の者に対し、ひそかに睡眠導入剤を摂取させ運転を仕向けて交通事故を引き起こさせ、事故の相手方に傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について、事故の相手方に対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
(最二判令3・1・29)
▽警察官が逮捕・勾留中の取調べの際に当時19歳の少年であった被疑者(原告)に対してした発言が原告の黙秘権を実質的に侵害するものであり、警察官が原告に対する接見内容の聴取を行ったことが原告の接見交通権を侵害するものであると認められた事例
(熊本地判令3・3・3)
◆最高裁判例要旨(2021(令3)年10月分)