◎子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例

○携帯電話の利用に係る通信サービスを提供する契約における約款の変更条項につき、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して、消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する条項とは認められないとした事例

▽成年後見人がその選任の前後を通じて被後見人の財産を不正に流出させたという事案に関し、家事審判官には成年後見人の選任及び監督権の行使又は不行使につき国家賠償法上違法である点は認められないとされた事例

▽冬季に凍結していた道路において大型トレーラが滑走したため発生した交通事故につき、道路に設置された散水融雪装置の作動状況、路面の排水能力、グルービング舗装その他の凍結防止策、ロードヒーティングの未設置等について多面的に検討し、道路の設置又は管理の瑕疵があるとはいえないとした事例

▽私立高校の柔道部における生徒間のいじめについて、加害生徒らの共同不法行為の成立を認め、損害賠償請求の一部を認容した事例

▽石綿由来の肺がんにり患したことを理由とするアスベスト国賠訴訟において、遅延損害金の起算日が、肺がんの診断を受けた日と判断された事例

▽元県副知事による県職員採用試験における合格口利きの疑惑を真実と認め、当該口利きの事実を報告する文書を県に提出するなどした元県教育長の行為の違法性を否定し、一方で、当該口利きの事実が虚偽であるなどと記者会見した元県副知事の行為は元県教育長の社会的評価を低下させる違法なものであり、不法行為を構成するとされた事例

○控訴人（１審原告）の販売するサックス用ストラップは、モデルチェンジ前の商品の形態と実質的に同一でないから、３年の保護期間（不正競争防止法19条１項５号イ）の起算点は、モデルチェンジ後の商品の販売時であり、また、モデルチェンジ後の商品全体の形態が不正競争防止法２条１項３号により保護されるとして、被控訴人（１審被告）の販売するサックス用ストラップは、同号の不正競争行為（形態模倣）に当たると判断した事例

○犯人性が争われた事案において、間接事実を総合して被告人を犯人と認定し死刑を言い渡した１審判決を維持し、被告人側の控訴を棄却した事例