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判例時報 No.2415〔判例評論 No.728〕*
             2019年10月1日 号 定価:1470円 (本体価格:1336円+10%税)

◇第3回判例時報賞 結果発表
 
<最新判例批評>
 曽我部真裕 大坂 恵里 畑  宏樹
 大山 和寿 鳥山 泰志 末宗 達行
 
録音・録画記録媒体の証拠としての許容性・範囲に関する多角的検討(2)
 録音・録画下の供述立証に関する一考察……清野憲一
 
刑法判例と実務
 ──第46回 潜在的自由保護の周辺──……小林憲太郎
 
法曹実務のための行政法門(18)
 ―─行政訴訟②―─処分性(その二)……高橋 滋
 
■判決録
<行政> 3件
<民事> 4件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◇第3回判例時報賞 結果発表

◆記 事◆

録音・録画記録媒体の証拠としての許容性・範囲に関する多角的検討(2)
 録音・録画下の供述立証に関する一考察……清野憲一

刑法判例と実務
 ──第46回 潜在的自由保護の周辺──……小林憲太郎

法曹実務のための行政法入門(18)
 ―─行政訴訟②―─処分性(その二)……高橋 滋

◆判決録細目◆

行 政

◎公職選挙法二〇四条の選挙無効訴訟において選挙人が同法二〇五条一項所定の選挙無効の原因として年齢満一八歳及び満一九歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている同法九条一項の規定の違憲を主張することの可否

(最一決平31・2・28)

◎一 普通地方公共団体の議会の議員に対する懲罰その他の措置が当該議員の私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否の判断方法
二 市議会の議会運営委員会による議員に対する厳重注意処分の決定が違法な公権力の行使に当たるとはいえないとされた事例

(最一判平31・2・14)

▽父親が行った、長女に関する児童相談所の児童記録の開示請求に対し県が請求者以外の個人情報に当たることを理由に非開示決定をした場合に、父親が同決定の取消しを求めたところ、未成年の子の養育を直接的又は間接的に担ってきた子の相続人でもある父母の個人情報と基本的に同視し得るとして、これを認容した事例

(山口地判平30・10・17)

民 事

◎一 刑事訴訟法四七条所定の「訴訟に関する書類」に該当する文書につき民事訴訟法二二〇条一号所定のいわゆる引用文書に該当するとして提出を命ずることの可否
二 刑事事件の捜査に関して作成された書類の写しで、それ自体もその原本も公判に提出されなかったものを、その捜査を担当した都道府県警察を置く都道府県が所持する場合に、当該写しにつき民事訴訟法二二〇条一号所定のいわゆる引用文書又は同条三号所定のいわゆる法律関係文書に該当するとして提出を命ずることの可否

(最三決平31・1・22)

○仲裁判断の取消申立てにおける審理・判断の方法につき、国内民事訴訟手続に関する緻密な解釈に拠ることなく、国際的に通用する仲裁法の解釈を前提にすべきであると判断して、仲裁判断の取消しを認めた原決定を取り消した事例

(東京高決平30・8・1〈参考原審:東京地決平30・3・28掲載〉)

○父が、母に対し、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき、子をその常居所地国であるオーストラリア連邦に返還することを求めた事案において、常居所地国がオーストラリア連邦ではないと判断して、申立てを認めなかった事例

(大阪高決平29・2・24〈参考原審:大阪家決平28・11・29掲載〉)

▽楽器の販売等を業とする事業者からピアノ調律業務等を委託されていたピアノ調律師が、同事業者との間の業務委託契約を終了するに当たり、同事業者のピアノ調律業務の顧客らに対し、その旨を伝えるなどした行為が、不正競争防止法二条一項七号の「不正競争」に該当するか否かが争われた事案において、同事業者が保管するピアノ調律業務の顧客情報につき、秘密管理性を否定して、営業秘密に該当しないとした事例

(青森地判平31・2・25)

労 働

○休職期間中に行われたテスト(試し)出勤における作業と賃金請求権の可否(最低賃金の範囲で積極)

(名古屋高判平30・6・26〈名古屋地判平29・3・28掲載〉)

刑 事

▽少年が満二〇歳に達したことを理由とする検察官送致決定に伴うみなし勾留に関する準抗告について、勾留の必要性が認められないとして、検察官送致に当たり観護措置を取り消さなかった措置を取り消した上で、観護措置を取り消した事例

(東京家決平30・8・7)

判例評論

37 タトゥー施術行為に医師法17条を適用して処罰することは、職業選択の自由を侵害するおそれがあり、憲法上の疑義があるとされた事例

(大阪高判平30・11・14)……曽我部真裕

38 水俣病の患者団体とチッソ株式会社との間で締結された補償協定について、水俣病関西訴訟最高裁判決により確定された損害賠償義務の履行を受けた者は、これに加え補償協定に基づく補償を受けることはできないとして、原告らの請求を棄却した事例

(大阪高判平30・3・28)……大坂恵里

39 訴えの客観的予備的併合訴訟において、予備的請求を認諾する旨の陳述がされたとしても、その陳述の効力を認めなかった事例

(東京高判平30・2・14)……畑 宏樹

40 1 信託財産に属する債権と受託者の固有財産に属する債務との相殺が認められた事例

 2 相手方が破産後に、信託財産に属する損害賠償請求権を自働債権として受託者が相殺をした場合に、相殺の合理的期待があるとされた事例
(東京地判平28・11・25)……大山和寿

41 滞納処分による差押えがされた後に設定された賃借権により担保不動産競売の開始前から建物の使用又は収益をする者の民法三九五条一項一号に掲げる「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」該当性

(最三決平30・4・17)……鳥山泰志

42 インターネットショッピングモール事業者による検索連動型広告にハイパーリンクを施して広告を掲載する行為に関する商標的使用該当性と使用主体性

(大阪高判平29・4・20)……末宗達行

※訂正箇所

●本誌24頁・2段・情報欄

誤 …(特別抗告)
正 …(許可抗告)

●本誌66頁・1段・参照条文

誤 …民法415条Ⅰ
正 …民法415条

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