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判例時報 No.2405〔判例評論 No.725〕
             2019年7月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 高橋正人 上﨑 哉 渡井理佳子
 伊藤栄寿 小原将照 白須真理子
 
刑法判例と実務
 ──第四三回 暴行・傷害罪の周辺──……小林憲太郎
 
法曹実務のための行政法入門(15)
 ――国家賠償③――一条と二条の交錯、三条(その一)……高橋 滋
 
■書評
 伊藤眞=加藤新太郎=永石一郎編
 『これからの民事実務と理論―実務に活きる理論と理論を創る実務』
 評者 杉本和士
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 4件
<刑事> 2件
 
◆最高裁判例要旨(二〇一九(平三一)年二月分)


◆記 事◆

刑法判例と実務
 ──第四三回 暴行・傷害罪の周辺──……小林憲太郎

法曹実務のための行政法入門(15)
 ―─国家賠償③─―一条と二条の交錯、三条(その一)……高橋 滋

◆書 評◆

伊藤眞=加藤新太郎=永石一郎編
『これからの民事実務と理論―実務に活きる理論と理論を創る実務』(民事法研究会、二〇一九年)
評者……杉本和士

◆判決録細目◆

行 政

▽一 賃貸用の建物の建築資金とするための借入れに係る債務の返済に充てられた借入金の債務につき、その債務の免除を受けることにより得た利益が不動産所得に当たるとされた事例
二 農業用機械の購入資金とするための借入金の借換え等に係る債務の返済に充てられた借入金の債務につき、その債務の免除を受けることにより得た利益が事業所得に当たるとされた事例

(東京地判平30・4・19)

民 事

◎民事訴訟法三二四条に基づく移送決定についての取消しの許否

(最三決平30・12・18)

○売買契約の目的物である土地の表層及び土壌内に石綿(アスベスト)を含有するスレート片が混入していたことが売買契約の瑕疵に当たるとされた事例

(東京高判平30・6・28〈参考原審:東京地判平28・4・28掲載〉)

○児童相談所長である原告申立人が、児童らについての引き続いての一時保護の承認を求めた事案において、児童らの父母である抗告人らによる監護状況は、劣悪であり、児童らの福祉を著しく害するもので、児童らの安全を確保し適切な保護を図る必要性があり、また、児童らが多数である上、児童らの中には、学力遅滞の程度が著しく、あるいは、精神疾患や発達遅滞が窺われる者も含まれており、その抱える問題も深刻であるため、児童らの心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握する必要性もあることから、引き続き一時保護を行う必要性が認められるとして、引き続いての一時保護を承認した原審判を相当とし、抗告を棄却した事例

(大阪高決平30・6・15)

▽市道を歩行中に道路脇に存在した側溝に転落した事故につき、道路に管理の瑕疵があるとして、国家賠償責任が認められた事例

(福島地判平30・9・11)

刑 事

◎自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律二条五号の危険運転致死傷罪の共同正犯が成立するとされた事例

(最二決平30・10・23)

▽強盗・強制性交等被告事件において、被害者とされる者の証言の信用性を否定し、被告人に無罪を言い渡した事例

(前橋地判平30・5・23)

◆最高裁判例要旨(二〇一九(平三一)年二月分)

判例評論

一七 市長と職員が一対一でやりとりした電子メールの組織共用文書該当性

(大阪高判平29・9・22)……高橋正人

一八 改良住宅の入居者が死亡した場合の使用権の承継について定めた京都市市営住宅条例二四条一項は、住宅地区改良法二九条一項、公営住宅法四八条に違反し違法、無効であるとはいえない

(最一判平29・12・21)……上﨑 哉

一九 ドメスティック・バイオレンスの加害者とされる者の代理人弁護士から、住民基本台帳法に基づき、その被害者とされる者に係る戸籍の附票の写しが必要である旨の申出がされた場合に、住民基本台帳事務処理要領が定めるところに従って当該戸籍の附票の写しを交付しないとした市長の処分に裁量権の逸脱・濫用の違法はないとされた事例

(大阪高判平30・1・26)……渡井理佳子

二〇 理事長を建物の区分所有等に関する法律に定める管理者とし、役員である理事に理事長を含むものとした上、役員の選任及び解任について総会の決議を経なければならない旨の定めがある規約を有するマンション管理組合において、理事の互選により選任された理事長につき、理事の過半数の一致により理事長の職を解くことができるとされた事例

(最一判平29・12・18)……伊藤栄寿

二一 抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合における当該抵当権自体の消滅時効

(最二判平30・2・23)……小原将照

二二 離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利の濫用に当たるとされた事例

(最三決平29・12・5)……白須真理子

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