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判例時報 No.2401 〔判例評論 No.724〕
             2019年6月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 山崎友也 村上裕章 日野辰哉
 福永 実 松原正明 松尾誠紀
 
刑法判例と実務
 ──第四二回 文書の「偽造」概念の周辺──……小林憲太郎
 
法曹実務のための行政法入門(14)
 ―─国家賠償②─―国賠法一条一項(その二)……高橋 滋
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 1件
<商事> 1件
<刑事> 1件
 
■最高裁判例要旨(2019(平31)年1月分)


◆記 事◆

刑法判例と実務
 ──第四二回 文書の「偽造」概念の周辺──……小林憲太郎

法曹実務のための行政法入門(14)
 ―─国家賠償②―─国賠法一条一項(その二)……高橋 滋

◆判決録細目◆

行 政

▽宮城県議会議員の政務調査費、政務活動費に関する支出報告書等のうち、各領収証等添付票の個人の氏名、住所、私印の印影及び口座情報等に係る情報が、宮城県議会の保有する情報の公開に関する条例八条二号但書イの「法令の規定により又は慣行として公開され、又は公開することが予定されている情報」に該当せず、同号所定の非公開情報に当たるとされた事例

(仙台地判平30・6・26)

▽市立記念館条例を廃止する条例の制定行為について、裁量権行使の逸脱及び濫用が認められず、違法性が認められないとされた事例

(青森地判平30・11・2)

民 事

◎一 被害者の行使する自動車損害賠償保障法一六条一項に基づく請求権の額と労働者災害補償保険法一二条の四第一項により国に移転して行使される右記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合に、被害者は国に優先して損害賠償額の支払を受けられるか
二 自動車損害賠償保障法一六条の九第一項にいう「当該請求に係る自動車の運行による事故及び当該損害賠償額の確認をするために必要な期間」の意義及びその判断方法

(最一判平30・9・27)

商 事

○粉飾決算による虚偽の有価証券届出書を提出した会社の株式の募集及び売出しについて、元引受契約を締結した主幹事証券会社の責任が否定された事例
(東京高判平30・3・23〈参考原審:東京地判平28・12・20掲載〉)

刑 事

▽高齢の被告人による交通事故に関し、てんかんの罹患とその運転への影響が争われ、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律三条二項の危険運転致死傷罪の成否が問題となった事案につき、被告人がてんかんに罹患していることを認定しつつ、本件事故がてんかん発作の影響による意識障害を原因とするものであるとする医師の鑑定意見の信用性には疑問があり、認知症による認知機能の低下が原因であった可能性が否定できないとして、主位的訴因である危険運転致死傷罪の成立を認めず、予備的訴因である過失運転致死傷罪の成立が認められるにとどまるとした事例

(宮崎地判平30・1・19)

◆最高裁判例要旨(2019(平31)年1月分)

判例評論

一一 地方議会における発言取消命令に対する司法審査の可否――愛知県議会発言取消命令事件最高裁判決

(最一判平30・4・26)……山崎友也

一二 内閣官房報償費情報公開訴訟上告審判決

(最二判平30・1・19)……村上裕章

一三 公売公告取消訴訟係属中に滞納財産の売却決定等が実施された場合であっても、取消判決の拘束力により後行処分取消義務が発生する等として、「回復すべき法律上の利益」が認められるとされた事例

(東京地判平27・7・17)……日野辰哉

一四 被爆者援護法に基づく被爆者健康手帳交付申請却下処分及び健康管理手当認定申請却下処分の各取消訴訟、被爆者健康手帳の交付義務付け訴訟の係属中に申請者が死亡した場合における訴訟承継の成否

(最一判平29・12・18)……福永 実

一五 いわゆる花押を書くことと民法九六八条一項の押印の要件

(最二判平28・6・3)……松原正明

一六 救護義務違反・報告義務違反が成立するためには、交通事故を起こした運転者が事故発生を認識した後、再発進して走行するなど、それらの義務の履行と相容れない行動をとっただけでは足りず、一定の時間的場所的離隔を生じさせて、それらの義務の履行と相容れない状態にまで至ったことを要するとされた事例

(東京高判平29・4・12)……松尾誠紀

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