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判例時報 No.2397
             平成31年4月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

現代型取引をめぐる裁判例(441)……升田 純
 
少年法適用年齢引下げ問題について
 ―脳科学の視点から(2)―……山口直也
 
可視化法の法理と「取調べ観」の転換
 (主に弁護人立会について)(下)……小坂井久・中西祐一
 
民事・行政事件への国民参加の検討
 ……牧野 茂・水野泰孝・丸田 隆・小原 健
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 6件
<刑事> 3件


◆記 事◆

現代型取引をめぐる裁判例(441)……升田 純

少年法適用年齢引下げ問題について―脳科学の視点から―(2)
 脳科学・神経科学の進展と少年司法の変容―米国連邦最高裁判決から何を学べきか……山口直也

可視化法の法理と「取調べ観」の転換(主に弁護人立会について)(下)……小坂井久・中西祐一

民事・行政事件への国民参加の検討
 国民の刑事裁判への司法参加である裁判員裁判の成果を踏まえた民事訴訟への市民参加の検討……牧野 茂
 行政訴訟・国賠訴訟への裁判員裁判の導入にむけて……水野泰孝
 民事裁判への市民参加を考える――アメリカ民事裁判制度の視点から……丸田 隆
 シンポジウムを終えて……小原 健

行 政

◎給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について、法定納期限の経過後に当該源泉所得税の納付義務を成立させる支払の原因となる行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことの可否

(最三判平30・9・25)

▽法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請であることを理由とした行政手続法七条に基づく申請に対する拒否処分が違法であるとして取り消された事例

(山形地判平30・8・21)

民 事

〇生産委託契約において、委託者には、受託者が工場の再稼働に伴う初期投資費用を回収し採算を維持することができるように配慮すべき契約上の付随義務があるとされた事例

(東京高判平29・11・30〈参考原審:東京地判平29・3・15掲載〉)

○一 民法九七六条所定のいわゆる危急時遺言につき、遺言者が意識障害により遺言時に遺言能力を欠くため無効であるとされた事例
二 民法九七六条所定のいわゆる危急時遺言につき、遺言者による口授があったとはいえないため無効であるとされた事例

(東京高判平30・7・18〈参考原審:東京地判平30・1・15掲載〉)

○一 東京電力福島第一原子力発電所の事故により田畑の土壌が放射性物質に汚染され、土地の所有権が侵害されたと主張して、東京電力に対し、土地の表面から三〇センチメートル以上の土壌を取り除いて客土することを求めた請求が、請求が特定された適法な訴えであるとされた事例(①事件)
二 東京電力福島第一原子力発電所の事故により福島県いわき市の山林の土地が放射性物質に汚染されたとして、所有権に基づく妨害排除請求として土地上の樹木の伐採・抜根と表土の撤去を求めた請求が、原発事故により放射性物質を飛散させても土地の使用収益を妨害している状態にないとして、棄却された事例(②事件)

(①仙台高判平30・3・22〈参考原審:福島地郡山支判平29・4・14掲載〉、
 ②仙台高判平30・9・20〈参考原審:福島地いわき支判平30・3・28掲載〉)

▽集団予防接種によってB型慢性肝炎を発症したことによる損害の除斥期間の起算点は、加害行為の時ではなく、損害発生の時であるとした事例──B型肝炎九州訴訟・第一審判決

(福岡地判平29・12・11)

▽腰痛等により整形外科等に通算五〇〇日以上入院した患者の入院保険金請求が、当該入院は保険金支払事由としての「入院」に当たらないとして棄却された事例

(鹿児島地判平29・9・19)

刑 事

○防犯カメラ映像にある放火犯人の着衣等と被告人の着衣等の特徴が一致すること、同映像において犯人が被告人の居住場所付近で停止したことを根拠に被告人を犯人と認めた原判決には事実誤認があるとして、被告人を無罪とした事例

(東京高判平30・2・9〈参考原審:東京地判平29・7・19掲載〉)

▽児童福祉法二七条一項三号に基づき児童自立支援施設に入所中である少年に対し、一年半の間に通算九〇日を限度として強制的措置をとることができる旨の決定を求めた強制的措置許可申請事件において、少年の行状や資質等を考慮し、これを許可した事例

(東京家決平30・4・24)

▽長期無断外泊による遵守事項違反を理由とする施設送致申請事件及びバイクの無免許運転の道路交通法違反保護事件につき、少年の遵守事項違反の程度は重く、保護観察によっては本人の改善及び更生を図ることができないとして、施設送致申請事件につき少年を第一種少年院送致とし、道路交通法違反保護事件については施設送致申請事件についての第一種少年院送致による別件保護を理由として不処分とした事例

(大阪家堺支決平30・5・10)

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