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判例時報 No.2365
             平成30年6月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 飯島淳子 佐藤英明 三井正信 渡邊一弘
 
NHK受信料制度について
 ──最大判平29・12・6を受けて……高池勝彦
 
最大判平29・12・6に至るまでの検討過程と経緯
 ──原告代理人の立場から……永野剛志・中村繁史・上村 剛・梅田康宏・秀 桜子
 
企業間ビジネス紛争及び会社組織等紛争に関する裁判の運営上の諸問題
 ──企業法務の訴訟弁護士及び裁判官のために(1)……鬼頭季郎
 
刑法判例と実務
 ──第三〇回 罪数──……小林憲太郎
 
■判例特報
 NHK受信料訴訟大法廷判決(最大判平29・12・6)
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 3件
<商事> 1件
<刑事> 3件


◆記 事◆

NHK受信料制度について
 ──最大判平29・12・6を受けて……高池勝彦
最大判平29・12・6に至るまでの検討過程と経緯
 ──原告代理人の立場から……永野剛志・中村繁史・上村 剛・梅田康宏・秀 桜子
企業間ビジネス紛争及び会社組織等紛争に関する裁判の運営上の諸問題
 ──企業法務の訴訟弁護士及び裁判官のために(1)……鬼頭季郎
刑法判例と実務
 ──第三〇回 罪数──……小林憲太郎

◆判例特報◆

 一 放送法六四条一項の意義
二 放送法六四条一項の合憲性
三 日本放送協会の放送の受信についての契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合に発生する受信料債権の範囲
四 日本放送協会の放送の受信についての契約に基づき発生する、受信設備の設置の月以降の分の受信料債権の消滅時効の起算点

――NHK受信料訴訟大法廷判決(最大判平29・12・6)

行 政

○重婚的内縁配偶者が厚生年金保険法五九条一項所定の「配偶者」に当たると認められた事例

(名古屋高判平29・11・2〈参考原審:岐阜地判平29・4・28掲載〉)

○大学院生に対する退学処分が適法と判断された事例

(名古屋高判平29・9・29〈参考原審:名古屋地判平28・8・25掲載〉)

民 事

◎離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利の濫用に当たるとされた事例

(最三決平29・12・5)

◎一 仲裁人が当事者に対して仲裁法一八条四項にいう「自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある」事実が生ずる可能性があることを抽象的に述べたことは、同項にいう「既に開示した」ことに当たるか
二 仲裁人が、当事者に対して仲裁法一八条四項にいう「自己の公正性又は独立性に疑いを生じさせるおそれのある」事実を開示しなかったことについて、同項所定の開示義務に違反したというための要件

(最三決平29・12・12)

〇別居前と同様に親子の交流を継続することは子の健全な成長に資するものとして意義がある反面、別居に至った経緯等から子の福祉に反する場合があることからすると、その実施がかえって子の福祉を害することがないよう、事案における諸般の事情に応じて面会交流を否定したり実施要領の策定に必要な配慮をしたりするのが相当であり、いわゆる原則実施論を論難する抗告人の主張は前記考え方と矛盾するものではないとして、面会時間、第三者立会い等につき、原審判の内容を一部変更した事例

(東京高決平29・11・24〈参考原審:前橋家審平29・8・4掲載〉)

商 事

▽一 損害保険の被保険者の要件を「保険の対象の所有者」に加え「保険証券に記載されたもの」とする普通保険約款の定めが保険法二条四号イ、八条に違反するか(消極)
二 火災による損害保険金の請求につき、保険契約者の同居親族の「重大な過失」によって生じたという普通保険約款所定の免責事由があるとされた事例

(神戸地判平29・9・8)

刑 事

○「人又は車の通行を妨害する目的」(平成二五年法律第八六号による改正前の刑法二〇八条の二第二項前段)があるとされた事例

(大阪高判平28・12・13〈参考原審:神戸地姫路支判平28・2・2掲載〉)

○自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律三条二項の罪(危険運転致死傷罪)の故意

(大阪高判平29・3・16〈参考原審:大阪地判平28・8・24掲載〉)

▽商標権者によって登録商標が付された真正商品であるスマートフォンのOSに改変を加えて販売した行為について、商標権者が禁じているOSの改変によって真正商品とは品質面で相当な差異が生じており、商標の品質保証機能及び出所表示機能が害されているとして、商標権侵害罪の成立が認められた事例

(千葉地判平29・5・18)

判例評論

一一 語学学校の外国人講師について、その労働時間、労働日数、就労形態、職務内容等を総合的に勘案すれば、短時間の労働者ではなく厚生年金保険の被保険者の資格を有していたとみるべきであるとして、同人による被保険者の資格の取得の確認請求を却下する旨の処分を取り消した事例──日本年金機構(ベルリッツ)事件

(東京地判平28・6・17)……飯島淳子

一二 不動産取得税の減額対象となる「独立的に区画された部分が一〇〇以上ある共同住宅等」の意義

(最一判平28・12・19)……佐藤英明

一三 高年齢者雇用安定法に基づく継続雇用における労働条件の適法性──トヨタ自動車ほか事件・名古屋高裁判決

(名古屋高判平28・9・28)……三井正信

一四 千葉県青少年健全育成条例二〇条一項における青少年に対するみだらな性行為等を禁止する規定違反を非行事実として少年を第一種少年院送致処分に付した原決定に対する抗告を棄却した事例

(東京高決平28・6・22)……渡邊一弘

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