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判例時報 No.2345
             平成29年11月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

岐路に立つ裁判官(8)
  独立した司法が原発訴訟と向き合う①
  ──原発訴訟の基礎知識──……河合弘之
 
和歌山カレー毒物混入再審請求事件について……山口健一
 
民事控訴審の審理の充実
  ──実態調査を踏まえた提言(中)
  ……大阪弁護士会高裁民事問題プロジェクトチーム
 
憲法訴訟の実践と理論(8)
  ──給費制廃止の憲法問題──……棟居快行
 
■判例特報
  和歌山カレー事件再審請求棄却決定(和歌山地決平29・3・29)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 3件
<知的財産権> 1件
<刑事> 2件


◆記 事◆

岐路に立つ裁判官(8)
 独立した司法が原発訴訟と向き合う①──原発訴訟の基礎知識──……河合弘之
和歌山カレー毒物混入再審請求事件について……山口健一
民事控訴審の審理の充実
 ──実態調査を踏まえた提言(中)……大阪弁護士会高裁民事問題プロジェクトチーム
憲法訴訟の実践と理論(8)
 ──給費制廃止の憲法問題──……棟居快行

◆判例特報◆

 再審請求段階で新たに提出された証拠により確定判決における有罪認定の根拠となった証拠の一部について証明力が減退したこと自体は否定しがたいとしても当該新証拠が刑訴法四三五条六号にいう明白性を欠くとされて再審請求が棄却された事例

 ──和歌山カレー事件再審請求棄却決定(和歌山地決平29・3・29)

行 政

◎戸籍法一〇四条一項所定の日本国籍を留保する旨の届出について同条三項にいう「責めに帰することができない事由」があるとした原審の判断に違法があるとされた事例

(最二決平29・5・17)

民 事

○積雪している冬山への登山を開始したが帰宅せず、捜索しても見つからなかった者(不在者)につき、民法三〇条二項が規定する危難に遭遇し、危難が去った後一年以上行方不明であって、生死が明らかでないとして失踪の宣告を求めた事案について、気象状況等を詳細に検討した上、右不在者は人が死亡する蓋然性が高い事象に遭遇したと認めるのが相当であるとして、右不在者が遭遇した危難を具体的に認定することができないとして申立てを却下した原審判を取り消し、差し戻した事例

(東京高決平28・10・12〈原審:千葉家松戸支審平28・4・28〉)

○死刑確定者の「懸賞応募券」の郵送願いに対する不許可及び差し入れされた写真ネガフィルムの送付者への返送、領置願いの不許可がいずれも違法であるとして、国家賠償請求が認められた事例

(名古屋高判平29・4・13〈原審:名古屋地判平28・10・6〉)

▽一 都税事務所の職員による固定資産税等の賦課徴収行為が、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく、漫然と固定資産の価格等を評価・認定したものであるとして、国家賠償法一条一項の適用上違法と判断された事例
二 都税事務所からの課税通知書等の説明のみをもって、被害者が損害及び加害者を知ったものということはできず、右通知時を起算点とする消滅時効の完成を認めなかった事例
三 納税者の申告書の不提出が、損害の発生及びその増大に寄与したとして、過失相殺を認めた事例

(東京地判平28・10・26)

知的財産権

○インターネットショッピングモール事業者が検索連動型広告にハイパーリンクを施して広告を掲載する行為が、商標法二条三項八号にあたらず、また不正競争防止法二条一項一号にいう不正競争にもあたらないとして損害賠償請求を棄却した原判決を維持し、控訴を棄却した事例

(大阪高判平29・4・20〈原審:大阪地判平28・5・9〉)

刑 事

○路上で連続して行われた強盗致傷等被告事件の被告人両名を執行猶予とした原判決について、犯情に関する総合評価を誤り、行為責任の原則に基づく量刑判断の在り方に反して、量刑傾向の大枠から外れた量刑を行ったものであるなどとしてこれを破棄し、被告人両名を実刑とした事例

(東京高判平28・6・30〈原審:さいたま地判平27・12・16〉)

▽犯人性が争われた事案において、間接事実の一部を排斥したが、他の状況証拠を総合して被告人を犯人と認定し、死刑を言い渡した事例

(静岡地沼津支判平28・11・24)

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