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判例時報 No.2336*
             平成29年9月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 近藤 敦 松井和彦 鶴田 滋 安藤和宏
 
個人情報の流出と損害賠償責任
 ――欧米の事例を参考に――……佐藤智晶
 
自招侵害論の行方
 ――平成二九年決定は何がしたかったのか……小林憲太郎
 
■第一回判例時報賞 奨励賞受賞論文
遺産分割審判に関する「平成二八年一二月一九日付け
最高裁大法廷決定」についての一考察
 ――払戻に応じた金融機関の保護について――……山内久光
 
医師民事責任の構造と立証責任
 ――医療過誤の契約法理による解決――……平野哲郎
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 6件
<知的財産権> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

個人情報の流出と損害賠償責任
 ――欧米の事例を参考に――……佐藤智晶
自招侵害論の行方
 ――平成二九年決定は何がしたかったのか……小林憲太郎

◆第一回判例時報賞 奨励賞受賞論文◆

遺産分割審判に関する「平成二八年一二月一九日 付け最高裁大法廷決定」についての一考察
 ――払戻に応じた金融機関の保護について――……山内久光
医師民事責任の構造と立証責任
 ――医療過誤の契約法理による解決――……平野哲郎

◆判決録細目◆

行 政

◎私道の用に供されている宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度は、私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず、当該宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか否か、また、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要がある

(最三判平29・2・28)

民 事

○一 権利能力なき社団たるマンション管理組合とその構成員たる各区分所有者との間のマンション管理に関する法律関係につき、委任契約に関する民法六四五条(受任者の報告義務に関する規定)の類推適用が相当とされた事例
二 右の場合において、各区分所有者は、マンション管理規約に明文の定めがない場合であっても、民法六四五条に基づき、管理組合に対し、管理組合がマンション管理業務について保管している文書(会計帳簿やその裏付けとなる原資料を含む)の閲覧及び閲覧の際の当該文書の写真撮影を請求する権利を有するとされた事例

(大阪高判平28・12・9)

○破産管財人には、破産債権者に対し破産債権届出期間及び破産債権調査期日の通知が適切にされているかを確認し、破産債権の届出を催促する義務はないとされた事例

(大阪高判平28・11・17)

○市庁舎前広場の使用許可申請に対する不許可処分が適法とされた事例

(名古屋高金沢支判平29・1・25)

〇一 市の、地縁による団体に対する、役員を交代するまで当該地域における投資的事業を休止する旨の通知が、役員交代を求める行政指導(行政手続条例で定義されたもの)にあたると認められた事例
二 地縁による団体の役員の行為により市の投資的事業が不当に妨げられる状況を考慮すれば、当該役員の交代を求める行政指導に従わなかったことを理由として当該地域の投資的事業を休止することが違法とは認められないとされた事例

(広島高岡山支判平29・2・2)

〇訴状副本及び第一回口頭弁論期日の呼出状等を書留郵便に付する送達が、受送達者の住所に宛ててされたものでなく無効とされた事例

(仙台高秋田支判平29・2・1)

▽県立高校の硬式野球部の部活動において打撃投手を務めていた部員の頭部に打者の打ち返した硬式球が直撃した事故について、顧問兼監督教諭の職務上の注意義務違反を認めて県に損害賠償を命じた事例

(静岡地判平28・5・13)

知的財産権

▽発明の名称を「遮断弁」等とする特許権の侵害を理由とする本訴請求及び発明の名称を「モータ駆動双方向弁とそのシール構造」とする特許権の侵害を理由とする反訴請求につき、両特許権の侵害を認めた上で、本訴の差止等請求を認容すると共に、特許法一〇二条二項における推定覆滅率を本訴・反訴とも二割と判断した上で、相殺合意に基づき、本訴と反訴の各損害額の差額の限度で本訴の損害賠償請求を一部認容した事例

(東京地判平28・12・6)

刑 事

◎土地につき所有権移転登記等の申請をして当該登記等をさせた行為が電磁的公正証書原本不実記録罪に該当しないとされた事例

(最一判平28・12・5)

※訂正箇所

●本誌69頁・3段・7行目
 誤 …本号後掲七四
 正 …本号後掲七五

判例評論

二八 日本人の配偶者の活動要件と在留特別許可のガイドラインにみる比例原則

(京都地判平27・11・6)……近藤 敦

二九 別荘地管理契約において土地所有者からの任意解除を否定した事例

(東京高判平28・1・19)……松井和彦

三〇 外国国家が発行した円建て債券に係る償還等請求訴訟につき、当該債券の管理会社が任意的訴訟担当の要件を満たすものとして原告適格を有するとされた事例

(最一判平28・6・2)……鶴田 滋

三一 ゲーム会社と雇用契約を締結せずに開発に関与したソーシャルアプリケーションゲームについて、職務著作が成立するとされた事例

(東京地判平28・2・25)……安藤和宏

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