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判例時報 No.2329
             平成29年6月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

刑事判決書における証拠の標目の記載
 ──現状、工夫、注意点──……安西二郎
 
法曹実務のための行政法入門(3)
 ──行政組織法①──概説・中央省庁等改革……高橋 滋
 
現代型取引をめぐる裁判例(419)……升田 純
 
対話小説★戦後裁判官物語(19)……乗本太市
 
■判決録
<行政> 3件
<民事> 6件
<商事> 1件
<刑事> 2件


◆記 事◆

刑事判決書における証拠の標目の記載
 ──現状、工夫、注意点──……安西二郎
法曹実務のための行政法入門(3)
 ―─行政組織法①─―概説・中央省庁等改革……高橋 滋
現代型取引をめぐる裁判例(419)……升田 純

対話小説★戦後裁判官物語(19)……乗本太市

◆判決録細目◆

行 政

○通勤途上の交通事故によって高次脳機能障害を負ったことを認め、右障害の発症を否定した労働基準監督署長の不支給決定を取り消した事例

(大阪高判平28・11・30)

▽一 死刑確定者の面会に際し、刑事施設の長が執った、職員を面会に立ち会わせる措置又は面会の時間を制限する措置は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとした事例
二 死刑確定者の再審請求の弁護人による刑事施設職員の立会いのない面会の申出に対する、これを許さない刑事施設長の措置を仮に差し止めた事例
三 死刑確定者の再審請求の弁護人による時間制限のない面会の申出に対する、刑事施設長による面会時間を三〇分に制限する措置の仮の差止めの申立てを却下した事例

(東京地決平28・12・14)

▽国税通則法七一条一項二号の更正の理由として国税通則法施行令六条一項五号の理由を除外する旨の同令三〇条及び二四条四項の規定の法適合性

(大阪地判平28・8・26)

 民 事

◎地上建物に対する仮差押えが本執行に移行して強制競売手続がされた場合において、土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたが、その後に土地が第三者に譲渡された結果、当該強制競売手続における差押えの時点では同一の所有者に属していなかったときの法定地上権の成否

(最一判平28・12・1)

◎強制執行認諾文言のある公正証書で養育料の支払が定められたが、その支払期限が到来しているものについて未履行分がある場合において、その支払期限が到来していない養育料債権を被保全債権として債務者所有の不動産に対してされた仮差押命令の申立てについて、民事保全制度を利用する必要性(権利保護の利益)を欠くとの理由でこれを却下すべきものとした原審の判断が是認された事例

(最三決平29・1・31)

○在日韓国人間の婚姻無効確認請求において、婚姻届出における届出意思は、通則法二四条二項にいう「婚姻の方式」に当たり、準拠法は婚姻挙行地の日本民法によるべきとされた事例

(大阪高判平28・11・18)

○遺産分割調停事件の相手方が税務署長に対して提出した相続税申告書及び添付資料を対象とする文書提出命令の申立てについて、当該文書は、その記載内容からみて、その提出により公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの(民訴法二二〇条四号ロ)に該当するとして原決定を取り消し、文書提出命令の申立てを却下した事例

(福岡高宮崎支決平28・5・26)

▽婚姻前の氏である旧姓を通称として使用することを拒否された教員がその勤務する学校法人に対して旧姓の使用及び損害賠償を求める請求につき、職場において戸籍上の氏である現姓の使用を求める結果として旧姓を使用できなくなるとしても、現時点でそれを違法な侵害であると評価することはできない以上、同請求にいずれも理由はないとして、これを棄却した事例

(東京地判平28・10・11)

▽禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者の選挙権を認めない公職選挙法一一条一項二号の規定が憲法に違反しないとして、原告の次回の衆議院議員及び参議院議員の選挙において投票することができる地位の確認並びに受刑中に投票できなかったことを理由とする原告の国家賠償請求が棄却された事例

(広島地判平28・7・20)

商 事

▽非公開会社における新株発行の効力発生日から一年を経過した後に提起された新株発行無効の訴えが、信義則上、所定の提訴期間を徒過して提起したとすることはできず適法であるとされた事例

(名古屋地判平28・9・30)

刑 事

◎一 刑の執行猶予の言渡し取消し請求において刑訴規則三四条により刑の執行猶予の言渡し取消し決定の謄本の送達を受けるべき者
二 刑の執行猶予の言渡し取消し請求における被請求人が選任した弁護人に対する刑の執行猶予の言渡し取消し決定の謄本の送達の効果

(最二決平29・1・16)

○一 検察官から実質証拠として取調べ請求がされた被告人の自白を内容とする取調べ状況の録音録画記録媒体について、取調べの必要性を否定して請求を却下した原審の証拠決定が、裁判所の合理的な裁量を逸脱したものとは認められないとされた事例
二 被告人から弁護人を介し共犯者に授受された手紙を、控訴審において検察官が取調べ請求した場合について、刑訴法三八二条の二第一項の「やむを得ない事由」があるとされた事例

(東京高判平28・8・10)

◆最高裁判例要旨(平成二九年三月分)

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