判例時報 No.2325*
平成29年5月21日 号 定価:845円
(本体価格:768円+10%税)
法曹実務のための行政法入門(2)
―─行政法通則②─―法の一般原理・行政法上の諸原則……高橋 滋
現代型取引をめぐる裁判例(418)……升田 純
対話小説★戦後裁判官物語(16)……乗本太市
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件
◆記 事◆
法曹実務のための行政法入門(2)
―─行政法通則②─―法の一般原理・行政法上の諸原則……高橋 滋
現代型取引をめぐる裁判例(418)……升田 純
◆判決録細目◆
行 政
○建築基準法四二条一項五号による道路位置指定の取消処分申請を却下した処分が取り消され、かつ、道路位置指定の取消処分の義務付けの訴えが認容された事例
(東京高判平28・11・30)
民 事
◎将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しないものとされた事例
(最一判平28・12・8)
○一 自筆証書遺言の内容が、信託財産を遺産である譲渡制限株式とし、受託者を弁護士とし、受益者兼残余財産帰属権利者を未成年者である孫とし、信託終了事由を当該孫の成人とする遺言信託であると判断された事例
二 信託財産を譲渡制限株式とする遺言信託が、相続開始後、被相続人から受託者への株式譲渡についての会社の不承認及び受益者全員の受益権放棄を原因として目的達成不能により終了し、信託財産は残余財産帰属権利者が取得すべきものと判断された事例
(東京高判平28・10・19)
○警察機関による記者発表につき、名誉を毀損されたとして国家賠償を求めた事案において、真実性の抗弁が成立しないとされた事例
(東京高判平27・11・18)
○一 母と年間一〇〇日面会させるとした父を長女の親権者とした一審判決を変更して、主たる監護者である母をその親権者に指定した事例
二 父(同居親)の意に反して母が長女を連れて別居した行為は、当時すでに婚姻は破綻し協議困難だった等の事情から、親権者指定の障害とはならないとした事例
(東京高判平29・1・26)
▽胃がん患者が受けた先進治療の費用は医師の説明ミスとの間に相当因果関係のある損害ではないとされた事例
(奈良地判平28・2・25)
知的財産権
○意匠の類否について判断した事例
(知財高判平28・7・13)
商 事
▽特例有限会社における任期の定めのない取締役が解任された場合について、当該取締役は、解任の正当な理由の有無にかかわらず、会社法三三九条二項に基づく損害賠償請求をすることができないとした事例
(東京地判平28・6・29)
労 働
▽六五歳定年制の私立大学において、専任教員に七〇歳まで雇用延長を保証する合意や労使慣行が成立したとは認められないが、再雇用による雇用継続を期待することに合理性が認められ、大学が再雇用契約を締結しないことが権限濫用に当たるとした事例
(東京地判平28・5・10)
◆最高裁判例要旨(平成二九年二月分)
※訂正箇所
●本誌21頁・2段・30行目
誤 …★★
正 …三〇