判例時報 No.2324
平成29年5月11日 号 定価:845円
(本体価格:768円+10%税)
憲法訴訟の実践と理論(2)
──集会の場所の保障をめぐる事例──……木下智史
海外判例研究─特報……大林啓吾
対話小説★戦後裁判官物語(15)……乗本太市
■判例特報
東住吉事件再審無罪判決
(大阪地判平28・8・10)
■判決録
<民事> 2件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件
◆記 事◆
憲法訴訟の実践と理論(2)──集会の場所の保障をめぐる事例──……木下智史
海外判例研究─特報
トランプ大統領の第一次入国禁止令に対する一方的緊急差止命令が維持された事例……大林啓吾
◆判例特報◆
共謀による保険金目的の現住建造物等放火、殺人、詐欺未遂により有罪の確定判決(いずれも無期懲役刑)を受けた二名につき、新規性の認められる燃焼実験の結果、実際に放火行為を行ったとされる被告人の自白した方法では、放火することは困難であり、自然発火の可能性も認められるとして再審が開始された事件において、被告人両名の自白の任意性を認めず、被告人両名の自白を除けば、本件火災が自然発火によるとの合理的な疑いがあり、放火行為を認めることができないとして、被告人両名にそれぞれ無罪を言い渡した事例――東住吉事件再審無罪判決
(大阪地判平28・8・10)
◆判決録細目◆
民 事
○面会交流の方法について、非監護親と未成年者らとの交流が長らく途絶えていたことなどを考慮し、面会交流時間を最初は比較的短時間に設定して、回数を重ねながら、段階的に伸ばしていく方法をとるのが相当であるとして、原審判を変更した事例
(東京高決平28・4・26)
▽市に対する多数回にわたる濫用的な情報公開請求を含む面談強要行為等の差止請求が認容されるとともに、これらを理由とする損害賠償請求が一部認容された事例
(大阪地判平28・6・15)
商 事
▽有価証券報告書に売上計上された風力発電機の販売斡旋手数料合計二二億六六〇〇万円が実体のない風力発電機販売斡旋取引に係る売上げの計上であるとしてされた関東財務局長による有価証券報告書の虚偽記載に係る訂正報告書の提出命令及び金融庁長官による課徴金納付命令がいずれも適法であるとされた事例
(東京地判平28・2・26)
労 働
○ヘアカット専門店の経営事業を営む会社から店舗運営を委託された会社が従業員に対する賃金の支給に際し労働基準法違反をしたとして、業務委託契約を解除された事例
(大阪高判平28・9・2)
刑 事
◎刑法等の一部を改正する法律(平成二五年法律第四九号)による刑の一部の執行猶予に関する各規定の新設と刑訴法四一一条五号にいう「刑の変更」
(最一決平28・7・27)