バックナンバー

判例時報 No.2316
             平成29年2月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

最高裁刑事破棄判決等の実情(上)
 ──平成二七年度──……石田寿一
 
現代型取引をめぐる裁判例(414)……升田 純
 
国際刑法の窓(4)
 ──フランスの非常事態法──……森下 忠
 
対話小説★戦後裁判官物語(10)……乗本太市
 
■判例特報
公職選挙法一四条、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
 (東京高判平28・10・18、同平28・11・2)
 
■判決録
<行政> 3件
<民事> 3件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<刑事> 2件


◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情(上)──平成二七年度──……石田寿一
現代型取引をめぐる裁判例(414)……升田 純
国際刑法の窓(4)──フランスの非常事態法──……森下 忠
対話小説★戦後裁判官物語(10)……乗本太市

◆判例特報◆

公職選挙法一四条、別表第三の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
 (東京高判平28・10・18、同平28・11・2)

◆判決録細目◆

行 政

◎一 市の経営する競艇事業の臨時従事員等により組織される共済会から臨時従事員に対して支給される離職せん別金に充てるための、市の共済会に対する補助金交付が、地方自治法二三二条の二所定の公益上の必要性の判断に関する裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものとして違法であるとされた事例(①事件)
二 市の経営する競艇事業の臨時従事員等により組織される共済会から臨時従事員に対して支給される離職せん別金に充てるための、市の共済会に対する補助金交付が、その後の条例の制定により遡って適法なものとなるとした原審の判断に違法があるとされた事例(②事件)

(①②最二判平28・7・15)

▽家屋の課税台帳登録価格の適法性が問題となる抗告訴訟において、評価基準を定めた行政庁である総務大臣を被告(当該評価基準に基づき当該家屋の価格を決定した市長が帰属する地方公共団体)のために参加させる旨の原告の申立てが認容された事例

(大阪地決平26・1・27)

民 事

▽芸能プロダクションと女性アイドルとの間のマネージメント契約が雇用類似の契約であるとされ、アイドルからの解除の効力が認められ、男性ファンとの性的な関係等を理由とするアイドル、男性等の損害賠償責任が否定された事例

(東京地判平28・1・18)

▽一 死刑確定者又はその弁護人が刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合に、これを許さない刑事施設の長の措置が「死刑確定者の心情の安定を把握する必要性が高いと認められる」として国家賠償法一条一項の適用上違法とならない場合
二 死刑確定者が代理人弁護士と打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合に、これを許さない刑事施設の長の措置が国家賠償法一条一項の適用上違法となる場合
三 死刑確定者の代理人弁護士が死刑確定者との間で刑事施設の職員の立会いのない面会をする固有の利益の存否

(東京地判平28・2・23)

▽既に所有権を喪失した債権者による、債務者に対する物権変動的登記手続請求権に基づく所有権移転登記手続請求権を保全するための処分禁止の仮処分について、債務者による保全異議の申立てを認めた事例

(前橋地決平28・4・25)

知的財産権

▽映像作品のデータを動画共有サイトのサーバーにアップロードした行為が公衆送信権の侵害に当たるとし、著作権法一一四条一項の損害額を否定して、同条三項の損害を認めた事例

(東京地判平28・4・21)

商 事

▽一 株式交換の効力発生日後に株式買取請求が撤回された場合には、会社は株式買取請求に係る株式の代金相当額を返還する義務を負うとされた事例
二 交換比率に特に不当と認めるべき事情その他特段の事情も認められない場合には、株式買取請求を撤回した時点における完全親会社の市場株価を交換比率で換算して算出した金額をもって、返還すべき株式の代金相当額と定めるのが合理的であるとされた事例

(東京地判平28・1・28)

刑 事

○DNAが微量で型判定まではできなかったものの被害者の膣内に精液が確認できたとの捜査機関の鑑定結果等に基づき、被告人に強姦されたとの被害者証言は信用できるとし、同証言によって強姦の事実を認定した原判決について、控訴審における再鑑定の結果、右精液から被告人とは異なる第三者のDNA型が検出されたことから、事実誤認を理由に破棄した事例

(福岡高宮崎支判平28・1・12)

▽強制わいせつ、強姦の有罪の確定判決について、有罪の基礎となった被害者とされる少女及び目撃者とされる少女の兄の供述が、いずれも新供述によって虚偽であることが判明し、再審が開始された上、無罪が言い渡された事例

(大阪地判平27・10・16)

◆最高裁判例要旨(平成二八年一一月分)

※本誌2176号(平成25年4月11日号)34頁以下掲載判決(大阪高裁平24(ネ)1476、平24・12・7判決)の差し替え

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP