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判例時報 No.2308
             平成28年12月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 武田万里子 寺 洋平 安藤清美
 松久三四彦 床谷文雄
 
刑法判例と実務
 ──第一二回 故意(上)──……小林憲太郎
 
第一六回行政法研究フォーラム報告
 ……原田大樹・人見 剛・下井康史・水野泰孝・佐伯祐二・大貫裕之
 
国際刑法の窓(2)
 ──原爆投下は人道に対する罪──……森下 忠
 
■判決録
<行政> 2件
<民事> 6件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

刑法判例と実務──第一二回 故意(上)──……小林憲太郎
第一六回行政法研究フォーラム報告

 本案審理の充実に向けて……原田大樹

  原告適格に関する判例動向と学説の課題……人見 剛
  抗告訴訟と当事者訴訟の関係について――判例の検討と法改正論……下井康史
  行政訴訟の活性化のために
   ――原告側弁護士と裁判所間のギャップの内実の解明と、その解消のための課題……水野泰孝
  質疑応答――判例の検討と法改正論……佐伯祐二・大貫裕之
国際刑法の窓(2)──原爆投下は人道に対する罪──……森下 忠

◆判決録細目◆

行 政

▽国内の旅行会社が、訪日旅行ツアーを主催する海外旅行会社との間で、当該ツアーのうち国内の旅行に係る部分についてした取引について、消費税法七条一項の規定により消費税が免除される取引(輸出免税取引)に当たらないとされた事例

(東京地判平28・2・24)

▽一 特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法に基づいて指定された運賃(公定幅運賃)の範囲を下回る運賃の届出をした一般乗用旅客自動車運送事業者が右届出をしたことを理由とする運賃変更命令並びに同命令に違反したことを理由とする輸送施設の使用停止処分及び事業許可取消処分について提起した差止めの訴えが適法であるとされた事例
二 近畿運輸局長による公定幅運賃の範囲の指定が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法であるとされた事例

(大阪地判平27・11・20)

民 事

○別荘地の管理契約が、別荘地所有者全員に管理費の支払義務を課し、それを原資にして全別荘地所有者に共通の不可分的な内容の全体管理を行う仕組みを採用した契約であるとして、個別の別荘地所有者による管理契約解除の効力を否定し、個別の別荘地所有者の死亡によって契約が当然終了するものではないとした事例──南箱根ダイヤランド事件平成二八年東京高裁判決

(東京高判平28・1・19)

▽土地の買主から所有権移転登記手続等を受任した司法書士の書類の調査確認義務、売主の本人確認義務に係る委任契約上の債務不履行を否定した事例

(東京地判平27・11・10)

▽一 住民票の不正な交付申出をし、交付を受けた者の不法行為責任が肯定された事例
二 右交付をした特別区の国家賠償責任が一部肯定された事例

(東京地判平27・12・21)

▽認知の届出又は申請を受理した市区町村長が当該届書の謄本を他の市区町村へ送付する義務は、認知子に対する義務と解することはできない

(東京地判平27・12・4)

▽同族企業の代表取締役の死亡逸失利益、休業損害について、当事者間に争いがない年収額の限度で基礎収入を認めた事例

(東京地判平27・12・10)

▽一 詐欺的要素の強い社債販売を行っていた会社とその従業員との間の営業についての加給金支払合意が民法九〇条に違反し無効であるとされた事例
二 右会社が破産した場合、破産管財人が不法原因給付たる支給済みの加給金の返還を求めることができるとした事例

(名古屋地判平28・1・21)

労 働

〇市営バスの運転手の自殺について、業務起因性があるとされた事例

(名古屋高判平28・4・21)

刑 事

○暴行保護事件により、少年を医療少年院に送致した決定に対する処分不当を理由とする抗告について、原決定の処分を相当とする事情を簡潔に示した上で棄却した事例

(東京高決平27・1・30)

判例評論

五八 民法七三三条一項の規定のうち一○○日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は憲法一四条一項、二四条二項に違反するとしたうえで、本規定を改廃する立法措置をとらなかったことが国家賠償法一条一項の適用上違法の評価を受けるものではないとされた事例

(最大判平27・12・16)……武田万里子

五九 市街化調整区域内にある土地を開発区域とする開発許可の取消しを求める訴えの利益は、当該開発許可に係る開発行為に関する工事が完了し、検査済証が交付された後においても失われないとされた事例

(最一判平27・12・14)……寺 洋平

六〇 遺言者が自筆証書である遺言書の文面全体に故意に斜線を引く行為が民法一〇二四条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当し遺言を撤回したものとみなされた事例

(最二判平27・11・20)……安藤清美

六一 保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合における共同保証人間の求償権の消滅時効中断の有無

(最一判平27・11・19)……松久三四彦

六二  夫婦同氏の原則を定める民法七五〇条の規定は憲法一三条、一四条一項、二四条に違反しないとされた事例

(最大判平27・12・16)……床谷文雄

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