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判例時報 No.2251
             平成27年5月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 9件
<労働> 2件
<刑事> 1件


◆記 事◆

労働審判制度がもたらす民事司法イノベーション
 ――口頭主義・一括提出主義・審尋主義・PPPな実務家養成・IT審判制度等……定塚 誠
現代型取引をめぐる裁判例 (371)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

◎一 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和四四年東京都条例第五五号)の議員定数配分規定の適法性
二 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和四四年東京都条例第五五号)の議員定数配分規定の合憲性

(最一判平27・1・15)

民 事

◎共同相続された委託者指図型投資信託の受益権につき、相続開始後に元本償還金又は収益分配金が発生し預り金として上記受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金された場合に、共同相続人の一人が自己の相続分に相当する金員の支払を請求することの可否

(最二判平26・12・12)

○一 戦闘用ヘリコプターの製造に当たって発生した初度費等(製造に先立って必要な初期費用等)を遅くとも同機種調達終了までに被控訴人が支払う内容の合意の成立が否定された事例
二 未払初度費等の全額の支払を受けることができるとの期待が法的保護に値し、その信頼を侵害した場合に不法行為が成立するとされた事例

(東京高判平27・1・29)

○一 金融機関及び投資信託発行者の毎月分配型投資信託の受益証券を購入した顧客に対する説明義務違反はないとされた事例
二 投資信託発行者及び販売委託された金融機関の投資信託の受益証券を購入した顧客に対する金融商品取引法上の責任はないとされた事例

(東京高判平27・1・26)

○暴力団の下部組織の組合員の恐喝行為等について、上位組織の暴力団の長の使用者責任が認められた事例

(大阪高判平27・1・29)

○HIVに感染した看護師に対し、入手した患者情報に基づき勤務を休むよう指示したことは違法であるとして、勤務先の病院の損害賠償責任が認められた事例

(福岡高判平27・1・29)

○土地の所有者の土地の譲渡によって生じた準袋地について、自動車の通行を前提とする囲繞地通行権が認められた事例

(高松高判平26・4・23)

▽民法二五五条により土地共有持分を取得した者に対する、現在の権利関係と登記簿上の権利関係を符合させるために法律上当然に生ずる登記請求権に基づく登記引取請求が認容された事例

(東京地判平26・11・11)

▽一 東金市の小規模埋立て等による土壌の汚染および災害の発生の防止に関する条例に基づき、同市から小規模埋立て等の許可を受けた会社がした埋立て、盛土等の工事場所から埋め立てた土砂が崩落して隣地に流入し、その撤去費用等の損害を与えたことについて、同会社が許可処分の内容等に違反し、災害防止上必要な措置を怠ったことについて不法行為が成立し、同会社の代表取締役は埋立工事を行うについて従業員を指導監督する職務の違反につき重大な過失があるとされた事例
二 東金市の市長が埋立等工事の許可処分を与えた会社に対して条例に基づく規制権限を適切に行使して埋立てを条例施行規則に定める構造上の基準に適合させるようにする是正命令を怠ったことについて、国家賠償法上違法とされた事例

(千葉地判平26・11・27)

▽リンパ節の摘出手術を担当する医師は、副神経損傷の危険性を十分に念頭に置き、術中に副神経を損傷しないよう慎重に操作を行う注意義務があるところ、手術により副神経損傷の結果を招いたことは、手術手技上、同注意義務に違背した過失があったとされた事例

(前橋地判平26・12・26)

労 働

▽一 業務委託契約の委託者からの更新拒絶に対し、民法六五一条二項の類推適用により損害賠償が認容された事例
二 損害額について労働基準法二六条の趣旨が考慮された事例

(東京地判平26・9・19)

▽トラック運転手が内因性疾患により死亡した事案において、業務起因性が肯定された事例

(福岡地判平26・10・1)

刑 事

◎一 刑法一七五条一項後段にいう「頒布」の意義
二 顧客のダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能を備えた配信サイトを利用してわいせつな動画等のデータファイルを同人の記録媒体上に記録、保存させる行為と刑法一七五条一項後段にいうわいせつな電磁的記録の頒布

(最三決平26・11・25)

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