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判例時報 No.2250
             平成27年5月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 原田大樹 草野元己 土居正典 河崎祐子 岡田直己
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 9件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆判決録細目◆

行 政

▽高血圧症の初診日において厚生年金保険の被保険者資格を有していた者が同資格を喪失した後に発症した脳出血により障害の状態にあるとして行った事後重症による障害厚生年金の裁定の請求に対する不支給処分が違法とされた事例

(東京地判平26・10・30)

民 事

◎公序良俗に反する無効な出資と配当に関する契約により給付を受けた金銭の返還につき,当該給付が不法原因給付に当たることを理由として拒むことは信義則上許されないとされた事例

(最三判平26・10・28)

○デリバティブ取引に関する一九九二年版ISDAマスター契約に基づく基本契約における損害の算定基準日及び損害の範囲(再構築コストが含まれるか)について、原判決が取り消された事例

(東京高判平25・4・17)

○認知症の高齢者を養親とする養子縁組について、縁組当時、同人の意思能力又は縁組意思がなかったと認めることは困難であるなどとして、養子縁組無効確認請求を認容した原判決が取り消され、請求が棄却された事例

(広島高判平25・5・9)

○抗告人(原審申立人)が高額所得者であり、同人や相手方(原審相手方、抗告人の元妻)の再婚、養子縁組や新たな子の出生等の事情がある場合において、いわゆる標準算定方式による算定を行った上で、諸般の事情を総合考慮し、民法八八〇条にいう「事情に変更を生じたとき」に該当するとして、未成年者一人当たりの養育費が減額された事例

(福岡高決平26・6・30)

▽買主が売買代金を長期にわたって分割支払いし、売主が死亡するまでの間居住すること等を内容とする高齢者が売主である土地・建物の売買契約が公序良俗に反して無効であるとされた事例

(東京地判平27・1・14)

▽一 マンションの七階に居住するロックミュージシャンの歌声は受忍限度を超えるとして、同マンションの八階に居住する者の同ミュージシャンに対する慰謝料請求が認められた事例
二 区分所有権に基づくマンションの下階に居住する者に対する一定の音量を超える歌声の差止請求が棄却された事例

(東京地判平26・3・25)

▽タクシー会社の代表者による運転手らに対する暴行、暴言についてパワーハラスメントに係る不法行為責任、会社の損害賠償責任が肯定された事例

(東京地判平26・12・10)

▽幼児が横隔膜ヘルニアを原因とする呼吸不全で死亡したことにつき、小児科開業医に、転送先の病院の選択等の判断に誤りがあったとまでは言えないとして原告らの請求が棄却された事例

(さいたま地判平26・5・29)

▽個別信用購入あっせん関係販売業者が顧客に対して立替金の支払が不要である旨の説明をして、その名義を借りて架空の売買契約を締結し、個別信用購入あっせん業者から立替金の支払を受けた場合に、不実告知による誤認を理由とする顧客からの立替払契約の取消しが認められ、あっせん業者の顧客に対する立替金支払請求が棄却された事例

(旭川地判平26・3・28)

知的財産権

○「物品の操作の用に供される画像」中に表示されるコンテンツとしての動画それ自体は、画像を含む意匠の構成要素を成すものではないとされた事例

(知的財産高判平26・9・11)

商 事

○経営状態が極めて悪化した会社が商品を購入してその代金が支払不能となった場合、会社の代表取締役の任務懈怠につき重大な過失があったとして、その損害賠償責任が認められた事例

(大阪高判平26・12・19)

労 働

▽職員給与の減額支給措置等に反対する目的で教職員らがした争議行為への参加を理由とする戒告処分が憲法二八条、結社の自由および団結権の保護に関する条約に違反せず、懲戒権の濫用にも当たらないとされた事例

(札幌地判平26・3・26)

刑 事

◎傷害致死の事案につき、懲役一〇年の求刑を超えて懲役一五年に処した第一審判決及びこれを是認した原判決が量刑不当として破棄された事例

(最一判平26・7・24)

◆最高裁判例要旨(平成二七年二・三月分)

判例評論

二一 市街地再開発の結果、同一建物内に病院と薬局が隣接することとなった場合について、保険薬局指定拒否処分が取り消された事例

(東京高判平25・6・26)……原田大樹

二二 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合と、民法一五八条一項の類推適用による遺留分減殺請求権の時効の停止

(最二判平26・3・14)……草野元己

二三 法定外公共財産である現況道路の市有地について、公物であることを理由に取得時効が認められなかった事例

(東京高判平26・5・28)……土居正典

二四 再生債務者と別除権者との間で締結された別除権の行使等に関する協定における同協定の解除条件に関する合意が、再生債務者がその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から同協定が効力を失う旨の内容をも含むものとされた事例

(最一判平26・6・5)……河崎祐子

二五 独占禁止法二四条に基づく第一種指定電気通信設備の接続拒否に係る差止請求訴訟において電気通信事業法所定の認可を受けていないことを理由に請求を棄却・却下した事例――ソフトバンク対NTT東西事件東京地裁判決

(東京地判平26・6・19)……岡田直己

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