バックナンバー

判例時報 No.2239
             平成27年1月11日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 2件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件


◆記 事◆

居住福祉法学と福島原発被災者問題(上)
 ――特に自主避難者の居住福祉に焦点を当てて……吉田邦彦
現代型取引をめぐる裁判例 (363)……升田 純

◆判例特報◆

一 国際海上輸送をする船舶が公海を航行中に危険物に該当する自己発熱性・自己反応性化学物質である積載貨物が船倉内で化学反応を起こして高熱を発し当該船舶及び他の積載貨物に損害が発生した場合において当該化学物質の製造業者の責任の判断に適用される準拠法

二 国際海上輸送をする船舶が公海を航行中に危険物に該当する自己発熱性・自己反応性化学物質である積載貨物が船倉内で化学反応を起こして高熱を発し当該船舶及び他の積載貨物に損害が発生した場合において当該化学物質の表示・警告上の欠陥を理由とする製造業者の製造物責任が認められた事例

――自己発熱性・自己反応性化学物質製造物責任事件控訴審判(東京高判平26・10・29)

◆判決録細目◆

行 政

◎貸金業法四条一項二号により定義されている同法六条一項九号の「役員」に監査役は含まれるか

(最二判平26・7・18)

〇窃盗被告事件で懲役二年の有罪判決を受け控訴した被告人の控訴審における国選弁護人において、被告人の主張を逐一否定し、被告人は有罪であると考えていると主張するに等しい控訴趣意書を作成・提出した行為は、被告人の防御権を著しく侵害するもので、弁護士としての品位を失うべき非行に当たり、所属弁護士会による戒告の懲戒処分を相当とする判断には、裁量権の逸脱又は濫用はないとされた事例

(東京高判平26・5・21)

民 事

○週刊誌の記事によって名誉や信用を毀損されたと主張する新聞社の週刊誌出版社に対する謝罪広告の掲載と慰謝料の支払請求を全部棄却した原判決を取り消して一〇〇万円の慰謝料の支払が命じられた事例

(東京高判平26・6・26)

○拘置所に収容中の者に同意なく鼻からチューブを挿入して栄養剤を注入したことは安全配慮義務に違反するとして国の損害賠償責任が認められた事例

(大阪高判平26・1・23)

▽一 弁護士及び法律事務所に対する嫌がらせ目的で誹謗中傷文言を大書する紙を事務所前に駐停車した自動車に貼り付ける方法により掲示する行為等につき、差止め請求が認容された事例
二 差止め請求を認容しながら、差止め違反一回につき一定金額の支払を求める訴え部分につき不適法として却下された事例

(東京地判平26・7・7)

▽HIV感染症に罹患した看護師に対し、病院の上司である副院長及び看護部長が本人の同意なく入手した右罹患情報に基づき勤務を休むよう指示したことが違法であるとして、同病院を経営する医療法人に対する慰謝料請求が認容された事例

(福岡地久留米支判平26・8・8)

▽訴訟費用負担決定に基づく訴訟費用額確定処分に対する請求異議訴訟において、確定した訴訟費用負担決定に反する主張が許されないとされた事例

(札幌地判平26・7・18)

知的財産権

○「遠山の金さん」の文字を標準文字により表してなる被告の登録商標(指定商品:第九類及び第二八類)につき、商標法四条一項七号には該当しないとして、無効審判請求の不成立審決が維持された事例

(知的財産高判平26・3・26)

商 事

○実質的ディフィーザンス取引における説明義務違反があるとして原判決が取り消された事例(過失相殺五割)

(東京高判平26・8・27)

労 働

▽口頭による採用内定契約の成立が認められ、使用者による同契約の解約が採用予定者に対する不法行為に当たるとされた事例

(福井地判平26・5・2)

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP