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判例時報 No.2237
             平成26年12月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 2件
<民事> 5件
<商事> 1件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情(下)――平成二五年度……野原俊郎
現代型取引をめぐる裁判例 (362)……升田 純

◆判決録細目

行 政

◎逃亡犯罪人引渡法三五条一項が同法一四条一項に基づく逃亡犯罪人の引渡命令につき行政手続法第三章の規定の適用を除外し上記命令の発令手続において改めて弁明の機会を与えることを要しないものとしていることと憲法三一条

(最二決平26・8・19)

▽在留特別許可をしないでされた出入国管理及び難民認定法四九条一項に基づく異議の申出は理由がない旨の裁決が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法とされた事例

(東京地判平26・1・10)

民 事

◎一 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格
二 当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否

(最一決平26・7・10)

○二人の未成熟子がいる夫婦のフランス国籍の妻が日本国籍の夫に対し婚姻を継続し難い重大な事由があるとして離婚及び親権者の指定等を申し立てている事案において、妻は有責配偶者であるとして離婚請求を棄却した原判決を取り消し、離婚請求及び親権者の指定等が認容された事例

(東京高判平26・6・12)

○特定旅客事業の許可申請の依頼を受けた行政書士に説明義務違反があったとして不法行為責任が認められた事例

(大阪高判平26・6・19)

▽劇団の規約につき、査定に基づくチケットノルマの定めは、劇団員に恣意的かつ過大な懲罰的負担による不当な拘束を課したものとして、規約違反違約金や参加取止めによる損害賠償としてのチケットノルマの定めは、劇団員に過大な負担を課して退団の自由を著しく制約するとして、ともに民法九〇条により無効とされた事例

(東京地判平26・4・14)

▽東京電力福島第一原子力発電所における放射性物質放出事故により避難生活を余儀なくされた女性が焼身自殺したことにつき、東京電力に八割の損害賠償責任(被害者二割)が認められた事例

(福島地判平26・8・26)

商 事

○テレビ番組制作のため中国ロケを行っていた日本人スタッフが現地の有力者らと宴席でアルコール濃度の高い白酒による乾杯を繰り返すなどして泥酔し就寝中に吐瀉物を誤嚥して死亡した事故につき、傷害保険普通保険約款に定められている「急激かつ偶然な外来の事故」に該当するとし、疾病免責や心神喪失免責の抗弁を否定して保険金の請求が認容された事例

(東京高判平26・4・10)

労 働

▽一 株式会社の吸収分割に際し、承継事業に主として従事する労働者から個別の同意を得て当該労働者を承継会社に転籍させた手続が、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律の趣旨を潜脱するとして、承継会社に転籍させる旨の合意が公序良俗に反し無効とされ、分割会社との間の労働契約が承継会社に承継されるとされた事例
二 株式会社の吸収分割に際し、労働者の同意を得て行われた勤務配慮に関する労働条件の不利益変更の手続が、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律の趣旨を潜脱するとして、当該労働条件の不利益変更が公序良俗に反し無効とされた事例
三 株式会社の吸収分割に際し締結された労働協約の締結に至るまでの手続及びその内容が、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律の趣旨を潜脱するとして、当該協約のうち勤務配慮に関する労働条件の不利益変更を定めた条項が公序良俗に反し無効とされた事例

(神戸地尼崎支判平26・4・22)

刑 事

◎女子高校生に強いてわいせつな行為をして殺害したとして起訴された事案につき、目撃証言の信用性を否定するなどして事実誤認を理由に有罪(無期懲役)の第一審判決を破棄し無罪とした原判決が是認された事例――舞鶴女子高校生殺害事件上告審決定

(最一決平26・7・8)

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