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判例時報 No.2234
             平成26年11月21日 号 定価:845円 (本体価格:768円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 7件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<労働> 1件


◆記 事◆

平成20年決定以降の自招侵害論について……小林憲太郎
現代型取引をめぐる裁判例 (360)……升田 純

◆判例特報◆

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開放禁止仮処分決定に基づく間接強制の申立てについて、制裁金の支払を命じた原決定を支持し、執行抗告が棄却された事例
 ――諫早湾堤防開門禁止間接強制事件執行抗告審決定(福岡高決平26・7・18)

◆判決録細目◆

行 政

〇受刑者は選挙権を有しないと定めた公職選挙法一一条一項二号の規定は憲法一五条一項及び三項、四三条一項並びに四四条ただし書に違反する

(大阪高判平25・9・27)

民 事

○建物の賃貸借の保証会社が賃料を代位弁済しても賃借人の賃料不払の事実に消長を来すことはないとして賃料不払による賃貸借契約の解除が認められた事例

(大阪高判平25・11・22)

○ストリートビューと題するサービスにおける画像の撮影及びインターネット上への公開行為が不法行為上の違法性を有しないとされた事例

(福岡高判平24・7・13)

○運送会社の社員の自殺につき、上司の不法行為責任と会社の使用者責任が認められた事例

(仙台高判平26・6・27)

▽一 不動産登記申請手続を受任した司法書士が偽造登記済証の所有権移転に係る原因行為の日付に全部事項証明書の記載と齟齬のあることを見過ごし何らの調査もしなかった場合には、登記済証の真否の調査を怠った債務不履行がある
二 不動産登記申請手続を委任した不動産業者において、司法書士の債務不履行により損害を被った旨の主張が排斥された事例

(東京地判平26・4・14)

▽後遺障害等級一四級九号の被害者の逸失利益について、六七歳まで五%の労働能力を喪失したと認められた事例

(神戸地判平25・10・10)

▽予備校生と学校法人間の、同法人が設置管理する大学受験予備校の在学契約における、予備校生が契約を解除した場合に納付済みの授業料全額を返還しない旨の特約は、学校法人に生ずべき消費者契約法九条一号所定の平均的な損害を超えるものであり、同号により無効となるとして、適格消費者団体の学校法人に対する右特約の意思表示等の差止請求が認容された事例

(大分地判平26・4・14)

▽牧場内の国の設置管理する貯留槽で、国の職員が調査中に誤って槽内に蓋を落し、その回収行為を牧場経営者に委ねたが、槽内は硫化水素により危険であること及びその安全策を指示しなかったことから死亡事故が発生したことにつき、遺族に対する国の国家賠償責任が認められた事例

(釧路地帯広支判平26・4・21)

知的財産権

○明細書に具体的な測定方法を定義していない訂正事項について、出願当時の技術常識を勘案すると不明確とはいえないとして、明確性要件違反を否定した審決が、誤りとして取り消された事例――渋味のマスキング方法事件知財高裁判決

(知的財産高判平26・3・26)

商 事

○睡眠導入剤を使用した自動車運転中の自損事故について、保険会社の免責が認められた事例

(名古屋高判平25・7・25)

労 働

▽有期労働契約が労働契約法一九条に該当し、使用者による更新拒絶が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないとされるとともに、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)八条一項に違反する差別的取扱いが不法行為を構成するものと認められた事例
(大分地判平25・12・10)

◆最高裁判例要旨(平成二六年七・八月分)

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