バックナンバー

判例時報 No.2226
             平成26年9月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 君塚正臣 青木淳一 土居俊平 林 秀弥
 吉村良一 門広乃里子 岡 伸浩 岩間康夫
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 7件
<知的財産権> 1件
<刑事> 2件


◆判決録細目◆

行 政

▽身体障害者である原告に対し、自動車保有要件を満たさないことを理由としてされた生活保護廃止処分及びその後の生活保護申請に対する却下処分について、原告が上記各処分当時自動車保有要件を満たしていたとして、上記却下処分を取り消した上、上記各処分の国家賠償法上の違法性及び福祉事務所長の過失を認めて原告の国家賠償請求が一部認容された事例

(大阪地判平25・4・19)

民 事

◎認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張することの可否

(最三判平26・1・14)

〇マンション管理規約における「区分所有者が管理組合に支払うべき費用を所定の支払期日までに支払わないときは、管理組合は当該区分所有者に対し、違約金としての弁護士費用を加算して請求することができる」旨の定めは合理的であり、違約金としての弁護士費用は、管理組合が弁護士に支払義務を負う一切の費用と解されるとされた事例

(東京高判平26・4・16)

○脳出血に対する開頭血腫除去手術を受けた患者が肺血症により死亡した事故につき、医師に過失はないとされた事例

(広島高岡山支判平26・4・24)

▽鳥インフルエンザが発生した養鶏業者を支援するために経営支援互助金が交付されたが、交付の要件を満たさなかったとして、養鶏業者の不当利得が肯定された事例

(東京地判平26・2・10)

▽係属中の別訴と重複する訴えに当たり訴えが不適法であるとされた事例

(福岡地判平26・1・24)

▽市立小学校六年の女子児童が、同級生のいじめにより自殺した事故につき、同校校長、担任教諭に児童の自殺につき予見可能性がないとして、市及び県にいじめに対する範囲の損害賠償責任が認められた事例

(前橋地判平26・3・14)

▽追突事故により負傷した被害者がうつ病と低髄液圧症候群に罹患した上、自殺した場合に、自殺に関しては一〇パーセントの寄与度が認められた事例

(徳島地判平24・4・16)

知的財産権

○一 発明の名称を「光学活性ピペリジン誘導体の酸付加塩及びその製法」とする特許第四五六二二二九号について、その優先日における技術常識を参酌すれば、ある化学物質の発明について光学異性体の間で生物に対する作用が異なることを見出したことを根拠として特許出願がされた場合、ラセミ体自体は公知であるとしても、それを構成する光学異性体の間で生物に対する作用が異なることを開示した点に新規性を認めるべきであるとして、本件特許発明の新規性が肯定された事例
二 本件特許発明について、甲二発明との相違点に係る本件特許発明の構成は、当業者が容易に想到可能であったものということができるが、本件特許発明は、甲二発明と比較して、当業者が予測することのできない顕著な薬理効果を有するものであるとして、本件特許発明の進歩性が肯定された事例
三 本件特許について、新規性及び進歩性を欠く旨の原告の主張を排斥して、無効審判請求不成立審決が維持された事例――光学活性ピペリジン誘導体事件知的財産高裁判決

(知的財産高判平25・7・24)

刑 事

○捜査段階の被告人供述の任意性・信用性が争点となった事例(①・②事件)

(①広島高判平24・12・13、②長野地松本支判平25・3・4)

◆最高裁判例要旨(平成二六年六月分)

判例評論

五八 戸籍法四九条二項一号の規定のうち出生の届出に係る届書に「嫡出子」と「嫡出でない子」の別を記載すべきものと定めることは、憲法一四条一項に反しないか(消極)

(最一判平25・9・26)……君塚正臣

五九 滞納者と他の者との共有に係る不動産の滞納者の持分に対する差押処分の取消訴訟と他の共有者の原告適格
(最二判平25・7・12)……青木淳一

六〇 一 区分所有建物における建替え決議の決議事項につき定めた区分所有法六二条二項四号「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」は、決議事項として現建物及び再建建物の敷地利用権の価格や内容について定めることを求めていないとされた事例

 二 区分所有建物における建替え決議の決議事項につき定めた区分所有法六二条二項四号「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」の規定の趣旨に反する事態は生じていなかったとされる事例
(東京地判平24・9・25)……土居俊平

六一 実需要量の増減に応じて供給量も変動し、その変動分についてあらためてシェアの配分を行うようなカルテルについて、平成一七年改正前の独占禁止法七条の二第一項にいう「実質的に商品…の供給量を制限することによりその対価に影響があるもの」に該当するか否かが争われた事例

(東京高判平23・10・28)……林 秀弥

六二 自転車の走行中に生じた転倒事故の原因が、同自転車の前輪のサスペンション部分が分離したことにあり、同自転車には製造物責任法上の欠陥があるとして、これを輸入した業者に対する同法に基づく損害賠償請求が認容された事例

(東京地判平25・3・25)……吉村良一

六三 「財産を全てまかせる」旨の遺言について、包括遺贈する趣旨のものであると解された事例

(大阪高判平25・9・5)……門広乃里子

六四 一 小規模個人再生手続において住宅資金条項を定めた再生計画の認可がされ、保証会社である原告の住宅資金貸付債権に係る保証債務の履行がなかったとみなされた場合(いわゆる巻戻し)に、保証会社である原告が既に支出した競売費用の請求権が共益債権に該当しないとされた事例

 二 右再生手続において、再生債権として届出されなかった原告の債権は、再生計画により権利変更の効力を受けて再生計画に従って分割弁済すれば足りるが、被告がその適用を求めていないとして、再生計画による権利変更後の金額について将来における一括給付が命じられた事例
(大阪地判平25・1・18)……岡 伸浩

六五 一 わいせつな動画等のデータファイルを顧客らのダウンロード行為を介してそのパソコン等に取得させる行為に刑法一七五条一項後段に新設されたわいせつな電磁的記録等の「頒布」が認められた事例

 二 日本国外でサイトが運営された場合であっても、日本国内における顧客のダウンロード行為を介してわいせつ動画等のデータファイルを頒布したときは、刑法一条一項にいう国内犯として処罰することができるとされた事例
(東京高判平25・2・22)……岩間康夫

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP