判例時報 No.2224
平成26年8月11日 号 定価:845円
(本体価格:768円+10%税)
■判例特報
アップル対サムスン事件知財高裁大合議判決・決定
(①知的財産高判平26・5・16、②知的財産高決平26・5・16)
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<刑事> 1件
◆記 事◆
最高裁民事破棄判決等の実情(上)――平成二五年度……伊藤正晴・上村考由
現代型取引をめぐる裁判例 (353)……升田 純
◆判決録細目◆
行 政
▽金融商品取引法二一条の二に基づく損害賠償金が所得税の課税対象とならないとされた事例
(神戸地判平25・12・13)
民 事
◎精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者に法定代理人がない場合と民法一五八条一項の類推適用
(最二判平26・3・14)
〇いわゆる悪質商法の主体である法人の代表者が整理屋グループと組み詐害目的での資産移転行為をしたものの事後的に破産管財人の調査に協力した場合における裁量免責の可否(消極)
(東京高決平26・3・5)
○長時間労働でうつ病に罹患して自殺したことを理由とする損害賠償請求訴訟のためになされた証拠保全申立事件における同僚のタイムカードについての検証物提示命令に対する抗告が理由がないものとして棄却された事例
(大阪高決平25・7・18)
▽インターネットを通じた外国為替保証金取引において、証券会社が合理的時間内に取引注文を処理することができるシステムを整備すべき義務に違反した債務不履行による損害賠償請求が一部認容された事例
(東京地判平25・10・16)
▽市道の路面凍結による自動車のスリップ事故について、市道の設置管理の瑕疵が否定された事例
(水戸地龍ケ崎支判平26・1・27)
知的財産権
○「美実PLUS」及び「びみぷらす」の文字並びに木の葉様の図形からなる登録商標が、「TON’S」及び「美実」の文字からなる引用商標に類似しないとして、商標法四条一項一一号に該当しないと判断され、無効審判請求を不成立とした審決が維持された事例
(知的財産高判平26・2・27)
刑 事
◎覚せい剤の密輸入事件について、共犯者供述の信用性を否定して無罪とした第一審判決には事実誤認があるとした原判決に、刑訴法三八二条の解釈適用の誤りはないとされた事例
(最一決平26・3・10)
◆最高裁判例要旨(平成二六年五月分)
◆判例特報◆(逆とじ)
一 部品が譲渡されたことによって完成品の特許権が消尽した旨の主張が排斥された事例
二 特許権者によってされたFRAND宣言について、ライセンス契約の申込みとは認められないから、当該FRAND宣言によってライセンス契約が成立するものではないと判断された事例
三 特許権者による特許権に基づく損害賠償請求権の行使が、FRAND条件でのライセンス料相当額を超える部分では権利の濫用に当たるが、FRAND条件でのライセンス料相当額の範囲内では権利の濫用に当たるものではないと判断された事例
四 FRAND条件でのライセンス料相当額が判断された事例(以上、①事件)
五 FRAND宣言された特許権に基づく差止請求権の行使が、権利の濫用に当たり許されないとされた事例(②事件)
――アップル対サムスン事件知財高裁大合議判決・決定
(①知的財産高判平26・5・16、②知的財産高決平26・5・16)