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判例時報 No.2190
             平成25年9月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 米丸恒治 野澤正充 春日 修 横山久芳 京 明
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 1件
<商事> 1件
<刑事> 1件


◆判決録細目◆

行 政

▽法人税法施行令一二一条一項一号に規定するヘッジ取引の有効性判定の方法に、オプションの基礎商品の時価変動額とヘッジ対象の時価変動額とを比較する方法(いわゆる基礎商品比較法)は当たらないとして、法人税法六一条の九第二項、同法施行令一二二条の三に基づき、その保有する外貨建資産に係る外国為替換算差損の額を損金の額に算入することを認めなかった法人税更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の一部が取り消された事例

(東京地判平24・12・7)

民 事

◎一 いわゆる明示的一部請求の訴えに係る訴訟において、債権の一部消滅の抗弁に理由があると判断されたため判決において上記債権の総額の認定がされた場合における、残部についての消滅時効の中断
二 いわゆる明示的一部請求の訴えの提起と残部についての裁判上の催告としての消滅時効の中断
三 消滅時効期間の経過後、その経過前にした催告から六箇月以内にした催告と消滅時効の中断

(最一判平25・6・6)

〇船員等の労働組合が国際的労働協約を締結していない海運会社に労働協約締結を訴えるデモ行動をした際に通行人に「賃金を搾取する会社」等の記載のあるビラを配布し、労働組合の機関紙である新聞に「悪徳船主」である旨の記事を掲載したことが、真実性・誤信相当性を欠き、海運会社に対する名誉毀損を構成するとされた事例

(東京高判平24・12・17)

▽ビル内の飲食店で飲食した者がビル内の下りエスカレーターの手すりに接触し、乗り上げ、転落して死亡した事故について、ビルの共有者・管理者の土地工作物責任、エスカレーターの製造業者の製造物責任が否定された事例

(東京地判平25・4・19)

▽民法九〇〇条四号ただし書前段を準用する同法一〇四四条が憲法一四条一項に違反しないとされた事例

(東京地判平25・3・15)

▽一 公有地に係る土地信託契約において、受益者に対する費用補償請求権を定めた旧信託法(平一八法一〇九号による改正前のもの)三六条二項本文の適用を排除する旨の合意が成立していたとはいえないとされた事例
二 自益信託(委託者と受益者が同一の信託)の受益者が、旧信託法三六条三項に基づき、受益権を放棄して費用補償義務を免れることはできない
三 Yが旧信託法三六条三項に基づき受益権を放棄して費用補償義務を免れることは、信義則に反し、許されないとされた事例

(大阪地判平25・3・7)

知的財産権

○一 被告の無効主張及び立証を時機に後れた攻撃防御方法であるとして却下した原審の判断に誤りはないとされた事例
二 控訴審において提出された控訴人らの新たな無効主張及び立証が時機に後れた攻撃防御方法であるとして却下された事例

(知的財産高判平25・1・30)

商 事

○一 MBOに当たって取締役は公正な企業価値の移転を図るべき善管注意義務を負うが、その義務違反があるとはいえないとされた事例
二 MBOに際しての情報開示について取締役に善管注意義務違反があるとされた事例

(東京高判平25・4・17)

刑 事

▽歯科インプラント手術の際、ドリルを挿入してインプラント埋入窩を形成するに当たり、オトガイ下動脈を挫滅するなどし、被害者を死亡させた歯科医師の過失責任が肯定された事例

(東京地判平25・3・4)

判例評論

五三 情報公開法に基づいてなした、内閣官房報償費の支出に関する行政文書の開示請求に対し、同文書に同法五条三号および同条六号に定める不開示情報が含まれていることを理由としてされた不開示決定の一部が違法であるとされた事例

(大阪地判平24・3・23)……米丸恒治

五四 土壌汚染を知らなかった売主の重大な過失と免責特約の効力

(東京地判平24・9・25)……野澤正充

五五 情報公開条例に基づき非公開決定をした地方公共団体の機関が、異議申立てを受けてから約一〇ヶ月ないし一年二ヶ月を経過した後に審査会に諮問をしたことについて、国家賠償法上違法とはいえないとして、賠償請求が棄却された事例

(東京高判平24・11・29)……春日 修

五六 一 携帯電話機用釣りゲームにおける魚の引き寄せ画面及び主要画面の変遷について、アイデアなど表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において同一性を有するにすぎず、表現上の本質的な特徴を直接感得することができないとして、翻案が否定された事例

 二 携帯電話機用釣りゲームの冒頭に登場する画面ではなく、ゲームの途中で登場する一画面又はそれに類似する画面にすぎないものであり、ゲームの全過程にわたって繰り返されて長時間にわたって画面に表示されるものではない影像は、不正競争防止法二条一項一号所定の周知な商品等表示に当たらない
 三 ある行為が著作権侵害や不正競争行為に該当しないものである場合、著作権法や不正競争防止法が規律の対象とする著作物や周知商品等表示の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り、不法行為を構成しない
――携帯電話機向け魚釣りゲーム訴訟控訴審判決
(知的財産高判24・8・8)……横山久芳

五七 第一審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の言渡しをした場合と控訴審における勾留

(最二決平23・10・5)……京 明

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