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判例時報 No.2187
             平成25年8月1日 号 定価:1466円 (本体価格:1333円+10%税)

<最新判例批評>
 吉川和宏 橋本博之 馬場圭太 岩永利彦 本庄 武
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<労働> 1件
<刑事> 1件


◆判決録細目◆

行 政

○県立学校の卒業式等における国歌斉唱時の教職員の不起立に係る情報の県教育委員会による収集及び利用が県個人情報保護条例に違反しないとされた事例

(東京高判平24・7・18)

民 事

◎建物の地下一階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾の下に一階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において、建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることが権利の濫用に当たるとされた事例

(最三判平25・4・9)

○会員制の冠婚葬祭業者と会員との間の契約の途中解約における解約払戻金を制限する条項について、消費者契約法九条一号により無効とされ、同法一二条三項に基づく差止請求が認容された事例

(大阪高判平25・1・25)

▽マンションの建築協力者である区分所有者が所有する特定の専有部分のみのための設備として建築時に設置された共用部分である排水槽について、規約に定めのない専用使用権を有する区分所有者に対し、その区分所有者が支出した清掃費・修理費等が、専用使用部分の通常の使用に伴う管理の費用であるとして、規約に基づく費用負担義務が認められた事例

(東京地判平24・1・30)

▽マンション建替組合の建物の区分所有等に関する法律七〇条一項所定の団地内建物の一括建替え決議に反対し、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対する、マンションの建替えの円滑化等に関する法律一五条一項に基づく売渡し請求が認められた事例

(東京地判平24・12・27)

▽死亡した県職員の退職手当金を県が職員の父母に支払ったことにつき、死亡した職員の子供三名が県の判断に誤りがあったとして、自己に対して支払いを求めた請求が認容された事例

(山形地判平25・3・5)

知的財産権

○一 発明の名称を「偉人カレンダー」とする本願発明について、自然法則を利用した技術的思想が、課題解決の主要な手段として提示されていると評価することができず、特許法二条一項に規定された「発明」に該当しないとされた事例
二 本願発明は、「百人一首カレンダー」の発明及びカレンダーに偉人に関する情報を記載する公知刊行物の記載に基づいて当業者が容易に想到できたとされた事例

(知的財産高判平25・3・6)

○「無線アクセス通信システムおよび呼トラヒックの伝送方法」の発明について、補正により付加された本件構成を有する本件発明は、本件当初明細書に記載されたものということはできず、当該補正は本件当初明細書の要旨を変更するものであるとした審決の判断に誤りはないとされた事例

(知的財産高判平25・1・17)

労 働

▽一 日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法(昭和六一年一二月四日法律第九一号)の失効に伴う国鉄清算事業団からの解雇が有効と認められた事例
二 国鉄の分割・民営化に際し、国鉄が行った新会社(JR各社)への採用候補者名簿不記載基準の策定が、同分割・民営化に反対する労働組合に属する職員を不当に差別する目的、動機に出たもので、原告らに対する不法行為に当たると認められた事例

(東京地判平24・6・29)

刑 事

◎共謀加担後の暴行が共謀加担前に他の者が既に生じさせていた傷害を相当程度重篤化させた場合の傷害罪の共同正犯の成立範囲

(最二決平24・11・6)

判例評論

四八 平成二二年七月に施行された参議院選挙区選出議員選挙の選挙区間の一対五・〇〇の投票価値の不平等が、違憲の問題が生じる程度に達しているとされた事例

(最大判平24・10・17)……吉川和宏

四九 債権放棄議決事件上告審判決(①神戸市・②大東市・③さくら市)

(①、②最二判平24・4・20、③最二判平24・4・23)……橋本博之

五〇 携帯電話端末を利用する電気通信役務提供契約において、電気通信事業者は、予測外の高額なパケット通信料金の発生拡大を防止するため、利用者に対して通知等により注意喚起をする義務を負うとした事例

(京都地判平24・1・12)……馬場圭太

五一 「樹脂封止型半導体装置の製造方法」との発明について、進歩性の判断に誤りがあるとして、拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決が取り消された事例

(知的財産高判平24・1・31)……岩永利彦

五二 強盗殺人一件、強盗致死・強盗致傷一件等の事案につき、無期懲役の量刑が維持された事例

(最一決平21・12・17)……本庄 武

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