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判例時報 No.2176*
             平成25年4月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 9件
<知的財産権> 2件
<労働> 1件


◆記 事◆

民事裁判の基礎理論・事実判断の構造分析(上)――事実認定論とは、どのような考え方か……河村 浩
現代型取引をめぐる裁判例 (323)……升田 純

◆判決録細目◆

行 政

◎選挙に関する民衆訴訟として提起された衆議院議員選挙に関する内閣による助言と承認等の差止め及び内閣による法案提出の義務付けを求める訴えを本案とする仮の差止め又は仮の義務付けの申立ての適法性

(最一決平24・11・30)

民 事

◎大規模な金融機関の具体的な店舗を特定することなく、預金債権額合計の最も大きな店舗の預金債権を対象とする、いわゆる預金額最大店舗指定方式による預金債権の差押命令の申立ての適否

(最一決平25・1・17)

○一 携帯電話の利用サービス契約の中途解約の解約金条項が消費者契約法九条一号、一〇条に違反しないとし、適格消費者団体の差止請求が棄却された事例(①事件)
二 携帯電話の利用契約の割引サービスに関する説明が不利益事実の不告知に該当しないとし、消費者契約法四条二項による取消しが否定された事例(②事件)

(①大阪高判平24・12・7、②高松高判平24・11・27)

※上記①事件の大阪高裁平成24(ネ)第1476号判決の記載には実際の判決と異なる部分がありましたので、正しい判決文を2316号(平成29年2月21日号)に掲載いたしております。

▽東京電力株式会社に対し、自己の所有する土地上の放射性物質の除染を求めた原告の請求が権利濫用に該当するとされた事例

(東京地判平24・11・26)

▽被相続人が意思能力のない状態で締結した年金型保険契約の支払済みの保険料の返還請求権が相続財産に当たるとし、重加算税等が課された場合について、相続税の申告を受任した税理士の債務不履行が否定された事例

(東京地判平24・10・16)

▽太平洋戦争における米軍の無差別爆撃の被災者が、国に対し、右被災者救済の立法不作為を違法として求めた国家賠償請求が棄却された事例

(大阪地判平23・12・7)

▽株主の会社に対する株主名簿、総勘定元帳、勘定科目内訳書の閲覧、謄写を求める仮処分が認められた事例

(名古屋地決平24・8・13)

▽医療法人の理事解任につき、一般財団法七〇条を適用して、理事の残存任期の報酬額相当の賠償責任を法人に負担させた事例

(札幌地判平24・4・18)

▽町の事業計画の用地買収につき、町長が代わり施策が変更され、町が買取を拒否したことが不法行為にあたるとして、町の損害賠償責任が認められた事例

(宮崎地判平24・12・25)

知的財産権

○一 結晶性の「〔R―(R*、R*)〕―2―(4―フルオロフェニル)―β、δ―ジヒドロキシ―5―(1―メチルエチル)―3―フェニル―4―〔(フェニルアミノ)カルボニル〕―1H―ピロール―1―ヘプタン酸ヘミカルシウム塩(アトルバスタチン)」の発明において、明細書が開示する三つの方法中、一つのみを検討し、実施可能要件を充足するとした審決の判断は是認することができず、その余の記載により実施可能要件を充足するか否かについて審理を尽くしていないとされた事例
二 引用例における「再結晶」の用語が「再沈殿」又は「再析出」の誤用とはいえず、引用例にはアトルバスタチンを結晶化したことが記載されているから、本件発明は、引用例に記載された発明及び技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとして、これと異なる審決の判断に誤りがあるとされた事例

(知的財産高判平24・12・5)

○「北斎」との筆書風の漢字と葛飾北斎が用いた落款と同様の形状をした図形からなる本願商標が、商標法四条一項七号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するとした審決が取り消された事例

(知的財産高判平24・11・7)

労 働

▽自転車等による書類等の配送事業を展開していた会社との間で運送請負契約を締結し、その配送を行う配送員(メッセンジャー)及びこれらの配送員が所属する営業所の営業所長が、会社との関係において労働組合法上の労働者に当たり、会社が労働組合からの団交申入れを拒絶したことなどが不当労働行為に該当するとされた事例

(東京地判平24・11・15)

◆最高裁判例要旨(平成二五年一月分)

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