判例時報 No.2159
平成24年10月21日 号 定価：838円
（本体価格：762円＋10％税）
■判決録
＜行政＞ 2件
＜民事＞ 4件
＜知的財産権＞ 2件
＜商事＞ 1件
＜労働＞ 1件
＜刑事＞ 1件
◆記 事◆
シンポジウム
「行政事件訴訟法第二次改正シンポジウム」……日本弁護士連合会行政訴訟センター
現代型取引をめぐる裁判例 （312）……升田 純
海外刑法だより（329）弁護士会による取調べ（下の１）……森下 忠
◆判決録細目◆
行 政
◎エネルギーの使用の合理化に関する法律（平成一七年法律第九三号による改正前のもの）一一条の規定により製造業の事業者が経済産業局長に提出した定期報告書に記載された工場単位の各種の燃料等及び電気の使用量等の各数値を示す情報が、情報公開法五条二号イ所定の不開示情報に当たるとされた事例（①・②事件）
（①、②最二判平23・10・14）
民 事
○地方自治体が住民の生活用水等の給水の安定確保を図る事業として井戸掘削工事をしたことにより、既存の井戸を汚染・枯渇させ地下水利用権を侵害したとして、地方自治体に対する損害賠償請求が認められた事例
（東京高判平24・５・９）
▽大企業の取締役らによる社長に対する辞任要求が不法行為に当たらないとされた事例
（東京地判平24・４・11）
▽二〇階建てマンションの居住者らが、隣接する土地に二四階建てマンションが新築されたことにつき、主位的には人格権（眺望権・圧迫感を受けないで生活する権利）を侵害されたとして新築マンションの販売会社及び建設会社に損害賠償を求め、予備的には右販売会社が両マンションの販売を手掛けたことから売買契約の付随義務違反・眺望に関する説明義務違反があったとして損害賠償を求めたが、いずれの請求も棄却された事例
（大阪地判平24・３・27）
▽建物改装工事の注文者からの請負人及び設計監理人に対する損害賠償請求と設計監理人からの注文者に対する未払報酬の反訴請求がいずれも棄却された事例
（京都地判平24・２・14）
知的財産権
○「ターザン」の片仮名を標準文字で表してなる商標につき、その商標登録が、「ターザン」のイメージやその顧客吸引力に便乗しようとする不正の意図に基づく剽窃行為であるとはいえないが、国際信義に反し、かつ、公正な取引秩序を乱すものとして、公序良俗を害するおそれのある商標（商標法四条一項七号）に該当するとされた事例
（知的財産高判平24・６・27）
▽手編み物及びその編み図に関する著作権及び著作者人格権侵害の成否が争われた事案において、原告が手編み物及び編み図の創作性の根拠として主張する点は抽象的な構想又はアイデアにとどまるものであるとして、その著作物性が否定された事例
（東京地判平23・12・26）
商 事
▽交通事故の被害者の加害者に対する損害賠償請求訴訟において保険会社が独立当事者参加している場合には加害者の自白は合一確定の要請に反し効力を有しないとした上、保険事故の発生が認められないとして、保険会社の保険金支払債務の不存在確認が認容された事例
（岐阜地判平24・１・17）
労 働
◎従業員の欠勤が就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たるとしてされた諭旨退職の懲戒処分が無効であるとされた事例
（最二判平24・４・27）
刑 事
◎被疑者の弁護人の人数超過許可決定に対する刑訴法四一九条による抗告申立ての可否
（最三決平24・４・20）
◆最高裁判例要旨（平成二四年六月分）
