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判例時報 No.2156
             平成24年9月21日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 2件
<商事> 2件
<刑事> 2件


◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情(中)――平成二三年度……岩﨑邦生
現代型取引をめぐる裁判例 (310)……升田 純
海外刑法だより(328)弁護士会による取調べ(中)……森下 忠

◆判決録細目◆

行 政

▽建築基準法五九条の二第一項に定めるいわゆる総合設計許可に当たっての東京都知事による公開空地の有効係数の評価が特定行政庁の合理的裁量の範囲内のものであるとされた事例

(東京地判平23・9・30)

民 事

◎一 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権の破産債権該当性
二 保証人が主たる債務者の破産手続開始前にその委託を受けないで締結した保証契約に基づき同手続開始後に弁済をした場合に保証人が取得する求償権を自働債権とする相殺の可否

(最二判平24・5・28)

○東京大空襲の被害者及びその遺族は、国に対して損害賠償を請求することはできないとされた事例

(東京高判平24・4・25)

▽株式譲渡契約上の表明保証条項違反による売主の損害賠償責任が認められた事例

(東京地判平24・1・27)

▽地方公共団体の発注に係るごみ焼却施設建設工事の指名競争入札において、談合の存在が認められなかった事例

(東京地判平23・9・13)

▽ごみの共同処理に関する協議会に参加し、一部事務組合設立のための覚書作成に関与した地方公共団体の一つが、広域化の見直しを公約とする町長が当選したため、協議会から離脱したことにつき、他の地方公共団体が行った損害賠償請求が一部認容された事例

(横浜地判平23・12・8)

知的財産権

○発明の名称を「ポリウレタンフォームおよび発泡された熱可塑性プラスチックの製造」とする本件特許に係る本件訂正発明が備える発泡剤成分事項を、甲一に記載された混合気体から容易に想到できないとした審決は誤りであると判断された事例

(知的財産高判平24・2・28)

○電気通信機械器具用モジュール等を指定商品とし、「KDDI」「Module」「inside」の文字を上下三段に配するなどして構成された商標は、「intel」及び「inside」の文字を上下二段にするなどして構成された各商標との関係で、混同を生ずるおそれがある商標(商標法四条一項一五号)には該当せず、公正な競争秩序から逸脱し、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標(同項七号)にも該当しない

(知的財産高判平24・3・28)

商 事

○自動車保険契約の人身傷害条項に基づく保険金請求においては、損害賠償金が支払われているときでも、人身傷害補償基準により保険金額を算定すべきであるとされた事例

(大阪高判平24・6・7)

▽被保険者が自動車運転中に公園内の池に転落して死亡した場合、心筋梗塞を起こし、意識障害等により運転を誤り池に転落したとして、保険金の請求が認められなかった事例

(名古屋地判平24・4・25)

刑 事

◎一 医師としての知識、経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた医師がその過程で知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為と秘密漏示罪の成否
二 医師が医師としての知識、経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた場合の刑法一三四条一項の「人の秘密」の範囲
三 刑法一三四条一項の罪の告訴権者

(最二決平24・2・13)

▽動物虐待事案について、動物の愛護及び管理に関する法律違反の罪に加え、詐欺の罪を認めた上で、懲役三年、五年間保護観察付き執行猶予の判決が言い渡された事例

(横浜地川崎支判平24・5・23)

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