判例時報 No.2151
平成24年8月1日 号 定価:1466円
(本体価格:1333円+10%税)
<最新判例批評>
大石和彦 今尾 真 土本武司
■判決録
<行政> 1件
<民事> 6件
<知的財産権> 2件
<商事> 2件
<刑事> 1件
<最新判例批評>
大石和彦 今尾 真 土本武司
■判決録
<行政> 1件
<民事> 6件
<知的財産権> 2件
<商事> 2件
<刑事> 1件
◆判決録細目◆
◎生活扶助の老齢加算の廃止を内容とする生活保護法による保護の基準(昭和三八年厚生省告示第一五八号)の改定が違法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例――生活保護老齢加算廃止訴訟(北九州)上告審判決
○民事再生手続開始の申立てが不当な目的でされたものとして民事再生法二五条四号の再生申立棄却事由が認められた事例
○車上荒らしの容疑者が逃走中、追尾してきた警察官の発砲した弾丸が命中して死亡した事故につき、警察官の発砲は適法であるとして、遺族の損害賠償請求が棄却された事例
○将来の介護費用の損害賠償について、被害者が一時金賠償方式による支払を求めたのに対し、定期金賠償方式が相当であるとした第一審判決が、控訴審判決において一時金賠償方式が相当であるとして、変更された事例
▽共同相続人らから相続税の申告手続を依頼された税理士が被相続人の海外財産を相続財産に含めない等して相続税を申告したことについて、税理士の善管注意義務違反の債務不履行が認められた事例
▽歯科医師が保険医の登録を取り消す処分を受け、訴訟によって処分取消しの判決を受け、確定した場合につき、国の信用毀損等の国家賠償責任が認められた事例
▽特定商取引法にいう連鎖販売契約について、契約時に交付された書面の記載に不備があったとして、同書面が交付された時点から二〇日を経過した後にされたクーリングオフによる解除が有効とされた事例
○一 元従業員が在職中に行った発明に係る特許が包括クロスライセンス契約の対象とされた場合において、平成一六年法律第七九号による改正前の特許法三五条三項及び四項に基づく相当の対価は、会社が各特許のいずれかを契約交渉の際に相手方に提示した包括クロスライセンス契約によって相手方から支払を受けた実施料及び会社が相手方に対する実施料の支払義務を免れたことによる利益に基づき、各特許の寄与率を三パーセント、会社が貢献した程度を九五パーセントとして算出すべきであるとして、合計六三〇二万六一三六円及び遅延損害金について認容した原判決を変更し、合計二九〇万三〇六六円及び遅延損害金の限度で請求が認容された事例
二 使用者の従業者に対する実績報奨金の支払は、便宜、実績報奨金の名目で、相当の対価を各年度に分割して支払っているにすぎず、各年度の実績報奨金の支払額と当該各年度に支払うべき相当の対価の分割額との間に過不足が生じた場合、実績報奨金の過払額は次年度以降の相当の対価の支払に充当され、反対に、相当の対価の不足額は次年度以降の実績報奨金の支払分から充当されるべきものである
○一 作成すべき画像のイメージを記載した大学教授作成の絵コンテやメモによる具体的指示に基づき作成された画像の著作者は、本件各画像の基本的な構成を決定し、その後の具体的な作成作業を主導的に行った当該教授である
二 書籍中の画像を複製して掲載する箇所の記述の最終的な内容を著作権者自身が確認し、了承することをもって、利用を許諾する条件としていた場合において、一方的に決めた期限までに著作権者から返事がなかったのに、その最終的な確認をとることもなく、書籍を発行した行為が、複製権及び譲渡権の侵害に当たるとされた事例
◎一 損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めがない自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づき支払われるべき保険金の額の算定方法
二 自動車保険契約の無保険車傷害条項に基づく保険金の支払債務に係る遅延損害金の利率
▽建物建築工事請負人が建物の敷地について商事留置権を有しないとされた事例
◎長崎市長を射殺した事案につき、無期懲役の量刑が維持された事例
四三 長期譲渡所得に係る損益通算を認めないこととした平成一六年法律第一四号による改正後の租税特別措置法三一条の規定をその施行日より前に個人が行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成一六年法律第一四号附則二七条一項と憲法八四条(①・②事件)
四四 貸金業者が貸金債権を一括して他の貸金業者に譲渡する旨の合意をした場合における、借主と上記債権を譲渡した業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転の有無
四五 航空管制ミスと過失責任