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判例時報 No.2134
             平成24年2月11日 号 定価:838円 (本体価格:762円+10%税)

■判例特報
 西武鉄道株主集団訴訟上告審判決
  (①、②最三判平23・9・13)
 
■判決録
<行政> 1件
<民事> 5件
<知的財産権> 3件
<刑事> 1件


◆記 事◆

最高裁刑事破棄判決等の実情(下)――平成二二年度……西野吾一
現代型取引をめぐる裁判例 (295)……升田 純

◆判例特報◆

 一 有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における、上記投資者に生じた当該虚偽記載と相当因果関係のある損害の額
二 有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得しなかった場合における、当該虚偽記載の公表後のいわゆるろうばい売りによる上場株式の市場価額の下落による損害と当該虚偽記載との相当因果関係(①、②事件)

――西武鉄道株主集団訴訟上告審判決(①、②最三判平23・9・13)

◆判決録細目◆

行 政

◎国の補助事業における入札談合によって普通地方公共団体の被った損害の賠償を求める地方自治法(平成一四年法律第四号による改正前のもの)二四二条の二第一項四号の規定による住民訴訟において住民が勝訴した場合の同条七項にいう「相当と認められる額」の認定に当たり、当該普通地方公共団体が回収した額を考慮する際にその回収に伴い国に返還されることとなる国庫補助金相当額を控除することの可否

(最一判平23・9・8)

民 事

◎無権利者を委託者とする物の販売委託契約が締結された場合における当該物の所有者の追認の効果

(最三判平23・10・18)

◎一 求償権が破産債権である場合において財団債権である原債権を破産手続によらないで行使することの可否(①事件)
二 求償権が再生債権である場合において共益債権である原債権を再生手続によらないで行使することの可否(②事件)

(①最三判平23・11・22、②最一判平23・11・24)

▽株式譲渡契約の売主の義務違反が認められ、同契約上の賠償額の予定が公序良俗に反するものとはいえず有効とされた事例

(東京地判平23・6・7)

▽証券会社の勧誘により豪ドルの通貨オプション取引をなし損害を被った顧客が、証券会社が右取引に付随した保証金契約についての説明義務を怠ったとして求めた損害賠償請求が認容された事例(過失相殺七割)

(大阪地判平23・10・12)

知的財産権

○当初明細書に明示的に記載されておらず、当初明細書に記載された全ての事項を総合することにより導かれる技術的事項ということもできない事項を含む手続補正が、平成一四年法律第二四号による改正前の特許法一七条の二第三項に違反するとされた事例

(知的財産高判平23・7・21)

○ポンプの発明において、ケーシングライナーの内周に設けられた溝に異物を押し込んで捕捉し、溝内を通過させる構成を有する引用発明一に、内周にカッターを設けて異物を切断する構成を有する引用発明二を適用しても、内周に凸部材を設けて異物を引っ掛けて捕捉し、異物を羽根と羽根との間を通過させ、ポンプ外に排出させる本願発明に係る構造を想到することは容易とは認められないとして、これと異なる審決の判断に誤りがあるとされた事例

(知的財産高判平23・8・25)

○発明の名称を「うっ血性心不全の治療へのカルバゾール化合物の利用」とする特許について、顕著な作用効果を看過した誤りがあるとして、訂正審判請求を不成立とした審決が取り消された事例

(知的財産高判平23・11・30)

刑 事

○旧株式会社日本債券信用銀行の平成一〇年三月期における有価証券報告書の提出につき、同銀行の役員三名に対する虚偽記載有価証券報告書提出罪の成立が否定された事例――日債銀粉飾決算事件差戻審判決

(東京高判平23・8・30)

◆最高裁判例要旨(平成二三年一一月分)

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