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判例時報 No.2103
             平成23年4月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

 


◆記事◆

裁判員裁判における犯罪事実の認定(上)……青木孝之-3

現代型取引をめぐる裁判例(275)……升田純

◆判決録◆

民事

○株式会社が満期転換社債型新株予約権付社債を発行した際に作成・提出した金融商品取引法所定の臨時報告書等の虚偽記載等を原因として同社の株主であった者が民事再生手続が開始された同社に対して再生債権として届け出た同社の株式の価格の下落を理由とする損害賠償請求権について金融商品取引法二一条の二第四項、第五項所定の「当該書類の虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下り以外の事情により生じたこと」の証明がないのに同第五項を適用して当該株主の株式の取得価格から処分価格を控除した価格の二割を控除して損害を査定した異議裁判所の査定裁判が控訴審において当該二割の控除を認めた点において相当でないとして変更された事例

(東京高判22・11・24)

○遺産確認請求訴訟の係属中にその確認の対象となった遺産の一部について被告が原告の請求を一部認諾したが、その効力を否定した上、当該遺産の全部を確認の対象として、その一部が遺産に属することが確認された事例

(名古屋高判22・7・29)

○債権者である公庫及び金庫と連帯保証人との間で求償制限特約が締結されている場合であっても、共同保証人間で負担割合に応じて求償することができるとされた事例

(高松高判22・9・28)

▽公正証書による負担付死因贈与について贈与者に意思能力がなかったとは認められず、有効とされた事例

(東京地判22・7・13)

▽大規模な詐欺的な投資取引を行った事業者の開催したコンサートに出演する等した歌手の共同不法行為、常助が否定された事例

(東京地判22・11・25)

▽ガス湯沸器の不完全燃焼による一酸化炭素毒による死亡事故について、販売会社の従業員の修理に過失があったとして、同会社の損害賠償責任が認められた事例(大阪地判22・9・9)

▽知的障害者入所更生施設の入所者がトイレ内で転倒負傷した事故について、施設側の損害賠償責任が認められなかった事例

(横浜地判22・3・25)

▽六階建マンションの築造により近隣住民が、景観、日照、圧迫感、プライバシー等の被害及び工事騒音被害等様々の被害を挙げて、マンションの一部撤去及び損害賠償を求めたのに対し、工事騒音被害に対する損害賠償請求のみが認容され、その余の請求は棄却された事例

(京都地判22・10・5)

知的財産権

◎一 公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより、当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置が単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合に、当該装置は自動公衆送信装置に当たるか

二 公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより、当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置が、公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており、これに継続的に情報が入力されている場合における送信の主体
――まねきTV事件上告審判決(最三判23・1・18)

◎放送番組等の複製物を取得づることを可能にするサービスの提供者が複製の主体と解される場合

――ロクラクⅡ事件上告審判決(最一判23・1・20)

○「ハーブヨーグルトン」等の複数の文字及び双葉模様や豚のシルエット等の複数の図形からなる本件商標が、「ヨーグルトン」の片仮名を標準文字で表記した引用商標に類似するとした審決が維持された事例

(知的財産高判22・11・30)

商亊

▽韓国に輸出中の機械が航海中に損傷した場合、輸出代行業者の債務不履行責任及び運送業者の不法行為責任が認められた事例

(神戸地判22・10・6)

▽一 日本放送協会の受信契約取次ぎ及び受信料収納等を業務内容とする委託契約(本件契約)における受託者の報酬(事務費)を構成する単価について、単価は、毎年四月、日本放送協会と受託者が協議のうえ、決定することという契約書の文言は、受託者との協議を経た上で、最終的には、日本放送協会が、毎年、決定するものと解釈すべきであり、単価の決定に各受託者又は受託者加入団体との合意が必要で、合意が成立しなければ前年度の単価が継続して適用されるとの原告らの主張は採用できず、この結論は、本件契約の法的性質を労働契約ないし労働契約類似の契約とみるか否かによって異なることはないとされた事例

二 日本放送協会が、平成一九年度の受信料収入に係る業績回復を予測する等して平成一八年度よりも安い単価を決定したことに合理性の欠如は認められず、単価の決定が権利濫用に該当すると評価することはできないから、受託者である原告らは、本件契約に基づき、日本放送協会が定めた平成一九年度の単価に拘束されるとされた事例

(東京地判22・3・29)

◎観賞ないしは記念のための品として作成された家系図が、行政書士法一条の二第一項にいう「事実証明に関する書類」に当たらないとされた事例(最一判22・12・20)

〇住居侵入後、キャッシュカードの窃取に着手し、いつでも容易にその占有を取得できる状態に置いた上で、同キャッシュカードの占有者に脅迫を加えて同キャッシュカードの暗証番号を強いて聞き出した行為につき、刑法二三六条二項の強盗罪が成立するとされた事例

(東京高判21・11・16)

◆最高裁判例要旨(平成二三年一月分)

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