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判例時報 No.2079
             平成22年8月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

 


◆記事◆

ドイツの新国家試験と法曹養成の新たな動向……小野秀誠

現代型取引をめぐる裁判例(259)……升田純

◆判例特報◆

一 相続税法(平成一五年法律第八号による改正前のもの)三条一項三号の規定によって相続により取得したものとみなされる生命保険契約の保険金で年金の方法により支払われるもの(年金受給権)のうち有期定期金債権に当たるものにおいて、当該年金受給権に係る年金の各支給額は、所得税の課税対象となるか

二 所得税法(平成一八年法律第一〇号による改正前のもの)二〇七条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払をする者は、当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かにかかわらず、その年金について所得税の源泉徴収義務を負うか

――生命保険年金二重課税訴訟上告審判決(最三判平22・7・6)

◆判決録◆

行政

▽墓地経営許可処分の取消訴訟において、墓地からおおむね一〇〇メートルの範囲内に居住し又は住宅を有する者の原告適格を認めた上で、同処分は適法であるとして取消請求及び国家賠償請求が棄却された事例

(東京地判平22・4・16)

◎貸金業を営む株式会社の従業員が会社の貸金の原資に充てると欺罔して金員を詐取した行為が会社の事業の執行についてされたというための要件

(最三判平22・3・30)

◎いわゆる経由プロバイダは、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律二条三号にいう「特定電気通信役務提供者」に該当するか

(最一判平22・4・8)

〇一 預託金会員制ゴルフクラブが、ゴルフ場経営会社の業務を代行しているに過ぎず、独立して権利義務の主体となるべき社団としての実体を有しないとされた事例

二 預託金会員制ゴルフクラブの総会決議で可決された預託金の返還時期の延期等について、同総会に欠席して当該議案に賛成する旨記載した議決権行使書を提出した会員との間においても、その個別的な承諾を得ていないとして、当該会員によるゴルフ場経営会社に対する預託金返還請求が認められた事例

(名古屋高判平21・9・10)

▽匿名組合の方式により事業資金の出資を募集する新聞広告を約二年間にわたって掲載した会社が民事再生手続の開始の申立てを経て破産手続開始に至った事案において、出資募集の広告を掲載した新聞社の不法行為責任が否定された事例

(東京地判平22・2・17)

▽出産を控えた妊婦が脳出血を発症して搬送先病院で死亡したことにつき、被告病院医師が搬送先確保を優先して頭部CT検査を実施しなかった点に過失はなく、死亡との因果関係も認められないとして、損害賠償請求が棄却された事例(大阪地判平22・3・1)

▽盲導犬の死亡による損害額が盲導犬育成費用相当額を基礎として認定された事例

(名古屋地判平22・3・5)

○特許権の存続期間の延長を求める期間が「その特許発明を実施することができなかった期間」(特許法六七条の三第一項三号)を超えていないとして審決が取り消された事例

(知的財産高判平21・11・19)

〇 「つゝみ」の半仮名文字を横書きしてなり、土人形を指定商品とする登録商標について、商標法二条三項一号及び二号所定の使用が認められた事例

(知的財産高判平21・4・28)

▽水系ゲル化剤および水系ゲルについての発明に係る特許権の侵害訴訟において、被告の製造、販売したゲルタイプ芳香剤が発明の技術的範囲に属さないとして、原告の損害賠償請求が棄却された事例

(東京地判平22・1・27)

商亊

▽交通事散で死亡した被保険者の死因が自殺であったとして当該死亡を理由とする保険金受取人の保険金請求が棄却された事例(大阪地判20・3・12)

労働

▽一 労働組合が複数併存し、使用者が多数派労働組合とのみ経営協議会を設けている場

合において、経営協議会で提示された資料や説明内容が団体交渉における説明・協議の基礎となるときは、使用者は、少数派労働組合から求められれば、団体交渉において必要な限りで同様の資料の提示や説明を行う必要があるとした上、当該少数派労働組合との団体交渉における使用者の対応がこれらの点において不誠実であったとして労組法七条二号の不当労働行為該当性が認められた事例

二 団体交渉における使用者の対応について、労組法七条二号の不当労働行為に当たるが、同条三号の不当労働行為には当たらないとして、前者につき救済措置を命じ、後者につき棄却した中労委命令に対して使用者が提起した当該救済措置部分の取消しを求める訴訟において、行訴法二二条により被告側に訴訟参加した労働組合は、必要的共同訴訟の共同訴訟人に準ずる地位に立つが、共同訴訟人とは異なり、独自の訴訟上の請求をしている者ではないから、中労委命令のうちの当該棄却部分の判断が誤っていると主張していても、審理の対象でない事項についての主張であり、これについて判断する必要がないとされた事例

(東京地判平22・2・25)

刑事

◎高等裁判所の判決中の判断がその上告審である最高裁判所の決定において否定された場合における上記判決の刑訴法四〇五条三号の「判例」該当性

(最三決平22・3・16)

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