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判例時報 No.2071
             平成22年5月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

小野博士「日本法理の自覚的展開」の再検討(下)……中山研一   現代型取引をめぐる裁判例(254)……升田純   海外刑法だより(300) 執筆三〇〇回に寄せて――愚直、わが道を行く (1) ……森下 […]


小野博士「日本法理の自覚的展開」の再検討(下)……中山研一

現代型取引をめぐる裁判例(254)……升田純

海外刑法だより(300)

執筆三〇〇回に寄せて――愚直、わが道を行く (1) ……森下忠

◆判決録◆

行政

▽一 初乗運賃を四八〇円などとする一般旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃及び料金の変更認可申請が道路運送法九条の三第二項三号の基準に適合しないとして同申請を却下した近畿運輸局長の処分が判決により取り消された後、再度、右申請が右基準に適合しないとして同申請を却下した同局長の処分につき、裁量権を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとしてこれを取り消した上、右申請の認可が義務付けられた事例

二 一般旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃及び料金の変更認可申請の却下処分が判決により取り消された後、再度された同申請の却下処分が、近畿運輸局長において通常尽-すべき注意義務を尽-すことなく漫然とされたものであるとして、国家賠償請求が一部認容された事例(大阪地判平21・9・25)

民事

◎A社の財務部門を法人化して設立され、A社を中核とするグループに属するⅩ社が、上記グループに属するB社に金員を貸し付け、B社の代表取締役であるYがこの貸付けに係るB社の借入金債務を保証した場合において、B社が既に事業を停止している状況下で、Ⅹ社がYに対して保証債務の履行を請求することが権利の濫用に当たるとされた事例

(最二判22・1・29)

◎学校による生徒募集の際に説明’宣伝された教育内容や指導方法の一部が変更され、これが実施されなくなったことが、親の期待、信頼を損なう違法なものとして不法行為を構成する場合(最一判平21・12・10)

○警察官からの車両停止の指示を無視するなどの無謀運転を繰り返して逃走を図ろうとする車両運転者に対し’警察官が車両の逃走を阻止するため発砲行為に及んだところ同運転手が傷害を負ったという事故について、当該警察官がけん銃を使用したことについて法の定める注意義務に違反する事実は認められず、国賠法一条一項の違法はないとして、同運転手の国賠請求が斥けられた事例(東京高判平21・12・16)

▽弁護士の弁護士国民健康保険組合からの脱退等につき社会保険労務士、同組合の損害賠償責任が否定された事例

(東京地判平21・7・9)

▽聴覚障害者の交通事故による「手話」の不自由について「言語障害」に相当するとして、後遺障害一二級相当と認定された事例

(名古屋地判平21・11・25)

▽フランチャイジーとして菓子の販売をする者が、フランチャイザーに対して、フランチャイズ契約に違反し、契約時に店舗の売上げ予測に関して不正確、不合理な情報を提供したとして求めた、債務不履行に基づく損害賠償請求が認められた事例

(大津地判平21・2・5)

▽医師の資格を有する医科大学の大学院生が、大学病院における徹夜の手術に助手として参加した後、自家用車を運転してアルバイト先の病院に向かう途中、居眠り運転が原因して交通事故を惹き起こして死亡した場合に、大学の安全配慮義務違反を認め、当該大学院生の両親の損害賠償請求が認容された事例

(鳥取地判平21・10・16)

知的財産権

○「自動装着機の作動方法、自動装着機、自動装着機用の交換可能なコンポーネント、並びに自動装着機と交換可能なコンポーネントとからなるシステム」とする発明に係る特許出願における補正を却下した審決の判断が誤りであるとして、同審決が取り消きれた事例

(知的財産高判平21・8・20)

○一 審判の審理中に原告の内容説明の申し出を採用しなかったことが審決の結論に影響したということはできないとされた事例

二 特許発明の容易想到性を理由とする無効審判請求が成り立たないとした審決の取消訴訟において、本件発明の記載が明確でなく、実施可能要件を満たしていないとか、そのために容易に発明することができるなどという主張をすることは許されない

(知的財産高判平21・9・1)

商事

▽信託銀行が不動産会社のためにホテルの土地建物の売買を媒介した場合において、仲介契約の成立を認め、相当報酬として三三億円の媒介手数料が認められた事例(東京地判平21・12・9)

労働

〇一 早稲田大学の私的年金制度が、大学と教職員との契約に基づいて運営され、教職員に対する福利厚生、功労報償の性格を強く有するものであって、賃金の後払いの要素の比重は大きくなく、教職員の相互扶助の性格を具有するものとされた事例

二 本件年金制度の規則の条項が制度の維持のために必要な合理的な範囲内であれば個別の同意がなくても年金支給額の減額変更を許容していると認められた事例

三 年金の積立比率の目標値を八〇%と定め、これを二〇年かけて実現するために予定年利率を四・五%から二・五%に引き下げ、年金の支給額を最大三五%引き下げる年金規則の改定が、年金基金の財政の現状を考慮すれば、年金制度の維持、存続のために大学がその合理的裁量の範囲内で定めたものとして相当性があり、改定の手続も相当性があるとされた事例

(東京高判平21・10・29)

刑事

◎刑法九六条の二にいう「強制執行」と民事執行法一条所定の「担保権の実行としての競売」

(最一決平21・7・14)

◎一 パチスロ店内で、パチスロ機から不正な方法によりメダルを窃取した者の共同正犯である者が、上記犯行を隠ペいする目的をもって、その隣のパチスロ機において、自ら通常の方法により遊戯していた場合、この通常の遊戯方法により取得したメダルについて窃盗罪が成立するか

二 窃取した財物と窃取したとはいえない財物とが混在している場合における窃盗罪の

成立範囲について判示した事例

(最一決平21・6・29)

◆最高裁判例要旨(平成二二年二月分)

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