バックナンバー

判例時報 No.2067
             平成22年4月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆ 記事◆ 専門技術的裁量について……宮田三郎 現代型取引をめぐる裁判例(251)……升田純   ◆判決録◆ 行政 ◎市が土地開発公社に対し土地の先行取得を委託する契約が、私法上無効とはいえず、また 市にその取 […]


◆ 記事◆

専門技術的裁量について……宮田三郎

現代型取引をめぐる裁判例(251)……升田純

◆判決録◆

行政

◎市が土地開発公社に対し土地の先行取得を委託する契約が、私法上無効とはいえず、また

市にその取消権又は解除権があるとはいえないものの、著しく合理性を欠き、そのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存する場合であっても、市が上記公社の取得した上記土地を上記委託契約に基づく義務の履行として買い取る売買契約を締結したことが違法とはいえないとされた事例

(最一判平21・12・17)

〇反政府的な楽曲を歌うボーカリストであるミャンマー人について「難民」とは認められな

いとされた事例

(東京高判平21・4・15)

民事

◎簡易生命保険特約約款の別表に手術保険金の支払対象となる手術として「その他の子宮観血手術(人工妊娠中絶術を除く)」が掲げられている場合における、同別表にいう「子宮観血手術」の意義

(最一判平21・10・1)

〇一 「本営業に必要な譲渡日現在の資産負債及び営業権、特許権、実用新案権、商標権等の一切の権利」を譲渡する旨の営業譲渡契約において、契約当時設定登録に至っていない特許を受ける権利も、譲渡の対象とされた事例

二 譲渡人名義の預金に振り込まれた営業譲渡契約の対価の支払が、債務の本旨に従った営業権の対価の支払の履行として、特許権等の移転登録手続に対する同時履行の抗弁権が成立しないとされた事例

(知的財産高判平21・10・20)

〇一 相続財産法人は養子縁組無効確認訴訟の原告となることができるか(積極)

二 民法八〇二条言号にいう「縁組をする意思」の意義

三 養子縁組が「縁組をする意思」を欠くことを理由に無効とされた事例

(大阪高判平21・5・15)

○自殺した土木工事会社の営業所長に対し、上司が、不正経理の解消、工事日報の作成等について相当程度の指導・叱責をしても、それが社会通念上許されるものである限り、不法行為にあたらず、営業所長が自殺に至る予見可能性はなく安全配慮義務違反も認められないとして、会社の損害賠償責任が否定された事例

(高松高判平21・4・23)

▽寺院墓地を経営する宗教法人が墓地使用者に対し同じ墓地内の別の区画への改葬を承諾することと墳墓を収去し従前の使用区画を明け渡すことを求めた請求が認容された事例

(東京地判平21・10・20)

▽破産した商品先物取引の仲介会社の顧客が、同会社の代表取締役、取締役ら役員に対し、

違法な勧誘等により損害を被ったとして求めた損害賠償請求が認容された事例

(大阪地判平21・5・21)

▽市立小学校五年生の児童が学校の教諭から体罰を受けた後自殺したが、体罰と自殺との相当因果関係を認めて、被害児童の親権者の市に対する国家賠償請求が認容された事例(損害の九割を減額)

(福岡地小倉支判平21・10・1)

▽地方公共団体等がした調査結果の公表等の違法が争われた事案において、公表の根拠となった調査機関による調査結果は、公表事実を真実と信じるにつき相当な根拠となりうるものであり、右公表は、その目的、時期及び内容に照らして相当であったなどとして、損害賠償請求が棄却された事例

(那覇地判平20・9・9)

知的財産権

○登録商標の使用をしていることが認められるとして、商標法五〇条一項に基づく登録取消審判請求を認めなかった審決が維持された事例

(①、②知的財産高判平21・10・22)

商亊

◎農業協同組合の代表理事が、補助金の交付を受けることにより同組合の資金的負担のない形で堆肥センター-建設事業を進めることにつき理事会の承認を得たにもかかわらず、その交付申請につき理事会に虚偽の報告をするなどして同組合の費周負担の下で同事業を進めた場合において、資金の調達方法を調査、確認することなく、同事業が進められるのを放置した同組合の監事に、任務のけ怠があるとされた事例

(最二判平21・11・27)

▽火災保険金の請求が、当該火災は保険契約者又はその意を受けた関係者による放火と推認できるとして免責抗弁が認められ、棄却された事例

(水戸地判平21・10・7)

◎請負人と雇周契約を締結し注文者の工場に派遣されていた労働者が注文者から直接具体的な指揮命令を受けて作業に従事していたために、請負人と注文者の関係がいわゆる偽装請負に当たり、上記の派遣を違法な労働者派遣と解すべき場合に、注文者と当該労働者との

間に雇用契約関係が黙示的に成立していたとはいえないとされた事例

(最二判平21・12・18)

◎人工の砂浜の管理等の業務に従事していた者につき砂浜での埋没事故発生の予見可能性が認められた事例―明石砂浜陥没死事件上告審決定(最二決平21・12・7)

◆最高裁判例要旨(平成二二年一月分)

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP