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判例時報 No.2048 〔判例評論 No.608〕
             平成21年10月1日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆判決録◆ 行政 ▽道路交通法七〇条所定の安全運転義務違反の違反行為があるとして運転免許取消処分を受けた原告がした同処分の取消請求が、認容された事例 (東京地判平21・3・26)   民事 ◎一 継続的な金銭消 […]


◆判決録◆

行政

▽道路交通法七〇条所定の安全運転義務違反の違反行為があるとして運転免許取消処分を受けた原告がした同処分の取消請求が、認容された事例

(東京地判平21・3・26)

民事

◎一 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が、利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合における、上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効の起算点(①、②事件)

二 過払金返還請求権の消滅時効は継続的な金銭消費貸借取引が終了した時から進行するとして、過払金返還請求及び過払金発生時からの民法七〇四条所定の利息の請求が認容された事例(③事件)

(①最三判平21・3・3、②最二判平21・3・6、③最二判平21・7・17)

○工務店を加盟工務店としてオーエムソーラーシステム等の部材を供給した部材供給業者について、同システムにより住宅を建築しょうとする消費者に対するシロアリ発生のリスクを伝え、シロアリ進入を防ぐ指導をする義務を怠った過失があるとして損害賠償が命じられた事例

(名古屋高判平20・4・21)

▽被相続人が実質所有していた借用名義株について、その相続人の一人が民法一六三条、一六二条一項によって時効取得することが認められた事例

(東京地判平21・3・30)

▽介護付有料老人ホームの入居金につき、「終身利用棒金」を返還しないものとする合意、及び、「入居一時金」を入居契約締結日から一定の期間で月割り均等償却をする旨の合意が、いずれも消費者契約法九条言号及び同法一〇条に違反しないものとされた事例

(東京地判平21・5・19)

▽証券会社の担当者による東証一部上場株式購入の勧誘につき、適合性原則から著しく逸脱したものであったとして不法行為の成立が認められた事例

(大阪地判平21・3・4)

▽交通事故の被害者について、低髄液圧症候群の後遺障害の発症が認められなかった事例

(名古屋地判平21・3・18)

▽市立中学の柔道部の練習時に男子生徒から投げられ重傷を負った女子生徒とその両親による市及び県並びに加害男子生徒に対する損害賠償請求が認容された事例

(福島地郡山支判平21・3・27)

知的財産権

▽一 化粧品の容器及び包装につき不正競争防止法二条一項一号の商品表示性及び周知性が認められた事例

二 OEM製造委託契約に基づく製品の納入が不正競争防止法二条一項三号の商品の

「引渡し」に該当し、原告の営業上の利益を侵害するとされた事例

(大阪地判平20・10・14)

商事

▽貸金業を営む会社より借入れし利息制限法所定の制限利率超過の利息を支払い損害を被ったとして、同会社の取締役に対する会社法四二九条一項に基づく損害賠償請求が認容された事例

(広島地判平20・9・26)

労働

○造船所や下請会社などで稼働していた労働者がじん肺に躍患したことにつき、造船所経営会社の安全配慮義務違反の責任が認められた事例

(福岡高判平21・2・9)

刑事

▽家庭裁判所から精神鑑定を命じられた医師が、ジャーナリストに対し、供述調書等を閲覧させるなどした行為について、秘密漏示罪が成立すると判断された事例

(奈良地判平21・4・15)

最新判例批評

五七 県が職員の退職手当に係る源泉所得税を法定納期限後に納付したため不納付加算税等の納付を余儀なくされた場合において、源泉所得税の納付に必要な出納長に対する払出通知が遅滞したことにつき、同払出通知に関する専決権限を有する職員に重大な過失はなく、同職員は県に対し地方自治法(平成一八年法律第五三号による改正前のもの)二四三条の二第一項後段の規定による損害賠償責任を負わないとされた事例

(最一判平20・11・27) ……後藤光男

五八 法人税の減額更正に伴う都民税法人税割額の減額更正により生じた過納金に係る還付加算金の起算日について

(最二判平20・10・24)……岩崎政明

五九 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が、利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合における、上記取引により生じた過払い金返還請求権の消減時効の起算点

(最二判平20・10・24) ……松本克美

六〇 前訴において一個の債権の一部についてのみ判決を求める旨が明示されていたとして、前訴の確定判決の既判力が当該債権の他の部分を請求する後訴に及ばないとされた事例

(最一判平20・7・10) ……渡部美由紀

六一 正当防衛に当たる暴行及びこれと時間的、場所的に連続して行われた暴行について、両暴行を全体的に考察して一個の過剰防衛の成立を認めることはできないとされた事例

(最一決平20・6・25) ……川端博

六二 ライブドア事件控訴審判決(東京高判平20・7・25) ……高山佳奈子

六三 一 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義

二 有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義は、直接証拠によって事実認定をすべき場合と情況証拠によって事実認定をすべき場合とで異なるか

(最一決19・10・16)……中野目善則

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