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判例時報 No.2047
             平成21年9月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 現代型取引をめぐる裁判例(238)……升田純   海外刑法だより(292)ICC協力法の問題点……森下忠   ◆判例特報◆ ①一 特許権の存続期間の延長登録出願について、薬事法一四条の医薬品 […]


◆記事◆

現代型取引をめぐる裁判例(238)……升田純

海外刑法だより(292)ICC協力法の問題点……森下忠

◆判例特報◆

①一 特許権の存続期間の延長登録出願について、薬事法一四条の医薬品の製造販売についての承認(本件処分)の対象になった当該医薬品と「有効成分」及び「効能・効果(用途)」を共通にする医薬品について、先行する製造販売の承認(先行処分)が存在することを理由としてした特許法六七条の三第七項一号に基づく延長登録出願を拒絶した審決には誤りがあるとして、これが取り消された事例

二 特許法六七条の三第1項言方により延長登録出願を拒絶するためには、① 「政令で定める処分」を受けたことによっては、禁止が解除されたとはいえないこと、又は、②「『政令で定める処分』を受けたことによって禁止が解除された行為」が「『その特許発明の実施』に該当する行為」に含まれないことを論証する必要があるとされた事例

三 特許法六八条の二によって、存続期間が延長された場合の特許権の効力の範囲について、「政令で定める処分」が薬事法所定の承認である場合、「政令で定める処分」の対象となった「物」とは、当該承認により与えられた医薬品の「成分」、「分量」及び「構造」によって特定された「物」を意味するとされた事例

――「パシーフカプセル30mg特許権存続期間延長登録事件知的財産高裁判決(知的財産高判平21・5・29)

②有価証券報告書の虚偽記載による損害賠償請求が認容された事例

――ライブドア株式一般投資家集団訴訟第一審判決(東京地判平21・5・21)

◆判決録◆

行政

◎市の発注した工事に関し談合をしたとされる業者らに対して市長が不法行為に基づく損害賠償請求権を行使しないことが違法な怠る事実に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

(最三判平21・4・28)

民事

◎貸金業者が、借主に対し、期限の利益の喪失を宥恕し、再度期限の利益を付与したとした原審の判断に違法があるとされた事例

(最三判平21・4・14)

○いわゆる「デート商法」による宝飾品の購入者が既払いの割賦金の返還を斡旋業者に求めることができるとされた事例

(名古屋高判平21・2・19)

▽申請主による指定確認検査機関に対する建築確認検査業務委託契約の善管注意義務違反に基づく損害賠償請求が認められた事例

(東京地判平21・5・27)

▽殺人事件の現場中継をしていたテレビ番組において無断で顔などを放送されたことにより肖像権やプライバシーの侵害が認められるとし、番組の制作会社や放送会社につき不法行為が成立するとされたものの、司会のキャスターについては不法行為の成立が否定された事例

(東京地判21・4・14)

▽左腎摘出手術を受けた腎癌患者が死亡した場合、手術の際必要でない上腸間膜動脈を結染した過失があったなどとして病院柳の損害賠償責任が認められた事例

(福岡地判平21・1・9)

知的財産権

○他人の名称又は名称を含む商標については、その他人の承諾を得ているものを除き、商標法四条一項八号に該当し、商標登録を受けることができず、出願人と他人との問での商品又は役務の出所の混同のおそれの有無、いずれかが周知著名であるということなどは考慮されない

(知的財産高判平21・5・26)

刑事

◎銀行がした融資に係る頭取らの特別背任行為につき、当該融資の申込みをしたにとどまらず、その実現に積極的に加担した融資先会社の実質的経営者に、特別背任罪の共同正犯の成立が認められた事例

(最一決平20・5・19)

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