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判例時報 No.2046
             平成21年9月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 許可抗告事件の実情――平成二〇年度……綿引万里子 宮城保   現代型取引をめぐる裁判例(237)……升田純   ◆判例特報◆ 有価証券報告書虚偽記載という上場廃止事由の存在を隠して株式上場を […]


◆記事◆

許可抗告事件の実情――平成二〇年度……綿引万里子 宮城保

現代型取引をめぐる裁判例(237)……升田純

◆判例特報◆

有価証券報告書虚偽記載という上場廃止事由の存在を隠して株式上場を続けた上場会社が上場廃止となった場合において、上場廃止に伴う株価暴落による損害の賠償を求める株主から会社に対する請求につき、虚偽記載発覚直前の株価と株式売却価格との差額を損害として認定せず、民事訴訟法二四八条を適用して損害が算定された事例

――西武鉄道株主集団訴訟控訴審判決(東京高判平21・2・26)

◆判決録◆

行政

◎一 地方自治法(平成l四年法律第四号による改正前のもの)二四二条の二第七項にいう「相当と認められる額」の意義及び算定基準

二 地方自治法(平成一四年法律第四号による改正前のもの)二四二条の二第七項にいう「相当と認められる額」についての原審の認定判断に違法があるとされた事例

(最一判平21・4・23)

▽ブラジルに居住し日本国内に現在しないで被爆者健康手帳の交付を申請した被爆者が県知事に申請を却下された場合、身体的・経済的事情から来日することが困難であり、本人確認や被爆時の状況調査により原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律一条各号の該当性が判定できる等の特段の事情があるときには、要件不充足を理由とする却下処分は裁量権の濫用として違法な処分となるとして、却下処分が取り消された事例

(広島地判平20・7・31)

民事

◎被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出したため相続人がその事実を知ることができなかった場合における上記殺害に係る不法行為に基づ-損害賠償請求権と民法七二四条後段の除斥期間

(最三判平21・4・28)

◎保全すべき権利が発令時から存在しなかったものと本案訴訟の判決で判断され、仮処分命令が事情の変更により取り消された場合において、当該仮処分命令の保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき、不当利得返還請求をすることができるか

(最二判平21・4・24)

○自民党職員の執筆、出版した書籍の記述により民主党副代表者であった政治家の名誉を毀損したとして、名誉穀損による不法行為責任が認められた事例(東京高判平21・2・5)

▽いわゆる右翼団体等の抗議行動による混乱のおそれを理由に朝鮮総聯系の集会のために認められていた東京都の日比谷公園大音楽堂の使用承認処分を取り消したことが違法であるとされ国家賠償請求が一部認容された事例

(東京地判平21・3・24)

▽受注者の談合の防止を企図した違約金条項が定められている工事請負契約において、いわゆる官製談合として、発注者の職員が当該談合に関与していた場合の受注者の違約金支払義務(肯定・二割の過失相殺)

(大阪地判平21・3・3)

▽指定暴力団の三次組織の構成員らが縄張維持等の目的のために被害者に暴行を加えて死亡させた事件について、その構成員らの共同不法行為責任のほか、一次組織、二次組織及び三次組織の各長の使用者責任が認められた事例

(横浜地中間判平20・12・16)

▽自衛隊のイラク派遣が違憲であるとして、国に対して求めた損害賠償請求が棄却された事例(岡山地判平21・2・24)

知的財産権

○発明の名称を「レーダ」とする本願発明の進歩性の有無の判断に当たり、引用発明に、周知技術であるオフセンタ機能を採用する解決課題’優位性ないし動機等は存在しないと判示し、拒絶査定不服審判の不成立審決が取り消された事例

(知的財産高判平20・12・25)

商事

▽弁護士が控訴期間を徒過してその受任していた第一審の敗訴判決に対する控訴を提起することができなかったため依頼者に代わって第一審の相手方に対して第一審判決の認容額の一部を示談金として支払った場合と弁護士賠償責任保険契約にいう「業務に起因する損害」の有無(消極)

(東京地判平21・1・23)

労働

▽液晶生産ライン開発プロジェクトの業務に従事していた者が発症した精神障害につき、同人に対する心理的負荷を生じさせる事情が重層的に発生し、心理的負荷を先進させたなどとして業務起因性が認められた事例

(東京地判平21・5・18)

刑事

▽外国公務員等に対する不正の利益等の禁止違反による不正競争防止法違反被告事件について、法人が罰金刑に、個人が執行猶予付き懲役刑に処された事例

(東京地判平21・1・29)

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