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判例時報 No.2043
             平成21年8月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 最高裁民事破棄判決等の実情(上)――平成二〇年度……増森珠美 清野正彦   取消訴訟における周辺住民の原告適格(3)――小田急最高裁大法廷判決以後における下級審判例の動向と解釈上の問題点— […]


◆記事◆

最高裁民事破棄判決等の実情(上)――平成二〇年度……増森珠美 清野正彦

取消訴訟における周辺住民の原告適格(3)――小田急最高裁大法廷判決以後における下級審判例の動向と解釈上の問題点——-小津道一

現代型取引をめぐる裁判例(235)……升田純

◆ 判決録◆

行政

〇一 原告ら二社が、旧郵政省の郵便区分機類入札において、同省から情報の提供を受けた者のみが入札することになっていた場合であっても、独占禁止法三条、二条四項に規定する競争関係にある事業者であると認定された事例

二 原告ら二社が、同法三条、二条六項の不当な取引制限を共同でする黙示的な意思の連絡があったと認定された事例

(東京高判平20・12・19)

民事

◎弁護士会の設置する人権擁護委員会が受刑者から人権救済の申立てを受け、同委員会所属の弁護士が調査の一環として他の受刑者との接見を申し入れた場合において、これを許さなかった刑務所長の措置に国家賠償法一条一項にいう違法がないとされた事例

(最三判平20・4・15)

○アルゼンチンで発生した日本人運転者の交通事故により日本人同乗者が死亡した事故について、アルゼンチン法の適用が公序に反するとして日本法により損害が算定された事例

(福岡高判平21・2・10)

▽参議院議員宿舎の建替えをめぐって紛争が発生している状況の下、参議院事務局の担当者が反対派住民との電話内容等の個人情報を記録した文書を賛成派住民に交付したことにつき、個人情報の漏洩による不法行為が認められた事例(慰謝料として五〇万円が認められ

た事例)

(東京地判平21・4・13)

▽自分に万一の事があれば本件全てを実弟にお渡しくださいと記載された自筆証書遺言が有効とされた事例

(大阪地判平21・3・23)

▽自転車を運転して公園内から道路に進出した児童(七歳)が自動車に衝突されて死亡した

事故につき、自動車運転者の責任とともに、右公園及び道路の管理者である町の国家賠償

法二条一項に基づく責任が認められた事例

(名古屋地判平21・3・6)

知的財産権

○発明の名称を「回路用接続部材」とする本願発明の進歩性の有無の判断に当たり、本願発明の進歩性を否定するためには、引用発明から本願発明の特徴点に到達できる試みをしたであろうという推測が成り立つのみでは十分ではなく、本願発明の特徴点に到達するためにしたはずであるという示唆等が引用例に存在することが必要であると述べた上、引用例には、本願発明の特徴に対する示唆等があるとはいえないと判示し、審決の判断には誤り

があるとして、これが取り消された事例

(知的財産高判平21・1・28)

〇商標法五二条一項一号(不正使用による商標登録の取消し)該当性を否定し、特許庁がした商標登録取消審決が取り消された事例

(知財財産高判平21・2・24)

商事

▽一 日刊新聞法に定める「事業関係者」の範囲については、役員・従業員及びこれに準じる地位にある者を指すとともに、準じるものであるか否かについては、日刊新聞の発行事業に密接に関係する業務を行う者であるか否か、という観点から判断すべきである

二 日刊新聞法に基づく株式譲渡制限の効力

三 日刊新聞法に基づいて定款に株式の譲渡制限規定を設けている株式会社において、事業関係者以外の者に株式の譲渡を行い、譲渡承認請求及び不承認の場合の買受人指定請求をした場合には、会社法一四五条二号の適用・類推適用はなく、会社が譲渡承認及び買受人の指定通知をしなかったとしても、譲渡を承認したものとみなされることはなく、その譲渡の効力は無効である

(東京地判平21・2・24)

刑事

◎死刑を維持した原判決が是認された事例――和歌山カレー毒物混入事件上告審判決

(最三判平21・4・21)

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