バックナンバー

判例時報 No.2040
             平成21年7月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 取消訴訟における周辺住民の原告適格(1)――小田急最高裁大法廷判決以後における下級審判例の動向と解釈上の問題点……小澤道一   現代型取引をめぐる裁判例(233)……升田純   ◆判決録◆ […]


◆記事◆

取消訴訟における周辺住民の原告適格(1)――小田急最高裁大法廷判決以後における下級審判例の動向と解釈上の問題点……小澤道一

現代型取引をめぐる裁判例(233)……升田純

◆判決録◆

民事

◎いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約中の、ユーザーについて民事再生手続開始の申立てがあったことを契約の解除事由とする旨の特約の効力

(最三判平21・12・16)

▽債権譲渡につき動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律四条一項の譲渡登記を経由した譲受人が、同条二項の通知がされなかったため、その後に第三債務者がした供託において被供託者として記載されていなかった場合と、右供託金の還付請求権の取得の可否 (積極)

(東京地判平21・1・16)

▽百貨店を経営していた株式会社の作成に係る有価証券報告書に貸倒引当金及び債務保証損失引当金の計上不足という虚偽記載があったとは認められないとして、同社の当時の代表取締役及び同社の監査を担当していた監査法人に対して同社の株主が求めた平成一六年法律第九七号による改正前の証券取引法二四条の四、二二条、二一条一項一号あるいは三号の規定に基づく損害賠償責任が棄却された事例

(東京地判平20・2・19)

▽会費の請求書を送付された者が探す込め詐欺を疑い、警察に相談した結果、県警の警察署長が振込先の銀行の預金口座の凍結を依頼し、銀行が預金口座を凍結した場合において、県の国家賠償責任が認められた事例

(東京地判平20・11・12)

▽一 事実の摘示ないし意見論評が公然となされたといえるためには、必ずしも不特定多数人に対して事実の摘示ないし意見論評がなされることは必要とされず、特定少数人に対して事実の摘示ないし意見論評がなされた場合であっても、不特定多数人に伝播する可能性があれば足りるとされた事例

二 「協会内部」「事務局」との表現が協会の事務局長ら個人の名誉を穀損するとはいえないとされた事例三原告らが協会の専務理事名義の文書を偽造して文化庁に提出したとしてこれが刑法上の私文書偽造・同行使罪、公文書偽造・同行使罪に当たる旨の発言をした被告の行為について、名誉穀損に当たるとされた事例(東京地判平21・38・1)

▽約束手形の取立委任を受けた銀行が、委任者の再生手続開始決定後に、同手形を取り立て’その取立金を商事留置権を根拠に当座貸越債権に充当することが許されないとされた事例

(東京地判平21・1・20)

▽保険代理店の立場を利用して団体傷害保険の被保険者資格を有しないにもかかわらず同保険に加入してなした保険金請求が権利濫用に当たり、クリーンハンドの原則に照らし許されないとされた事例

(大阪地判平19・7・26)

▽建築施主と建築業者が自己の提出した建築確認申請に添付した構造計算書の耐震偽装を建築主事が看過したことを違法として求めた国家賠償請求が棄却された事例

(前橋地判平21・4・5)

▽少年刑務所に収容されている被告人の弁護士が被告人の依頼で市販の便篭、封筒の差入申出をしたのを同刑務所が拒絶したのは違法であるとして求めた国家賠償請求が認容された事例

(佐賀地判平21・3・30)

知的財産権

○本件商標と各引用商標はいずれも非類似の商標であるから本件商標の登録が商標法四条一項二号及び一五号に違反するものではないとした審決が取り消された事例

(知的財産高平20・12・17)

▽一 不正競争防止法二条六項における秘密管理性の認定においては、当該情報が営業秘密であると認識できるようにされているか、当該情報にアクセスできる者が制限されているか等を判断要素とし、当該情報の性質等のほか、情報を利用しようとする者が誰であるか等も考慮すべきである

二 退職後においては、職業選択の自由の保障のため、契約上の秘密保持義務を合理的な範囲に限定して解釈するのが相当である

三 退職後の競業避止に関する合意は、職業選択の自由に対して極めて大きな制約を及ぼすものであるから、それに基づく競業避止義務の範囲については、制約の合理性を基礎付け得る必要最小限度の内容に限定して効力を認めるのが相当である

(東京地判平20・11・26)

商事

▽一 いわゆる三角合併に反対する株主の株式買取請求における「公正な価格」が判断された事例

二 株式交換における公「正な価格」の算定基準日は株式交換の効力発生日であるとされた事例

(東京地決平21・3・31)

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP