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判例時報 No.2036〔判例評論 No.604〕
             平成21年6月1日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆判例評論◆ 行政 ▽市の臨時的任用職員に対する年二回の一時金の支給が条例の根拠を欠き違法であり、改正条例附則の規定によってさかのぼって適法なものとなったということもできないなどとして、市長に対し当該支給を決裁した市長に […]


◆判例評論◆

行政

▽市の臨時的任用職員に対する年二回の一時金の支給が条例の根拠を欠き違法であり、改正条例附則の規定によってさかのぼって適法なものとなったということもできないなどとして、市長に対し当該支給を決裁した市長に対する損害賠償の請求をすることが命じられた事例

(大阪地判平20・1・30)

民事

○飲食・接客業を営む会社の代表取締役に選任された雇われママが実質的には雇用関係にある従業員であるとされ、その退任の際における民法六五一条二項所定の責任が否定された

事例

(名古屋高判平20・10・13)

▽会社から自己破産の申立てを受任した弁護士が二年間申立てを放置した場合において、破産財団の損害につき弁護士の不法行為責任が肯定された事例

(東京地判平21・2・13)

▽一 ある意見ないし論評が、その域を逸脱するものであるか否かについて、表現内容の相当性のほか、当該意見ないし論評の必要性の有無を総合して判断すべきであるとされた事例

二 原告に対する名誉穀損表現について、長年にわたる相手方に対する批判的言論の応酬が繰り広げられてきた経緯を考慮して違法性阻却が認められた事例

三 過去の逮捕歴の公表及び婚姻前の不倫関係の公表について、プライバシー侵害が否定された事例

(東京地判平21・1・28)

▽権利能力のない社団に対して債務名義を有し、当該社団の関連会社が登記名義を有する場合に、当該関連会社に対する執行文の付与が否定された事例

(東京地判平20・11・17)

▽店舗棟、住宅株で構成される管理組合の店舗等部会部会長が、組合を代表してした、同組合の前理事長に対する損害賠償請求及び組合員に対する滞納管理費の支払請求について、訴訟追行のための代表権が欠けているとして、いずれもその訴えが却下された事例

(大阪地判平20・11・28)

▽公道で行われた自転車サイクリング行事に参加した者が走行中に歩行者と衝突し、歩行者が死亡した場合、右行事の主催者に事故を未然に防止すべき義務を怠った過失があるとして、その不法行為責任が認められた事例

(広島地尾道支判平19・10・9)

▽スキー場でスキー滑降中に上方後部より滑降してきたスノーボードに追突され受傷した事故つき、スノーボード滑降者に対する損害賠償請求が認容された事例

(さいたま地判平20・11・14)

知的財産権

O「不正の目的」があったものと認めることはできないとして、会社法八条に基づく商号の使用差止等の請求が斥けられた事例

(知的財産高判平19・6・13)

▽物の発明につき、製法の記載がない先行文献の存在を理由として、特許発明の新規性が否

定された事例(東京地判平20・11・26)

労働

▽一 イタリア料理店の料理長であった原告につき、労働基準法四一条二号にいう管理監督者に当たらないとされた事例

二 原告らが、自分たちのタイムカードを勤務先である店舗から持ち出した行為により警察に逮捕されたことにつき、法人である使用者及びその代表者に原告らに対する不法行為が成立しないとされた事例

(東京地判平21・2・9)

刑事

◎警察官が私費で購入したノートに記載し、一時期自宅に持ち帰っていた取調べメモについて、証拠開示を命じた判断が是認された事例

(最一決平20・9・30)

最新判例批評

三三 死者凍結保存精子による体外受精子の亡父への死後認知請求 (法律上の父子関係形成)の可否

(最二判平18・9・4)……吉田邦彦

三四 傷害保険契約における事故の外来性の意義、因果関係および疾病の影響の立証責任

(①最二判平19・7・6、②最二判平19・10・19)……榊 素寛 8–1

三五 高齢 (当時七三歳)の被保険者が入浴中に浴槽内で溺死した場合に普通傷害保険約款にいう「急激かつ偶然な外来の事故」により死亡した場合に当たるとしてその保険金受取人である法定相続人による死亡保険金の支払請求が認容された事例

(大阪高判平19・4・26)……福田 弥夫

三六 暴走族追放条例と合憲限定解釈

(最三判平19・9・18)……曽根 威彦

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