判例時報 No.2030〔判例評論 No.602〕
平成21年4月1日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
◆判決録◆ 行政 ▽一 破産管財人の源泉徴収義務の有無(積極) 二 破産管財人が破産債権の配当に係る源泉所得税の徴収納付をしなかったことにつき国税則法六七条一項ただし害にいう「正当な理由」があるとされた事例 三 破産管財 […]
◆判決録◆
行政
▽一 破産管財人の源泉徴収義務の有無(積極)
二 破産管財人が破産債権の配当に係る源泉所得税の徴収納付をしなかったことにつき国税則法六七条一項ただし害にいう「正当な理由」があるとされた事例
三 破産管財人が破産管財人個人に対する報酬の支払に係る源泉所得税の徴収納付をしなかったことにつき国税通則法六七条一項ただし書にいう「正当な理由」がないとされた事例
(大阪地判平20・3・4)
民事
〇一 控訴に伴う執行停止の担保により担保される損害賠償請求権の性質
二 控訴に伴う執行停止の申立てにおいて相手方が被る損害について未必的な故意があるとされた事例
三 控訴に伴う執行停止が不法行為となる場合において執行停止決定の後民事再生手続開始決定がされたときの損害の算定(大阪とによる損害額が認定された事例
(大阪高判平20・2・28)
○元首相の元秘書からの取材による週刊誌の記事について、同元秘書の名誉毀損、人格権侵害の不法行為の成立が認められなかった事例
(広島高判平20・11・6)
▽日本の大手証券会社のバイス・プレジデントとして勤務する永住資格を有するネパール国籍の男性の死亡による逸失利益について、基礎収入を現実収入一六五〇万円を基礎とし、労働能力喪失期間を六七歳までとして算定された事例
(東京地判平20・11・27)
▽町会を批判するビラを配った者を町会が除名する決議をした場合について、決議の無効確認、無効の旨の告知の掲示請求が認容された事例
(東京地判平20・10・17)
▽廃プラスチックリサイクル施設から排出された有害化学物質により周辺住民に受忍限度を超える健康被害を与えたとして求めた施設の操業禁止の請求が棄却された事例
(大阪地判平20・9・18)
知的財産権
○特許庁の担当職員の過失により特許権を目的とする質権を取得することができなかったことによる損害額が認定された事例
(知的財産高判平21・1・14)
▽一 印刷したものに社「外秘」等の押印をするなど秘密管理のマニュアルがなかったとしても、従業員にとってそれが営業秘密であることを客観的に認識することができたとされた事例
二 仕入先や得意先に対して秘密保持契約を締結することなく設計図等を提供していたとしても、それが営業秘密であって自己又は第三者のために流用することが許されないという認識又は認識可能性が失われるとはいえないとされた事例
(名古屋地判平20・3・13)
刑事
○インターネット関連会社の経営者が、共犯者と共謀の上、①株式交換等に関し虚偽の事実を公表し、②内容虚偽の有価証券報告書を提出したとして、証券取引法違反の罪で懲役二年六月の実刑判決に処せられた原判決が維持された事例
――ライブドア事件控訴審判決(東京高判平20・7・25)
◆最高裁判例要旨(平成二一年一月分)
最新判例批評
二〇場外車券発売施設設置許可処分の取消訴訟と周辺住民及び施設の設置者の原告適格――原告適格に関する最高裁理論の整理と若干の検討
(大阪高判平20・3・6)……大沼洋
二一 殺害され、隠匿されて二〇年以上経過しても、その間に相続人が確定せず、相続人が確定した時から六か月内に損害賠償請求権を行使したときは、民法七二四条後段の効果は生じないとされた事例
(東京高判平20・1・31)……田中宏治
二二 インクカートリッジ事件上告審判決
(最一判平19・11・8)……横山久芳
二三 併合罪関係にある複数の罪のうちのl個の罪のみでは死刑または無期刑が相当とされない場合にその罪について死刑又は無期刑を選択することの可否
(最二決平19・3・22)……山火正則
二四 薬害エイズ事件厚生省ルート最高裁決定
(最二決平20・3・3)……松宮孝明
二五 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を身体に装着してパチスロ機で遊技しメダルを取得した行為につき窃盗罪の成立が認められた事例
(最二決平19・4・13)……本田稔
二六 最高裁判所が高等裁判所判事の職務を代行させる旨の人事措置が発令されていない判事補が構成に加わった高等裁判所により宣告された原判決が刑訴法四二条三号により破棄された事例
(最三判平19・7・10)……渡辺咲子