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判例時報 No.2026
             平成21年2月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

現代型取引をめぐる裁判例(224)……升田純 海外刑法だより(285)真実和解委員会(下)……森下忠   行政 ◎都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている者につき、同テントの所在地に住所を有する […]


現代型取引をめぐる裁判例(224)……升田純

海外刑法だより(285)真実和解委員会(下)……森下忠

行政

◎都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている者につき、同テントの所在地に住所を有するものとはいえないとされた事例(最二判平20・10・3)

民事

◎振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合における受取人による当該振込みに係る預金の払戻請求と権利の濫用(最二判平20・10・10)

〇六六歳の男性患者が胃透視検査を受けたところ、腸内に滞留した造影剤のため、S状結腸に穿孔を発症した場合に、前記検査の後に下剤を授与しなかった医師の過失が認められた事例

(大阪高判平20・1・31)

▽取材ヘリコプターが電力会社の設置する送電線に接触し、撃落した事故について、電力会社の土地工作物責任が認められた事例

(東京地判平20・7・31)

▽飲酒運転中の交通事故について、運転者と共に飲酒していた者 (非同乗者)に民法七一九条の責任が肯定されると共に、運転者の妻の責任が否定された事例

(東京地判平18・7・28)

▽市立小学校の心身障害児学級の教諭が、担当した自閉症児が体育館の倉庫に無断で入ったのを叱責し、倉庫の扉を閉めたことに過失があるとして、同児童の受傷事故につき市に国家賠償責任が認められた事例

(東京地八王子支判平20・5・29)

▽土地の宅地造成工事を請け負い、注文主からその所有する同土地の引渡しを受けて工事を完成した後、残工事代金の支払を受けるまで同土地の占有を継続していたという請負人が、注文者から同土地を買い受け、請負人の占有を注文者と共謀して侵奪し、あるいは、注文者の侵奪した占有を悪意で承継しているという買主に対して求めた占有訴権に基づ占有回復請求が買主の占有承継の悪意を理由に認容された事例

(横浜地判平20・6・27)

▽直腸S状部のがんに対する腹腔鏡補助下直腸切除術を受けた患者が、同手術に伴う吻合作業により吻合部付近に穿孔が生じたことを原因とする汎発性腹膜炎を発症し、再手術により排便障害が残ったことにつき、被告医師三名のうち二名のいずれか一方の医師に過失があったことを認めたものの、それ以上の過失行為主体の特定は困難であるとして、被告病院の債務不履行責任ないし使用者責任が肯定される一方で、被告医師三名の個人責任はいずれも否定された事例

(水戸地土浦支判平20・10・20)

▽強盗事件等で逮捕、勾留、起訴された知的障害者が強盗事件につき真犯人が現れ無罪となったことにつき、知的障害者であることを知りながら自白を誘導、偏重した結果であるとして、警察官及び検察官の行為の違法性を認め、国家賠償請求が認容された事例

(宇都宮地判平20・2・28)

知的財産権

○発明につき、人の行為により実現される要素が含まれ、人の精神活動が必要となるものであっても、人の精神活動を支援するための技術的手段を提供するものであり、特許法二条一項にいう自「然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するものとして、同項の発「明」に該当しないとした審決が取り消された事例

(知的財産高判平20・6・24)

▽一 種苗法に基づく品種登録がされたしいたけの育成者権者である原告が、被告が前記しいたけ品種の種菌から菌床を製造・販売した行為が原告の育成者権を侵害するとして、種苗の生産・譲渡等の差止め等を請求した事案において、原告の請求が一部認容された事例

二 種苗法に基づく品種登録がされたしいたけの育成者権着である原告が、被告が前記しいたけ品稗の種菌から菌床を製造・販売した行為が原告の育成者権を侵害するとして、損害賠償等を請求した事案において、原告の請求が一部認容された事例

(東京地判平20・8・29)

労働

○会社分割新(設分割)に伴い、自己の労働契約が新設会社へ承継されることになる労働者が、平成一二年法律第九〇号商法等の一部を改正する法律附則五条の協議の不履行や会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律七条の措置違反に基づき会社分割の無効を主張した場合について、手続違反は認められないとして、労働契約承継は有効であるとされた事例

(東京高判平20・6・26)

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