バックナンバー

判例時報 No.2023
             平成21年1月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

現代型取引をめぐる裁判例 (222)……升田純   ◆判決録◆ 行 政 ▽一 租税特別措置法四〇条の西が規定する所得税に係るタックスへイブン税制が、日本とシンガポール共和国との問の日雇租税協定に違反しないと判断 […]


現代型取引をめぐる裁判例 (222)……升田純

◆判決録◆

行 政

▽一 租税特別措置法四〇条の西が規定する所得税に係るタックスへイブン税制が、日本とシンガポール共和国との問の日雇租税協定に違反しないと判断された事例

二 租税特別措置法四〇条の四第三項が規定する適用除外要件のうち、非持株会社等基準を充足しないとして同条山項に基づく課税税処分が適法と判断された事例

(東京地判平20・8・28)

民事

○菓子店の男性店長の女性従業員に対するセクシャルハラスメント的言動は違法であるとして経営会社の不法行為責任が認められた事例

(東京高判平20・9・10)

〇生後四か月目と七か月日の二度にわたって総合病院眼科で診察を受けた患者が両眼先天緑内障により視力を失った場合に、医師には、その鑑別診断を進めるための経過観察や再受診の指示を怠った過失があるとして、病院側の不法行為責任が認められた事例

(大阪高判平20・3・26)

〇慢性肺血栓塞栓症との診断を受けた患者が抗凝固療法と酸素投与により改善したため、将来の在宅酸素療法につなぐリハビリ目的で転院したところ、血栓溶解療法が実施され副作用として脳出血により死亡した場合に、適応のない血栓溶解療法を行ったことにより死亡したものであるとして転院した先の医師の過失による病院側の損害賠償責任が認容された事例

(福岡高判平20・6・10)

▽廃食用油から軽油代替燃料を精製する装置の開発に関与した大学、製造業者の製造物責任が否定された事例

(東京地判平20・4・24)

▽一 大手百貨店が確定判決を得て債権を回収した後、債務者の預金を差し押さえたことにつき不法行為が認められた事例

二 右不法行為による信用毀損ないし信用失墜の損害として五〇万円が認められた事例

(東京地判平20・5・28)

▽日本人が、香港法人に対し、契約上の預託金返還義務を負う外国会社と実質的に同一人格であるとして提起した訴訟について、我が国の国際裁判管轄が否定された事例

(東京地判平20・3・19)

▽極低出生体重児として出生した新生児が脳室周囲白質軟化症に罹患した場合、担当医師には新生児の母親に対する病態等の報告・説明義務及び適切な経過観察・治療義務の違反があるとして、病院側の不法行為責任が認められた事例

(大阪地判平19・10・31)

▽台湾から観光旅行の目的で来日中に犯罪被害に遭い死亡した女子大生の遺族である両親が加害者に対して提起した損害賠償請求が本人の逸失利益及び慰謝料並びに両親の慰謝料など合計八六七九万円余の支払を求める限度で認容された事例

(甲府地判平20・2・5)

知的財産権

○特許を受ける権利を共有する合意の効力が、製品開発委託契約の合意解除後も特約により存続するとされた事例

(知的財産高判平平20・10・28)

▽ある芸能人の歌唱時の振り付けを利用したダイエットに関する記事において、記事中に当該芸能人が撮影されている写真を使用したことが、当該芸能人のパブリシティ権を侵害する不法行為には当たらないとされた事例

(東京地判平20・7・4)

刑事

▽殺人罪及び死体損壊罪で起訴された被告人について、殺害行為時には完全責任能力があったものの、死体損壊時においては、解離性同一性障害により心神喪失状態にあった可能性が否定できないとして、一部無罪が言い渡された事例

(東京地判平20・5・27)

Copyrightc 株式会社判例時報社 All Rights Reserved.

PAGE TOP