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判例時報 No.2019
             平成20年12月11日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 現代型取引をめぐる裁判例(220)……升田純   ◆判例特報◆ 旧株式会社日本長期信用銀行の平成一〇年三月期に係る有価証券報告書の提出及び配当に関する決算処理につき、これまで「公正ナル会計慣行」として […]


◆記事◆

現代型取引をめぐる裁判例(220)……升田純

◆判例特報◆

旧株式会社日本長期信用銀行の平成一〇年三月期に係る有価証券報告書の提出及び配当に関する決算処理につき、これまで「公正ナル会計慣行」として行われていた税法基準の考え方によったことが違法とはいえないとして、同銀行の頭取らに対する虚偽記載有価証券報告書提出罪及び違法配当罪の成立が否定された事例

―長銀粉飾決算事件上告審判決(最二判平20・7・18)

◆判決録

行政

○場外車券発売施設の周辺住民に同施設設置許可処分の取消訴訟の原告適格が肯定された事例

(大阪高判平20・3・6)

民事

◎入会集団の一部の構成員が訴えの提起に同調しない構成員を被告に加えて構成員全員が訴訟当事者となる形式で第三者に対する入会権確認の訴えを提起することの許否

(最一判平20・7・17)

○過払金返還請求訴訟において弁護士費用は民法七〇四条後段の損害にあたるとされた事例

(札幌高判平19・11・9)

▽一 借地権の所有権との混同による消滅の是非につき、当該借地権が、他の者の準共有の対象とされている場合、民法一七九条一項ただし書に該当し、借地権は、混同の例外として消滅しない

二 借地権の準共有分割につき、各準共有者が有する地上建物の面積割合を分割の原則的基準とした上で、現物分割が認められた事例

(東京地判平20・10・9)

▽一 呉服販売業者が従業員との間でした複数回の着物等の売買契約が一定の基準点以降、公序良俗に反して無効であるとされた事例

二 信販会社が加盟店である呉服販売業者の違法な販売行為につき共同不法行為責任を負うとされた事例

(大阪地判平20・3・23)

▽軽微な追突事故により被害者に四肢麻痔等の後遺障害が発症したとし、高額の損害賠償請求が認められた事例

(神戸地判平20・4・11)

▽帝王切開での出産経験を持つ経産婦が自然分娩で次女を出産した際、子宮が破裂し、次女は新生児仮死状態で生まれ重度の脳性麻庫となり、四才九か月で死亡した場合に、分娩監視義務及び帝王切開移行準備義務の懈怠があるとして、医師の注意義務違反が認められた事例

(福島地判平20・5・20)

▽地方自治体が、税徴収目的で、税滞納者の消費者金融業者に対するいわゆる過払金に係る不当利得返還請求権を差し押さえた上で提起した取立訴訟において、認容判決が出された事例

(西宮簡判平20・6・10)

知的財産権

◎特許異議申立事件の係属中に複数の請求項,に係る訂正請求がされた場合、特許異議の申立てがされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正は、訂正の対象となっている請求項ごとに個別にその許否を判断すべきか

(最一判平20・7・10)

〇特殊法人の従業員が開発部員として在職中に作成した人工衛星の軌道、姿勢等の解析に関

する一連のプログラムについて、その一つは著作物性を否定し、その余は単独著作又は共同著作の成立を認めたが、職務著作として著作権が当該特殊法人に帰属するとして、各プログラムの著作権及び著作者人格権の従業員への帰属が否定された事例

(知的財産高判18・12・26)

労働

〇勤務時間終了後に社内における飲酒を伴う会合に出席して帰宅途中に転落死亡した場合に通勤災害に当たると認められなかった事例

(東京高判平20・6・25)

刑事

○大型ディスカウントショップ等に対する連続放火事案について、前頭側頭型認知症 (ピック病)の影響により完全責任能力が認められないとの主張が排斥された事例(東京高判平20・5・15)

◆最高裁判例要旨(平成二〇年九月分)

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