判例時報 No.2018 〔判例評論 No.598〕
平成20年12月1日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
◆判決録◆ 行政 ▽医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法に基づき、医薬品である高脂血症治療薬の副作用により筋萎縮等を発症したことを理由とする医療費及び医療手当の給付請求について、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構 […]
◆判決録◆
行政
▽医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法に基づき、医薬品である高脂血症治療薬の副作用により筋萎縮等を発症したことを理由とする医療費及び医療手当の給付請求について、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構理事長が医薬品の副作糟によるものとは認められないとして不支給とした決定が、取り消された事例
(東京地判平20・5・22)
民事
◎Aが運転しBが同乗する自動二輪車とパトカーとが衝突しBが死亡した交通事故につき、Bの相続人がパトカーの運行供用者に対し損害賠償を請求する場合において、過失相殺をするに当たり、Aの過失をBの過失として考慮することができるとされた事例
(最二判平20・7・4)
○区分所有建物の管理組合が専ら専有部分に係る事項について規約で定めることができる特段の事情があるとされた事例
(大阪高判平20・4・16)
▽診療報酬支払基金が歯科医師による診療報酬の支払請求を拒否したことにつき不法行為が否定された事例
(東京地判平20・4・10)
▽商品先物取引の委託により損害を被った被害者が、勧誘行為が違法であるとして、仲介会社、その従業員に対し求めた損害賠償の確定判決後に、従業員の求めた再審開始決定の申立てが認容された事例
(大阪地決平20・5・1)
▽一 国に対しアメリカ合衆国軍隊が使用する航空機の離着陸等の差止めを請求することができないとされた事例
二 アメリカ合衆国軍隊が管理する飛行場周辺の住民が同飛行場に離着陸する航空機による騒音等により被害を受けたとして請求した過去の損害賠償について、同飛行場にいわゆる民事特別法二条の設置又は管理の瑕疵があるとして、その一部が認容された事例
三 アメリカ合衆国軍隊が管理する飛行場周辺の住民が同飛行場に離着陸する航空機による騒音等により被害を受けたとして請求した将来の損害賠償に係る訴えが不適法であるとされた事例
四 国に対しアメリカ合衆国軍隊が使用する航空機の騒音測定等を請求することができないとされた事例
――普天間基地騒音公害訴訟第一審判決(那覇地沖縄支判平20・6・26)
知的財産権
〇「ガラス多孔体及びその製造方法」の発明につき、原告が発明者であると認定した上で、原告の発明者名誉権、名誉権及び名誉感情の侵害を理由とした損害賠償請求を一部認容した原判決が取り消された事例 (知的財産高判平20・5・29)
◆最高裁判例要旨平(成二〇年九月分)
判例評論
七五 医療法七条平(成一八年改正前)に基づく病院の開設許可の取消訴訟と予定地周辺で医療機関を開設する医療法人等の原告適格
(最二判平19・10・19)……山田洋
七六 確定給付企業年金の規約変更についての厚生労働大臣による不承認処分の取消しの訴えが棄却された事例――NTTグループ企業(年金規約変更不承認処分)事件
(東京地判平19・10・19)……嵩さやか
七七 第一貸付けに係る過払金の第二貸付けに係る元本等への充当の可否
(最二判平20・1・18)……鎌野邦樹
七八 民事保全命令事件について、我が国の国際裁判管轄が否定された事例
(東京地決平19・8・28)……酒井一
七九 会社法三四六条一項に基づき退任後もなお会社の役員としての権利義務を有する者に対する解任の訴えの許否
(最三判平20・2・26)……川島いづみ
八〇 根抵当権者に相当の対価を支払い根抵当権を放棄させた行為と詐欺罪の成立
(最三決平16・7・7)……木村光江