判例時報 No.2017
平成20年11月21日 号 定価:円
(本体価格:円+10%税)
◆記事◆ 佐伯博士の刑法思想と「日本法理」(下) ……中山研一 先輩から聞いた話 (五)――菊井維大・村松俊夫・田尾桃二さん……渋川満 現代型取引をめぐる裁判例(219)……升田純 &ensp […]
◆記事◆ 佐伯博士の刑法思想と「日本法理」(下) ……中山研一 先輩から聞いた話 (五)――菊井維大・村松俊夫・田尾桃二さん……渋川満 現代型取引をめぐる裁判例(219)……升田純 &ensp […]
◆記事◆
佐伯博士の刑法思想と「日本法理」(下) ……中山研一
先輩から聞いた話 (五)――菊井維大・村松俊夫・田尾桃二さん……渋川満
現代型取引をめぐる裁判例(219)……升田純
海外刑法だより(282)
国際刑事法関係の訳語……森下忠
◆判決録◆
○行政文書の不開示決定処分取消訴訟において、情報公開法五条三号及び五号の不開示理由該当性を判断するため、当該不開示文書について検証物提示命令がなされた事例
(福岡高決平20・5・12)
▽一 親会社である外国法人からいわゆるストックアワード (当該外国法人の株式を無償で取得することができる権利)を付与された当該外国法人の子会社である日本法人の従業員に対し当該ストックアワードの「vest」時に当該株式の時価相当額の経済的利益を取得し当該経済的利益は給与所得に該当するとしてされた所得税の更正処分が適法とされた事例
二 納税者が所得税の確定申告において勤務先の日本法人の親会社である外国法人から付与されたいわゆるストックアワード (当該外国法人の株式を無償で取得することができる権利)に係る株式の売却代金等を給与所得ないし一時所得として申告したことにつき国税通則法六五条四項にいう正「当な理由」がないとされた事例
(大阪地判平20・2・15)
○個人年金保険契約における年金額を増額できる旨の特約に基づ-年金増額契約につき、民法一一〇条を適用して生命保険会社にその責任を認め、増額後の年金額の請求を認め、同会社に年金増額特約の行使を妨害した不法行為が認められた事例
(東京高判平20・7・31)
〇生後九か月の乳児が気管支ぜん息で入院していたところ、麻疹が発症し重症化して死亡した場合に、γグロブリンの投薬等適正な措置をとらなかった医師に過失があったとして、病院側の不法行為責任が認められた事例
(福岡高判平19・12・6)
○金先物取引委託契約が受託者である商品取引員の委託者である顧客に対するその不利益となる事実の告知がなかったとして消費者契約法四条二項に基づく契約の取消しが認められ、顧客の商品取引員に対する委託証拠金の返還請求が認容された事例
(札幌高判平20・1・25)
▽ヤミ金融業者から出資法違反の高金利の取立てを受けた被害者が、ヤミ金融組織の統括経営者に対して不法行為に基づく損害賠償を請求する場合に、財産的損害額の算定にあたり、貸付金の額を損害額から排除すべきではないとされた事例(東京地判平20・3・7)
▽C型肝炎ウイルス検査についての医師の説明・説得義務違反により患者の死期を早めたとして、遺族の医師及び所属病院に対する慰謝料請求が認容された事例
(大阪地判平19・7・30)
▽受刑者が所有不動産に対する競売開始決定及び引渡命令の各正本の送達が公示送達の方法によってなされたことを違法として国に対して求めた損害賠償請求が認容された事例
(名古屋地判平20・5・16)
○特許異議の申立てに基づく取消決定に対する取消訴訟において’決定における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ換えて進歩性の判断をして、決定が維持された事例
(知的財産高判平18・7・11)
○訂正審判において、訂正後の請求項一記載の発明 (訂正発明一)の進歩性(独立特許要件)を否定し、請求不成立とした審決の取消訴訟において、審決における主たる引用発明と従たる引用発明を入れ換えて進歩性 (独立特許要件)の判断をして、審決が維持された事例
(知的財産高判平18・7・11)
▽企業買収に伴う被買収会社の株式の売買につき、売主に説明義務違反はないとして、買受人である買収会社の売主に対する損害賠償請求が棄却された事例
(大阪地判平20・7・11)