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判例時報 No.2013
             平成20年10月21日 号 定価:円 (本体価格:円+10%税)

◆記事◆ 佐伯博士の刑法思想と「日本法理」(上)……中山研一   甲山現代型取引をめぐる裁判例(217)……升田純   海外刑法だより(281) 死刑、終身刑、無期刑……森下忠   ◆判例特 […]


◆記事

佐伯博士の刑法思想と「日本法理」(上)……中山研一

甲山現代型取引をめぐる裁判例(217)……升田純

海外刑法だより(281)

死刑、終身刑、無期刑……森下忠

◆判例特報◆

一 有価証券報告書の虚偽記載等による提出者の損害賠償責任が肯定された事例

二 有価証券報告書の虚偽記載等の信頼と株式取得との間の因果関係の要否(否定)

三 検察官が容疑事実を記者らに伝達したことが虚偽記載等の事実の公表に当たるとされた事例四 前記損害賠償責任に基づく損害額の推定が認められた事例

五 前記損害額につき裁判所の裁量により三割減額された事例

――ライブドア有価証券報告書虚偽記載事件第一審判決(東京地判平20・6・13)

◆判決録争

行政

▽一 出入国管理及び難民認定法五〇条一項四号の在留特別許可の義務付けを求める訴えが行政事件訴訟法三条六項二号にいう申請型の義務付けの訴えと解された事例

二 日本人と内縁関係にあった外国人の在留を特別に許可しなかった法務大臣等の判断が、裁量権の逸脱、濫用に当たるとして、原告の在留を特別に許可すべきことが命じられた事例

(東京地判平20・2・29)

民事

○殺害され、隠匿されて二〇年以上経過しても、その間に相続人が確定せず、相続人が確定した時から六か月内に損害賠償請求権を行使したときは、民法七二四条後段の効果は生じないとされた事例

(東京高判平20・1・13)

〇一 原告の所有権に基づく土地明渡請求訴訟において、被告の取得時効が完成していることを前提に、その一部につき、後目、原告が売買で取得した地番の土地に含まれることが判明したが、当時、原告において、その取得した地番の土地に含まれるとの認識がなく、このような場合には、遡って原告が当該一部を取得したことにはならないとして、原告の請求が棄却された事例

二 原告の所有権に基づく土地明渡請求訴訟において、被告の取得時効が完成していることを前提に、その一部につき、被告が当該土地の時効取得を原告に対抗するのに登記が必要となる場合であるが、原告がいわゆる背信的悪意者には当たらないとして、原告の請求が認容された事例

(福岡高判平18・9・5)

▽中古自動車の売買契約における当該中古自動車の盗難歴についての錯誤が要素の錯誤に当たるとされた事例(東京地判平20・2・27)

▽一 呉服販売業者が従業員との間でした複数回の着物等の売買契約が一定の基準点以降、公序良俗に反して無効であるとされた事例

二 呉服販売業者と従業員との間の着物等の売買契約について当該従業員が信販会社との間でした立替払契約であっても、売買契約が公序良俗に反して無効であることを理由とするその立替払債務の支払拒絶を信販会社に対抗できるとされた事例(大阪地判平20・1・30)

▽脳動脈癌の手術を受けた患者が、術後に脳梗塞を発症して半身不随、失語症等の後遺症が残った場合に、医師に説明義務違反があったとし、自己決定権を侵害され、精神的苦痛を被ったとして精神的苦痛に対する慰謝料請求が認められた事例 (福岡地判平19・8・21)

知的財産権

○発明が記載されていると主張された図面には日付の記載がなかったが、技術的状況等から、図面に記載された発明が特許出願前に公然と実施されたことを認め、特許に係る発明は公然と実施された発明から容易に想到することができるとして、特許権者の請求が棄却された事例(知的財産高判平19・9・26)

商事

▽コンビニエンスストアにおける販売を予定したメーカーと販売代理店との間の商品の継続的売買におけるメーカーの返品を受け容れる義務に関する特約が公序良俗に違反せず有効であるとし、販売代理店の返品に係る商品代金の請求が認容された事例(東京地判平20・5・14)

刑事

◎一 責任能力判断の前提となる精神障害の有無及び程度並びにこれが心理学的要素に与えた影響の有無及び程度について、精神医学者の鑑定意見等が証拠となっている場合における、裁判所の判断の在り方

二 統合失調症による幻覚妄想の強い影響下で行われた行為について、正常な判断能力を備えていたとうかがわせる事情があるからといって、そのことのみによって被告人が心神耗弱にとどまっていたと認めるのは困難とされた事例 (最二判平20・4・25)

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